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漫画『AIの遺電子 Blue Age』感想―AIと共生する未来医療の最前線!

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AIの革新的進歩を皮切りに、人類が人型AI「ヒューマノイド」と共生するようになった未来。医師・須堂光は、医療の最前線で何を見る?

山田胡瓜さんの漫画『AIの遺電子 Blue Age』。『AIの遺電子(あいのいでんし)』シリーズの主人公・須堂光の研修医時代を描く、SFヒューマン・ドラマです。

AIの遺電子 Blue Age 1 (少年チャンピオン・コミックス)

『AIの遺電子 Blue Age』は秋田書店の漫画雑誌「別冊少年チャンピオン」連載。2023年11月現在、単行本1~7巻が刊行中です。

漫画『AIの遺電子 Blue Age』感想・レビュー

概要

『AIの遺電子 Blue Age』は、『AIの遺電子』『AIの遺電子 RED QUEEN』に続く、シリーズ三作目

AIの遺電子 1 (少年チャンピオン・コミックス)

時系列としては

  1. 『AIの遺電子 Blue Age』(本作)
  2. 『AIの遺電子』(無印)
  3. 『AIの遺電子 RED QUEEN』

という流れ。

『AIの遺電子』では開業医となっている主人公・須堂光。その研修医時代と、彼が関わる人々の姿が、現在の延長線上にある未来世界を舞台にオムニバス的に描かれていきます。

なお以下で紹介する世界観のほか、人間の脳に直接情報を表示する「インプラント技術」が発達している、などの状況を理解していれば、本作『Blue Age』から読んでも問題無い作りになっています。

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『AIの遺電子 Blue Age』の世界観

『AIの遺電子 Blue Age』の時代は、22世紀(2175年~)。

AIの革新的な発達が起こり「超AI」が誕生し、その支援を受けて「ヒトの心を持つAI=ヒューマノイド」が登場。

「身体パーツの替えが効く」「出産できない」などの違いはあれど、人間とほぼ同等の能力や寿命を持つヒューマノイドは、人権を得て人間と共生。

日本でも人口の1/10がヒューマノイドとなっている、という世界観です。

AIの遺電子 Blue Age 2 (少年チャンピオン・コミックス)

なお劇中では人間・ヒューマノイドを「目」で描き分けている、というのがポイント。

人間の瞳孔は正円、ヒューマノイドの瞳孔は楕円形で、それを見分ける事で、各人物の立ち位置が把握できる構造になっています。

未来の医療系ヒューマンドラマ

医療ドラマを描く漫画は数多くありますが、それらにSF要素を追加しているのが『AIの遺電子 Blue Age』ならではの特徴。

  • 無脳症で生まれてくる赤ちゃんに、ヒューマノイドの電脳を移植するべきか?その時、心はどこに宿るのか?(1巻収録『2175年の決断』)
  • 病院関係者の飲み会。そこに参加した女性ヒューマノイドは、カルト思想を興奮気味にまくし立てる。その様子を違和感を覚えた須堂は…(1~2巻収録『許されざる者』前・後編)
  • 病院内で職員のサポートや評価をするAI。自分の評価が落ちたことをきっかけに、至るところにある「AIの目」が気になり始めた看護師は…(2巻第7話『パノプティコン』)

など、「未来の医療系ヒューマンドラマ」といったテイストを持つ、ユニークなエピソードの数々が、時にコミカル、時にシリアスに展開されます。

AIの遺電子 Blue Age 3 (少年チャンピオン・コミックス)

そんなAIと日常的に関わる生活の中で、須堂光や同僚、または医療を受ける立場の人々が、諸問題に対してどのように向き合い決断するのか?が見どころ。

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「想像を刺激する結末」が面白い!

科学・医学など各種テクノロジーが発達した世界。

特に目覚ましい発展を遂げた「超AI」は、人類に多大な恩恵をもたらし、またヒューマノイドを受け入れたことで、社会はより豊かな方向へ。

と同時にそれは、生命や生き方に関する新たな「問題」を生み出し、個人または社会全体で価値観・倫理観のアップデートが必要に

さてそれらをどのように解決するべきか?(またはしないのか?)が、『AIの遺電子 Blue Age』の面白み。

AIの遺電子 Blue Age 4 (少年チャンピオン・コミックス)

答えは決してひとつでは無い。むしろ答えなど無いのかもしれない。

須堂ら登場人物は劇中で一定の「解答」を出しますが、時にモヤモヤが残ったりも。

その様子を眺めながら、「自分だったらどうするだろう?」と考えざるを得なくなる展開。

SF要素を散りばめながらもリアリティにあふれ、不思議なヴァーチャル感があります。

さて物語は今から約150年後の世界ですが、現実は今なお加速中。須堂らが悩んでいることも、そう遠からず我が身となる、のかもしれません。

『AIの遺電子 Blue Age』まとめ

以上、山田胡瓜さんの漫画『AIの遺電子 Blue Age』の感想・レビューでした。

本作はシリーズ3作目ですが、『Blue Age』から読み始めても、問題なく楽しめるでしょう。

また作中には作者自身によるコラムが随所に挿入。AIやその他科学知識について、より知見を深められるつくり。SF好き・ヒューマンドラマ好きにオススメです。

AIの遺電子 Blue Age 5 (少年チャンピオン・コミックス)

なお『AIの遺電子 Blue Age』は、4巻終盤より新章『新世界編』に突入

高度なAIに管理された会員制の街「新世界」の病院へ転属した須堂光が、そこで暮らす人々と触れ合っていきます。

「労働のない街」と呼ばれるその都市では、誰もが幸福を享受しているのですが、同時に倫理的な諸問題も浮き彫りに。

さて、そこは果たして理想郷なのか?というSF心を刺激される内容が非常に面白い!今が読み頃の漫画です。

AIの遺電子 Blue Age 1 (少年チャンピオン・コミックス)

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