不倫の沼から湧き出る狂気―「あなたのことはそれほど」感想(1~4巻)

その昔「不倫は文化」と豪語された芸能人もいましたが、不倫にめっきり厳しい世の中になりましたね。

え?私?不倫するような余裕なんてないっすよ。余裕があってもしませんけどね!(真顔)

というわけで、そんな不倫カップルとそれぞれの配偶者をドロドロ描いた漫画・いくえみ綾さんの「あなたのことはそれほど」感想です。

フィール・ヤング連載の「あなたのことはそれほど」は現在4巻まで発売中。近日(4/25)には5巻が刊行されるそうですが、ひとまず1~4巻の感想を。

火曜ドラマ『あなたのことはそれほど』の公式サイトです。2017年4月18日よる10時放送!

4/18からはTBSで波瑠さん主演でドラマ化もされる、話題沸騰中の漫画です。

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あらすじ

「二番目に好きな人」と結婚し、それなりに満足のいく生活を送っている渡辺美都(みつ・旧姓・三好)。小中とあこがれだった同級生・有島光軌に偶然再会。成り行きで関係を持つが、実は有島も既婚者だった。

美都の夫・涼太は至って普通の会社員だが、一途に美都を愛し続ける。しかし彼女がふともらした言葉から、妻の不貞を疑いはじめる。涼太は妻の気持ちが自身から離れることが怖くて仕方がない。

一方、有島の妻・麗華(旧姓:戸川)は出産間近。容貌・境遇とも決して恵まれたとは言えない彼女は、高校の同級生である有島と結婚。充実を噛みしめる生活だが、夫の行動に違和感を感じ、持ち前の聡明さから有島の動きを牽制する―。

「あなたのことはそれほど」感想

ちょっと変わったタイトルからしてインパクトのある「あなたのことはそれほど」。

W不倫で壊れていく二組の夫婦がドロドロと描かれる漫画です。

美都:
「1番好きだった人」との再会にハマってしまう。先行きは考えていない。

涼太:
マジメで奥手。美都を愛するが故に少し歪んだ行動も。

光軌:
育ちのいいイケメン。家庭が一番だが息抜きもするタイプ。

麗華:
聡明だが家庭・容姿にコンプレックスあり。「幸せ」への願望が強い。

人物関係を簡単に書くとこんな感じ。

1巻で4人それぞれの成り立ちが描かれ、以降、美都と涼太の関係がそれぞれの家庭にバレて、抜き差しならない状況に陥っていく…という流れ。

美都と光軌の二人の行動は、まあ不倫カップルってこんな感じなんだろうね、という印象。ただ個人的には二人の行動原理がよく理解できない。美都のゴールってどこなんだろう?別に光軌と過程を築きたい、という風ではないし。

むしろそれぞれの配偶者である涼太と麗華がおもしろい。

涼太は美都の浮気を疑いつつも、彼女を許容します。その愛の重たさゆえか、ネットのレビューを見ると彼の行動に対して「怖い」「キモい」といった意見もチラホラ。

でも涼太にとって美都は大事な人なんですよね。彼の行動を全肯定はしないけど、モテない人間としてはちょっと理解もできたり(笑)。

うまく行ってる時は気にならないけど、すこし歯車が狂うとその愛が狂気に変わる。いろいろな意味でかわいそうな人ではあります。

そしてもう一人の注目人物・麗華。この人は本当におもしろい。子どもも生まれて順調に幸せを育んでいる自分の家庭。そこに流れる不穏な空気に対する反応がハンパない。察知・分析・対応ととてもそつがなく、すごいカッコいいw。

特に気に入っているのは1巻の「Section3. 戸川麗華」で描かれる高校時代のエピソード。コンプレックスゆえか、周囲から一歩引いた立場を作り上げている麗華が、光軌とのふれあいから取った突飛過ぎる行動。人間味があって、私は麗華というキャラクターが一気に好きになりました。

この麗華も「怖い」という意見を見ますが、メインキャラクター4人の中では唯一、理にかなった行動を取る人間。彼女目線の話、その人間性を掘り下げた話をもっと読んでみたい。

まとめ

とりとめもなく感想を書きましたが、ドラマ原作でもある漫画「あなたのことはそれほど」。ちょっとずつズレて、きしんでいく人間関係の描写に引き込まれます。おもしろい。

3巻ぐらいまではまったり進行なのですが、4巻で加速気味に。今読んでいる限りでは円満解決は望めないというか、あまり楽しいゴールは待っていないんじゃないか、という感じですが、どのような結末になるんでしょうか。今後の展開が楽しみな漫画です。

漫画データ
タイトル:あなたのことはそれほど(1) (FEEL COMICS)著者:いくえみ綾出版社:祥伝社発行日:2012-11-08