対人コミュニケーションはからっきしだけど、料理への情熱は誰にも負けない!
そんなメガネの女子大生が主人公のグルメ&コメディ漫画、「あたりのキッチン!」を読みました。
お玉をもって振り向く女性が主人公・辺清美(あたり・きよみ)。
漫画「あたりのキッチン!」は講談社「アフタヌーン」で絶賛連載中です。
あらすじ
「あたりのキッチン!」がどんな漫画かというのは、作者の白乃雪(しらの・ゆき)さんご本人が紹介漫画をTwitterで描かれていますので、まずはこちらを。
【お知らせ】
アフタヌーンで連載中の『あたりのキッチン!』1巻が4月21日に発売されますので、紹介マンガを描きました!ご予約・お取り寄せの際、店員さんに「この本が欲しい」と見せて伝えやすいよう、注文用画像も作ってみました(3枚目)。よければご利用下さい。よろしくお願いします! pic.twitter.com/SwluI5iUNA
— 白乃雪@あたりのキッチン③発売中 (@ShironoYuki_jp) April 17, 2017
コミュ症(コミュ障)だけど食べ物大好きな女子大生・辺清美が。
彼女が近所の定食屋「阿吽(あうん)」でアルバイトをしながら、徐々にその世界を広げていく、というお話。
なんかこう書くとさわやか系のいい話っぽいですが、笑いが満載の楽しい漫画です。
「あたりのキッチン!」1巻感想
魅力的なキャラクター
これはおもしろい!漫画でした。
おもしろいと感じたポイントがいくつかあるのですが、まずキャラクターがいい!
人への接し方が不器用で、触れ合う前にあーでもないこーでもない、と悩んでしまって結局踏み出せない彼女。

[白乃雪 著 講談社「あたりのキッチン!」1巻より引用]
私もコミュニケーション苦手な方なので、清美の気持ちが実にわかる…。
しかし一口料理を食べれば「酒・しょうゆ 大さじ1、はちみつ・ケチャップ 小さじ1…」と、作り方をビタッと当てる料理力の高さ。
そのギャップがいい味だしてます。
エピソードも秀逸
そしてグルメ漫画で大事、「人」+「食べ物」のエピソード。
ゲストキャラクターのちょっとした悩みを、温かみのあるご飯で優しく包み込む感じが素敵。
料理マニアとも言える清美と、これまた食に妥協を許さない「阿吽」店主・善次郎のコンビが料理を作るさま。
そしてそこから笑顔が生まれていく流れに、ついつい引き込まれます。
何よりご飯がおいしそう!
さらにこれ重要。出て来る料理がみんなうまそう!
街の定食屋さんが舞台ということもあって、メンチカツ・サバの味噌煮・カレーのような庶民的な料理が中心なのですが、おいしくするための「うんちく」が自然に織り込まれている。
子どもでも食べれるようなカレーの辛味の付け方とか、メンチカツの付け合せであるキャベツへの一工夫とか、すぐにでも家庭で実践できそう。

[白乃雪 著 講談社「あたりのキッチン!」1巻より引用]
もちろん食べ物漫画のお約束、レシピも付いているから安心!
「あ、これちょっとマネしてみたい…」と思う内容です。
料理が人を結ぶ
読後に振り返るとこの漫画、料理が人と人とを結びつける「コミュニケーションツール」として描かれているんですね。
4話で清美が善次郎と息子・清正とまかないを囲むシーンがあります。
体調の悪い善次郎のために、気づかいを料理に込めるまかない担当の清美。
そしてそれを理解し、受けとめる善次郎。

[白乃雪 著 講談社「あたりのキッチン!」1巻より引用]
清美はその善次郎の様子に「すごい。ちゃんと言葉が通じた」と感銘を受けるのですが、まさに料理を通した心のキャッチボール。
コミュニケーションが苦手な清美の世界が広がった瞬間、読み手にも静かにグッと迫るものがあります。
料理をおいしく食べて、笑ってこその人間、ですよね。
まとめ
と、そんなキャラクター・ストーリー・料理と三拍子そろった漫画「あたりのキッチン!」。
読んで満足、自然とお腹がすいてくるおいしい作品でした。次巻も楽しみです。
ちなみに作者の白乃雪さんは、現在ドイツに居住されているそう。
地球の反対側で、日本の定食屋さんが舞台の漫画を書かれている。
なんか不思議ですね。
遠く離れた人同士を結びつけることができるのも、食べ物と漫画のいいところ、です。
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