コミュニケーションに自信はないが、料理に関しては超人的な能力を発揮する!
主人公は、定食屋でアルバイトをしながらコミュニケーションの向上を目指す、メガネの女子大生・辺清美(あたり・きよみ)。
そんな彼女が成長する様をユーモラスに描く、漫画「あたりのキッチン!」第2巻を読みました。
作者の白乃雪さんはドイツ在住の漫画家さん。
「あたりのキッチン!」の舞台は街の定食屋さんなのですが、ドイツで描かれた漫画に登場するごはんに食い入るように見入ってしまう。何だか不思議な感じです。
本ブログでは1巻のレビューもしておりますのでこちらもぜひご覧ください。
「あたりのキッチン!」2巻レビュー
広がる清美の世界
「あたりのキッチン!」第2巻は6話から11話までを収録。
第1巻から引き続き定食屋「阿吽(あうん)」を舞台に、清美・店主の善次郎・息子の清正を中心に温かいご飯エピソードが描かれます。
登場人物にも変化が加わります。
料亭の息子で清美が好きな小学生・樹(いつき)、清美の数少ない友人・鈴代さんといった準レギュラーに加え、魚屋の娘で清正に片思いの幼馴染み・陽芽(ひめ)が新登場。物語がよりにぎやかに。
しかし清美のコミュ症は相変わらずw。これこれ、これが「あたりのキッチン!」らしさですね(そうなのか?)。
調理過程の魅力
清美の醸し出すおもしろさに加え、本作の魅力は何といっても作中に登場するご飯。
と言っても、単においしそうなご飯を作ってはふはふ食べるわけではない。むしろはふはふ食べてない。
「あたりのキッチン!」がスゴイのは調理過程にあり。
例えば8話で登場する思い出のナポリタン。
ケチャップ投入時に具を端に寄せ、ケチャップ自体を3~4分しっかり焼くことで余分な水分と酸味を飛ばしたり。
スパゲッティを投入した後にさらにケチャップを加えることで程よい酸味を演出したり。
また年配の人に食べやすいように、仕上げのバターを牛乳に変えてまろやかさを演出したり、といったすぐに使えそうなテクニックが満載。
食べてるシーンも良いのですが、作っている過程からすでに料理にがっつりと引き込まれます。
心遣いが気持ちをつなぐ
そもそも登場する調理のテクニックは、全て食べてもらう人のことを考えてのこと。
「あたりのキッチン!」では、コミュ症の清美が料理で人とコミュニケーションを図る、といったテーマがあり、食事のシーンはまさに料理を通した感情のキャッチボール。
ご飯を通して描かれる人と人とのつながり、そして清美が少しずつ成長してく行く様子に、心もお腹もほっこりします。
いや、お腹はほっこりしてないだろ!読んでてお腹が鳴る一方だ!という方もご安心。
本作で登場する料理のほとんどは、家庭でも作りやすい料理ばかり。各話の最後には読みやすいレシピがあり、すぐにでも作れます。
レシピの一部分を普段の料理に取り入れるだけでも、きっとワンランク上のご飯になるはずですよ。
まとめ
というわけで漫画「あたりのキッチン!」第2巻。明るい笑いに包まれたご飯模様を楽しんだあと、ご飯を作ってみたくなる楽しい漫画です。
阿吽や町の人達に囲まれて少しずつ成長していく清美の姿にも注目。さて、今度の日曜はナポリタンでも作ってみようか!
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