「僕はまだ野球を知らない」1巻―野球+統計学は勝利の方程式?

野球に関する数字を統計学的に分析した「セイバーメトリクス」。

そんなセイバーメトリクスは、弱小高校野球チームを救うことができるか?

講談社月刊モーニング・ツー連載、西餅さんの漫画「僕はまだ野球を知らない」を読みました。

作者の西餅(にしもち)さんは電子工作漫画「ハルロック」(全4巻)の作者さん。

今作では一風変わったスポーツ漫画を描いてくれます。

僕はまだ野球を知らない / 西餅
今までにない野球マンガの登場です。 野球の統計学(セイバーメトリクス)を持ち込んで高校野球に革命を起こす男は、なんとド素人! 弱小高校を舞台にした、無謀な挑戦がここに開幕する!

「僕は野球を知らない」第一話はモーニング・ツー公式で試し読みができます。

スポンサーリンク

あらすじ

浅草橋工業高校の野球部長を務める物理教師・宇佐智己(うさ・ともき)。

野球経験は無いが統計的分析を野球に活かすために、土日にライバル校の監督をストーキングするほどの(?)情熱を傾ける。

前監督の体調不良により監督に就任した宇佐は、野球部員を前に「セイバーメトリクス」をチーム作りに導入することを語る。

今ひとつ彼の言葉が飲み込めない野球部員たちだったが、宇佐がグラウンドに仕込んだ「ある仕掛け」を体感、徐々に雰囲気が変わる。

「今すぐ『勝てる野球』はじめませんか?」

変わり者監督のもと、浅草橋工業高校野球部の挑戦がスタートする―!

[PR]

漫画のまとめ買いならeBookJapan
公式:マンガ全巻まとめ買い!

「僕はまだ野球を知らない」1巻レビュー

野球の統計学「セイバーメトリクス」

「ハルロック」で電子工作の楽しさ、そして少し風変わりな主人公たちの意外な成長を見せてくれた西餅さん。

新作「僕はまだ野球を知らない」では野球+統計学をコミカルに描きます。

「ハルロック」を読まれた人ならばピンとくると思いますが、「浅草橋工業高校」はハルロックの登場人物と縁のある学校。そこに勤務する「あの先生」も意外な形で再登場。

セイバーメトリクスとは?

さて本作の肝となるのは「セイバーメトリクス」。

セイバーメトリクスとは、アメリカ人スポーツライターであるビル・ジェームズによって提唱された、野球についての統計学的な分析方法のこと。

セイバーメトリクスを「統計学を使って勝率を高める非常に有用な理論」と語る宇佐。

ストーキングによる情報収集(笑)を皮切りに、グラウンドに埋め込んだ金属探知機による選手データの収集、3Dのモデルフォームと選手のスイングフォーム比較、などの改革を次々と導入。

選手たちのやる気と実力を引き出していきます。

「ハルロック」に通ずる知恵と工夫

「そんなん、お金と労力がかかって大変じゃないの?」と普通は思いますよね。

しかしそこの描き方が西餅さんのうまいところ。

工業高校ならではの特性を利用したり、スイングフォーム収集にゲーム機(Xboxのキネクト)を使ったり。

「あ、これならできるかも」といった説得力を物語に与えています。

ハルロックもそうなんですが、西餅さんの漫画は「知恵と工夫で新しい道を切り開く」感があっておもしろい。

読んでいてハッとさせられる描写も多く、「自分も目線を変えてみると物事がうまくいくんじゃないかな」という気にさせてくれるんですよね。

監督・宇佐のキャラクター

監督・宇佐のキャラクターも魅力的。

端正な顔立ちと鍛えられた肉体、そして野球に対する密かな情熱。

その行動が理論的かつ突飛すぎて笑いを誘います。

西餅さんらしい「天才と変態は紙一重」なキャラクターが実にユニーク。

宇佐はとある事情で、野球をすることなく今に至るのですが、そんな彼を野球とつないでくれたセイバーメトリクス。

その力を信じる宇佐は、果たして浅草橋工業高校野球部を勝利へと導くことができるのか?

西餅さんがどのようなスポーツ漫画を描いてくれるのか、これからも注目です。

漫画データ
タイトル:僕はまだ野球を知らない(1) (モーニングコミックス)著者:西餅出版社:講談社発行日:2017-08-23