「みかづきマーチ」―マーチングで輝きはじめる女子高生描く青春ストーリー

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東京の進学校でつまずいた女子高生が出会ったのは、秋田のマーチング・バンド

その熱気に魅せられた彼女は、海辺の街で新たな一歩を踏み出す―。

山田はまちさんの「みかづきマーチ」。田舎の高校を舞台にマーチング・バンドの日々を描く、正統派青春ストーリーです。

2020年7月に双葉社アクションコミックスより1巻が刊行。以下続刊です。

「みかづきマーチ」感想

あらすじ

厳しい母のもとで育ち、その影響で進学校に進むも、馴染めず苦しい思いを抱いていた高校生・美月

秋田に住む叔母・ユキの家に、春休みを利用して2週間の「家出」をする。

その美月がユキの営む喫茶店で出会ったのは、ぶっきらぼうな男子高校生・アキラ。勉強以外に何をしていいかわからない自分と違い、目標をしっかり持つ彼に圧倒される。

そしてたまたま訪れた地元高校の体育館で、アキラの所属するマーチング部の演奏に触れた美月。

その熱気と躍動感にあてられ、胸の中に今まで存在しなかった不思議な衝動が沸き起こる―。

みかづきマーチ : 1 (アクションコミックス)山田はまち:双葉社

2年生の新人部員

春休みにプチ家出をした美月。秋田の地に、マーチングに、そこで輝く高校生たちに「ドキドキ」を感じ、東京から秋田への転校を決意。叔母の家に住みながら、千秋高校に通うことに。

そして部活動はもちろんマーチング部、…なのですが、彼女はすでに2年生で、しかも楽器未経験者。ちょっと引っ込み思案な性格もあり、いろいろな壁にぶち当たることに。

それを少しずつ乗り越えていく美月の様子が、「みかづきマーチ」では描かれていきます。

マーチングに懸ける青春

ここで「マーチング」について少し。

マーチングとは作中の言葉によると、「音楽と動く隊列で作られる8分間の総合芸術」

木管楽器・打楽器・金管楽器を動きながら演奏し、また楽器以外のパート、ダンスや旗振り役もいて、それらが総合的にパフォーマンスを作り上げる、というのが特徴です。

なので楽器が演奏できれば良いというわけではなく、自分や全体の動線も頭に叩き込む必要があります。

特に何もかもが初心者の美月には大変!実際にたくさんの失敗をします。

しかし東京ではうつむき加減だった彼女が、不安を乗り越え、一歩ずつ進んでいく姿が堅実に描かれていき、それが読み手にも伝播。彼女のドキドキとキラキラが胸に伝わってきます。

5mのポイント間を、楽器を演奏しながら足元を見ずに、正確に8歩で歩く練習。何度やってもピッタリ歩けない美月たち新入部員6人。

しかし美月は「とりあえず一歩だけ(ピッタリ)合わせよう」と提案。心を揃えて踏み出した一歩がピタリと合った時の、喜びと感動の笑顔。何とも言えずステキで、読み手もちょっと感動。

地味なんだけど、その中にいっぱいのキラキラを詰め込まれ、なんだか眩しい…!

ド直球な王道青春展開

そんな感じの「みかづきマーチ」。1巻を通して読むと、家族や同級生との関係に傷ついた主人公が、未経験の部活で新しい壁にぶち当たりながらも、自らの意思でそれを乗り越えていくという、「王道すぎる青春部活マンガ」という印象

これは皮肉ではなく、部活にかける青春をド直球に描くその作風が、実に新鮮。

そのあまりにも真っ直ぐな内容が大人の邪念を吹き飛ばし、そして美月の成長を素直に応援したくなってくる。そんな輝きを持つ漫画です。

掲載誌である漫画アクションは青年誌ですが、時折こういう青春ものをてらいもなくブチこんでくるので、侮れないですね(笑)。

まとめ

以上、山田はまちさんの漫画「みかづきマーチ」の感想でした。

ぶっちゃけ少年誌連載でもおかしくないぐらいの真っ直ぐさと輝きを持つ作品。マーチングという題材も新鮮です。終盤では美月に新たな試練が起こるのですが、さて彼女はそれをどう乗り越えるのか…?が気になるところ。

ところで某尼のレビューを読むと、ちょっと展開早すぎ?な意見も。

その感覚もわかるのですが、今日び、じっくり描きすぎるとあっという間に連載終了になったりするので、それを考えると1巻でこの展開まで持ってきたのは、なかなかバランスが良いのでは。

まだまだ始まったばかりの美月の青春。今後の「みかづきマーチ」で描かれるであろう、彼女の涙と笑顔が楽しみです。

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