「クラッシャージョウ REBIRTH」―宇宙を熱くするヤツらが帰ってきた!

「宇宙が熱い」とは、劇場公開当時のキャッチコピー。そんな宇宙を熱くさせるヤツらが、平成も終わりとなるこの時期にまさかのコミックで復活。

原作・高千穂遙さん、キャラクター原案+イラスト・安彦良和さんの小説をコミカライズした、「クラッシャージョウ REBIRTH」。漫画担当は針井佑さんです。

朝日ソノラマ文庫で大ヒットした小説はシリーズ化。のちに映画(1983年)・OVA(1989年)とアニメ化もされました。小説も2016年に新刊「ガブリエルの猟犬」が刊行されるなど、息の長い人気作品です。

スポンサーリンク

クラッシャーとは

レビューの前に、「クラッシャー」について簡単に。

ワープ機関による恒星間飛行を可能とし、太陽系外に進出した人類が、数多くの惑星を開発・植民するようになった時代。そこで活躍したのが「壊し屋」であるクラッシャー達。惑星開発に大きな力を発揮します。

しかし、ならず者としても恐れられたクラッシャー。それをまとめたのが、ジョウの父・ダン。惑星改造以外にも宇宙船の護衛や危険物の輸送など、非合法なこと以外ならありとあらゆる仕事を行う、「宇宙のスペシャリスト」としてクラッシャーを統括。

独自に定めたルールのもと、クラッシュジャケットと呼ばれる共通の宇宙服に身を包み、宇宙を駆け巡る、というのが「クラッシャー」です。

クラッシャージョウ REBIRTH(1) (イブニングコミックス)高千穂遥:講談社
電子書籍ストアBookLive!公式:配信中の無料マンガ一覧

クラッシャージョウのチーム

主人公であるジョウは、そんなクラッシャーの一員。彼をリーダーとするクラッシャージョウ・チームは、以下のメンバーで構成されます。

  • ジョウ…
    クラッシャー・ダンの息子で血気盛んなチームリーダー。
  • アルフィン…
    連帯惑星ピザンの元王女。小説版1巻においてジョウの仲間となる。
  • タロス…
    全身の8割以上をサイボーグ化した大男。ダンとチームを組んでいた、頼れるベテランクラッシャー。
  • リッキー…
    孤児出身の少年クラッシャー。チームでは機関士を担当。タロスの喧嘩友達でもある。

以上の4人に、サポートロボットであるドンゴを加えたチーム。

針井佑「クラッシャージョウ REBIRTH」
[針井佑 著 講談社「クラッシャージョウ REBIRTH」1巻より引用]

宇宙船ミネルバ、戦闘機ファイター1・2、装甲戦闘車ガレオンを駆使し、クラッシャー業務に臨みます。

「撃滅!宇宙海賊の罠」をコミカライズ

ようやく本題。「クラッシャージョウ REBIRTH」1巻のレビュー。

本作は、小説クラッシャージョウ・シリーズの2作目にあたる、「撃滅!宇宙海賊の罠」をコミカライズしたもの。

撃滅!宇宙海賊の罠 クラッシャージョウ・シリーズ高千穂 遙:早川書房

希少動物「ベラサンテラ獣」を惑星から惑星へ運ぶ、という依頼を受けたジョウたち。

デリケートな性質ゆえ、ワープ回数が限られるベラサンテラ獣の輸送。そして道中には宇宙海賊による襲撃の恐れが。さらに特殊な条件の裏には、ある策謀が…という話。

安彦良和テイストの作画

「クラッシャージョウ REBIRTH」、ページをめくりはじめるとニヤリ。針井佑さんの作画、安彦良和さんのオリジナルイラストにとても寄せていて、期待以上に「クラッシャージョウ」している、という印象。

ジョウも、アルフィンも、タロスも、リッキーも、アニメ版を知っている人間からすると、そのセリフが声優さんの声で再現されるぐらいのクオリティ。もちろんコルドバの艦長・コワルスキーは、納谷悟朗さんの声で(※旧ルパンの銭形警部役、といえばわかりやすいかも)。

針井佑「クラッシャージョウ REBIRTH」
[針井佑 著 講談社「クラッシャージョウ REBIRTH」1巻より引用]

特にアルフィンはいい!ですね。作中でほぼ唯一の女性キャラ。その美しさ・存在感が際立っています。

懐かしのメカの躍動

クラッシャージョウの魅力の一つは、多彩なメカ群。その活躍も「クラッシャージョウ REBIRTH」ではあますところなく描かれています。

ジョウたちの母艦である宇宙船ミネルバ、戦闘機ファイターはもちろん、コワルスキーの乗艦・宇宙巡洋艦コルドバなど、迫力あるメカが躍動する宇宙空間の戦闘。

針井佑「クラッシャージョウ REBIRTH」
[針井佑 著 講談社「クラッシャージョウ REBIRTH」1巻より引用]

小説では脳内で描いていた戦闘シーンを、実際に漫画として楽しめる。ファンとしてはこれ以上ない嬉しさがあります。人気メカの一つ、装甲戦闘車ガレオンの活躍も見逃せないところ。

唐突なストーリー展開

そんな「クラッシャージョウ REBIRTH」、読み進めると、気になる点もちらほら。

一つは、ストーリー展開がやや唐突すぎるところ。ジョウたちがミネルバを奪われる過程や、宇宙海賊とのやり取りなどがあっさりで、もう少し丁寧さが欲しい。

これは「原作どおり」と言ってしまえばそれまで。クラッシャージョウの世界観に慣れ親しんている読者ならば、なんとなく脳内補完できます。が、新規の読者にとっては、ちょっとわかりにくい、乗り切れない部分ではないかと。

描き込みが淡白

もう一つ気になったのは、描き込み、特に背景が淡白なこと。ジョウたちキャラクターの描写はとても満足感が高いのですが、それに比して背景の描き込みが薄いのが、物足りない。

同じような安彦良和テイストの作家さんに、ガンダム漫画を描くおおのじゅんじさんがいます。

機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク(1) (角川コミックス・エース)おおの じゅんじ:KADOKAWA / 角川書店
おおのじゅんじ「機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク」
[おおのじゅんじ 著 KADOKAWA/角川書店「機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク」1巻より引用]

こちらも安彦タッチを再現しているのですが、漫画として、SF作品として納得のクオリティ。

「クラッシャージョウ REBIRTH」もSF漫画の一つであり、近年の作画レベルが高い漫画の中で生き残っていくことを考えると、よりSFらしいテイストの追求が求められます。

まとめ

以上、「クラッシャージョウ REBIRTH」のレビューでした。

往年のファンとしては楽しめるけれども、新規ファンを獲得するにはやや物足りないのでは?という印象。

おそらく2巻では「撃滅!宇宙海賊の罠」の続きが描かれると思われますが、タイトルに「REBIRTH」を冠している本作。もっともっと思い切って、新生クラッシャージョウを生み出して欲しいところです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました