電子書籍の購入が漫画家さんの応援にならない、という現実【追記あり】

小学館より発行されている「水族カンパニー!」という漫画があります。こちらは第1巻が紙書籍で2017年6月12日に発売済み、電子版は6月30日配信予定です。気になっている漫画の一つですが、私はまだ未読。

しかしこちらの漫画、「1巻」とナンバリングがされていますが、掲載誌(月刊スピリッツ)では現在連載が停止中。再開のためには「1巻が売れること」が条件であることをフォローしている出版社のTwitterアカウントから知りました。

「売れたら連載再開」の是非はひとまず置いといて、経緯を追って気になったことが一つあります。それは「電子書籍の売り上げは販売実績に含まれない可能性がある」ということ。本当でしょうか?

なお本記事にて作者様・支援者様等を批難する意図が無いことをあらかじめ表明しておきます。

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関連Twitterより確認

「水族カンパニー!」の作者はイシイ渡(わたる)さん。作者様および関連するツイートで連載終了および再開に関する経緯を確認してみます。

なお、確認内容はあくまでも「電子書籍は書籍の販売実績に影響しないのか」ということです。念のため。

まずは4月26日のツイート。単行本発売前に連載は一旦終了。1巻が売れれば連載が再開される、ということを作者様も了承されているよう。

そしてこちらが単行本(紙書籍)発売約2週間後のツイート。連載再開には現状売上が厳しい旨を伝えられています。

また連載再開の条件?は発売1ヶ月以内の重版であるとも。

こちらは「水族カンパニー!再開応援アカウント」さんのツイート。こちらによると電子書籍での購入は売上カウントに反映されないとのこと。

ただしこちらのアカウントは運営者が不明。なのでこの情報の真偽については担保がありませんが、作者様もいいね・リツイートをされているのでそれが判断材料でしょうか。

書店の発注につながらないから電書は売上に含まれない、という情報もあります。

以上から紙書籍で一定の売上があることが連載再開の条件である、ということが確認できました。

電子書籍購入のジレンマ

そんな「水族館カンパニー!」1巻、Twitterを追っていると評判もいいようで読んでみたいのですが、私は基本的に電子書籍派。紙書籍でしか手に入らない、という場合を除いて漫画は大部分が電子書籍での購入です。

理由はいろいろあるのですが、やはり一番は収納スペース、次に価格、でしょうか。なのでできれば電子書籍で購入したい。

しかし「水族館カンパニー!」の購入については

「電子書籍で第1巻を購入すると第2巻の発売が遠のく」

というジレンマが。

また「(現状では)2巻が発売されない本の第1巻を購入する」ということにも若干の精神的な抵抗があります。それは紙か電子か、は関係ないかもしれませんが、紙書籍で本棚に置くなら少し気にもなります。

電子書籍の売上にも一定の評価を

だらだら書いてきましたが、とどのつまり言いたいことは「出版社は(ケースによっては)電子書籍での売上も評価の対象にしてはいかがか」ということ。

今回のケースで考えると発行前に連載が終了している作品なので、失礼ながらそもそもの発行部数が少ないと思われます(なぜナンバリングした)。

なので「地方」「小型書店」でしか書籍を買えない人たちにとっては単行本を手に入れるハードルが高いと考えられます。

そこでネットさえあれば全国どこでも一瞬で買える電子書籍を利用しない手はないのですが、それは売上にカウントされない(可能性がある)。

漫画の続きが読みたければ単行本買ってね、できれば大型書店で、でも電子書籍はダメよ…というのは漫画ファンに取ってはちょっとモヤモヤする話。

また事情を知らずに電子書籍を買ったファンが、実は紙書籍を買わなかったことが作品の継続に繋がらなかったと知れば、これは実にさびしい話です。

電子書籍の売上は、特に漫画においては無視できないものになっているでしょう。書店さんとの絡みなどいろいろ事情があるとは思うのですが、できれば各方面が漫画でハッピーになるような体制を作り上げてほしいな、と、いち漫画ファンとして望むところです。

最後に重ねてになりますが、上記の内容に関して作者様・支援者様等を批難する意図が無いことをあらためて記載しておきます。むしろ辛い日々を送られているのではないかと心中お察しいたします。頑張ってください!

※最寄りのコミックの品揃えがまあまあある書店で「水族カンパニー!」を探してみましたがありませんでした…。他に入荷している漫画のラインナップから見るに、多分売り切れになったのだと思われます。Amazonも既に在庫が無いようですね。地道な応援が身を結んでいるようです。

参考資料

以下は余力のある方のみご覧ください。「電子書籍が作家の応援になるや否や」の参考資料です。

年頭、漫画『トリマニア』の作者、久世岳さんのあるツイートが話題になりました。「【拡散希望】探している漫画が書店で見つからない。でも重版はかからない。何故?というお話。」というコメントと、それを解説する漫画を投稿。7万RTという驚異的な広がりを見せまし...

こちらはKAI-YOU様の2017年1月31日の記事。当時たいへん話題になりました。なぜ電子書籍の購入が作家さんの応援にならないのか?という仕組みが良くわかります。

KAI-YOU.net で1月31日に公開された記事“「電子書籍の購入は作家の応援にならない」は本当? 現役編集者に聞いた”(以下「元記事」)は、大きな反響を呼びました。「電子書籍の購入は作家の応援にならない」は本当? 現役編集者に聞いた年頭、漫画『トリマニア』の作者...

同じくKAI-YOUさんの、上記元記事を受けての記事。紙書籍に対する電子書籍の売上割合が1/8であるという元記事に対し、漫画に限れば4割以上になる、という興味深いデータが提示されています。

こちらは竹書房の営業担当様によるツイート。作家さんの販売実績になるかどうかは定かではありませんが、電子化ほぼ100%、売上も紙・電子問わずウェルカムということで電子書籍に対する評価が窺えます。

【追記】

「水族カンパニー!」、めでたく連載再開が決定されたそうです!おめでとうございます。

すごいなぁ…。作者様の頑張り、読者の応援が一体となった結果ですね。

そして気になるのはこちらのツイート。なんと電子書籍も評価の対象になったようで。あくまでも「含む」ですし、やはり紙書籍の重版が大事なのは変わらないようですが、それでも電子書籍の売上も無視できない、ということでしょうか。今後は電子書籍の売上も大事!という流れになれば、より読者の選択肢が広がって良いかと思います。

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