スポーツ・ビジネス漫画「となりの代理人-フットボール・エージェント-」感想

華々しいプロの世界で輝くサッカー選手たち。しかしその活躍も、代理人の苦労なくしては始まらない?

能田達規さんの「となりの代理人-フットボール・エージェント-」。プロフットボール業界を陰日向に支える代理人視点で描く、異色のスポーツ・ビジネス漫画です。

連載はヒーローズ運営のWEBメディア「コミプレ」。単行本は2021年10月現在、2巻まで刊行されています。

「となりの代理人-フットボール・エージェント-」感想

概要

近年、スポーツの世界でもその名を耳にすることが多くなった「代理人」。選手が競技に専念できるよう、契約や移籍に関連する業務をサポートするのがその主な役割。野球やサッカーなど、日本のプロスポーツ業界においても重要な存在となっています。

漫画「となりの代理人-フットボール・エージェント-」は、そんな「スポーツ代理人(スポーツエージェント)」が主役。とある代理人事務所を舞台に、新人スポーツ代理人・安田透と先輩・立石が、サッカー・ビジネスとそこで起こるドラマに関わっていく様が明るいタッチで描かれます。

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代理人の本質と矜持

「代理人の仕事」とは「サッカー選手の社会的地位を上げること」。そのための分かりやすい目安として、代理人は「選手のためのお金」にこだわります(※「CASE:1 エージェントの才能」より)。

では、選手の契約金をひたすらアップするだけが業務なのか?もちろんそれも重要ですが、広い視野で選手のメリットを模索するのもまた、代理人の役割。

  • 海外移籍を望む選手。しかし婚約者の両親が娘の海外移住に反対。どうやって説得する?
  • プロ契約を目指す社会人選手は、会社を辞めて二部リーグ・三部リーグと契約すべきか?
  • クラブを構想外になったベテラン選手が取る道は、下部リーグへの転身か、引退か…

…など、様々なシチュエーションにある選手たち。そのサッカー人生のより良い方向を目指し、代理人は奔走します。その過程で「代理人の本質と矜持」が作り上げるドラマが、漫画「となりの代理人-フットボール・エージェント-」の大きな面白みとなっています。

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最大限の幸福を!

また代理人たちがエージェント契約をするのは、選手だけにあらず。監督もまた、マネジメントの対象。その中でも興味深いエピソードが、「CASE:4 監督代理人」(1巻収録)。

一部降格圏に入ったとあるクラブが、監督の交代を検討。そこにエージェント契約をしている監督を売り込むチャンス!主人公・安田がリストアップした監督は意外な人物で…?というストーリー。チーム事情を勘案し最適な人物を売り込む、代理人ビジネスの醍醐味が味わえます。

さらにこのエピソードには、「CASE:6 置き土産」「CASE:7 思い出アルバム」(2巻収録)という続きが。監督を売り込んだクラブは結局、二部に降格。社長は監督の続投を希望するが、二部に落ちたクラブは再編が必須。そこで現日本代表の中心選手の処遇をどうするか?が課題に。

クラブの思惑、選手本人の希望、サポーターの願い…。残留か、それとも放出か。関係者の「最大限の幸福」を求めて動く、代理人の行動が面白い!降格したクラブで選手が出入りするのは良くある話ですが、その裏側が描かれる興味深いストーリー

ほかにもサッカーファンが気になるエピソードが目白押しな「となりの代理人-フットボール・エージェント-」。読むと実際のゲームを見ているだけではわからない、「サッカー界全体の大きな動き」への理解が進む物語です。

まとめ

以上、能田達規さんの漫画「となりの代理人-フットボール・エージェント-」感想でした。

スポーツ・ビジネスを代理人視点で描く物語。本作を読むと、何気に流れてくるスポーツ・ニュースの裏側がわかってしまう!かも(笑)。読むものに新鮮な視点を与えてくれる、異色のスポーツ漫画です。

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