「ザビ家の復習装置」を積んだ青いザンジバル「サングレ・アスル」をめぐる、三つ巴の戦い。14巻で突入した戦闘も、ようやく終結へ。
Ark Performanceさんの「機動戦士ガンダムMSV‐Rジョニー・ライデンの帰還」17巻です。
カバーは久々のジョニー…じゃなくって、レッド。そして意外にもカバー初登場の、真紅のゲルググです。これカッコいいなぁ。
サングレ・アスル争奪戦が決着
ザビ家の財宝とリミアを乗せた、ザンジバル級サングレ・アスルを巡る戦い。FSS+キマイラ陣営 VS ヴァースキ+イングリッド0の連邦ゴップ陣営、という図式で開戦。
そこにシャア・アズナブル率いるネオ・ジオンが参戦。三つ巴の戦いとなりましたが、17巻前半で決着が。
さて、どこがサングレ・アスルを手にしたのか?というのはネタバレになるので、本編でお楽しみを。
レッド VS シャア・アズナブル
その過程で描かれるのは、赤いディジェに乗ったシャアと、真紅のゲルググを駆るレッドの戦い。
赤い彗星のシャアと、真紅の稲妻ジョニー・ライデン。二人が戦ったらどちらが強いの?何ていう疑問は、オールドファンなら誰もが一度は考えたことだと思いますが、その答えがついに…?
そして戦いの最中、接近するシャアとレッド。レッドのことを「中佐」と呼びかけるシャア。どうやらシャアは、ジョニー・ライデンの存在を、かねてより認識しているよう。
振り返ると、ジョニー・ライデンの所属していたキマイラは、シャアらニュータイプに対抗するためのカウンター部隊。その二人が刃を交える…。これは盛り上がらずにはいられない!
レッドと一時的に手を組んだヴァースキ=ヤザン先生も、いい味を出してます。
周辺の動きにも注目
またシャア+レッド以外の、周辺の動きも見逃せないところ。
ムサカをゲルググで狙撃するジャコビアス。それを察知したアルレットが、ニュータイプ的な「キラリ!」を見せたり。
ヴァースキとフィーリウス(Ark Performance氏の「機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画」より登場)が、意味深な会話を交わしたり。
そしてMSVらしさが一番出ていたのが、MS-X出自の砲台・スキウレ。数巻前にチラッと出ていましたが、17巻で本格稼働。
キマイラの現リーダーであるジーメンス・ウィルヘッドのゲルググと共に、連邦艦隊の牽制に活躍します。
またジーメンスがスキウレのスペックを確認する相手が、ZZ登場のミリィ・チルダ―というのも、ガンダムファンの心をくすぐります。
逆シャアへの繋がり
そして戦いの後は、次なる展開へ向けて動く各方面。ガンダム・ファンとしてとりわけ気になったのは、シャアの動き。
赤いディジェにはサイコ・フレームが仕込まれていたわけですが、それを調整していたのはアルレット。
シャアはアルレットとダントンに、MS開発監督の名目で月にあるグラナダ行きを命じます。
…というのは、「逆襲のシャア」のあれこれへの繋がり、そしてシャアのアムロに対する想いを想起させます。
この物語がガンダム正史となるのかは不明ですが、こういう時代を繋ぐミッシング・リンクが描かれるのは、「ジョニー・ライデンの帰還」ならでは、ですね。
新MSへの期待
というわけで「機動戦士ガンダムMSV‐Rジョニー・ライデンの帰還」17巻。戦いに一段落つき、これからの新展開を予感させる物語でした。
気になるのは、この戦いで多くのMSが大破したこと。これは新MSが登場する布石なのか?と想像するのですが、さて…?
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