「はなまる魔法教室」―もしも先生が「魔法使い」だったなら

もしも魔法が使えたら―。

少年少女なら誰しもが抱く憧れ。それが魔法使いの先生によって現実になったら?

そんな不思議な「魔法学級」を描いているのが裏サンデー連載の漫画「はなまる魔法教室」。突如クラスの担任となった魔女先生と児童たちの、ファンタジックな交流が描かれます。

「はなまる魔法教室」1巻レビュー

あらすじ

何をしてもどんくさい小学6年生の男の子、若草八起(わかくさ・やおき)。彼はある夜、空を飛ぶ「魔女」の姿を目撃するが、おさななじみの幸子(さっちゃん)は信じてくれない。

そして新学期のクラス替え。6年2組、八起の担任は新任の女性教師・十色魔彩(といろ・まあや)。前任校で魔法を教えていたという彼女は、八起が見たあの魔法使いだった。

HRの時間、八起たちの前で魔法を披露するマーヤ先生。その目的は、「魔法資質児童発掘計画(マジックスカウト)」により、一般児童の中から資質ある子どもを探すこと。

彼女は6年2組の中に「日本一の魔法の才能を持った子どもがいる」と言うが…?

はなまる魔法教室(1) (裏少年サンデーコミックス)井上知之:小学館

魅力的な「魔法先生」

「はなまる魔法教室」、ファンタジーテイストあふれる漫画です。面白かった!

まず何と言っても魔法先生・十色魔彩の存在が素敵。「こんな先生に教えて欲しかった…!」という魅力にあふれています。

若くてキレイだから?魔法が使えるから?いえいえ、それだけではありません。彼女にはマジックスカウトという目的がありますが、先生という職業については実は「やりたかっただけ」。

でも子どもたち一人ひとりの個性を掴み、良いところを見逃さない。そして生徒たちが持てる力を発揮した時、魔法のペンで空中に「はなまる」を描いてくれる。何ともステキな先生です。

丁寧に描かれる小学生像

子どもたちの描かれ方も、すごく丁寧。

ちょっと不器用な主人公・八起。幼馴染みだけど思春期で彼と距離を起こうとするさっちゃん。八起にやたらとつっかかるイヤなヤツ・千葉。一見おとなしめだけど、芯の強いしっかり者・のぼっさん。

などなど。自身の小学校時代を思い返して「こんな子たち、いたいた!」と思わせる6年2組の面々。なんだかなつかしい気持ちになります。

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魔法世界を彩るイラストチックな絵柄

そして読んでいて楽しいのは、太めの線から生み出されるイラストチック・版画的な絵柄。

丁寧に描かれる、八起・魔彩たちキャラクターとクラスの日常風景。それが魔法のシーンでは一転、パーッ!とページ一杯に広がる華やかさ。日常が魔法世界に変わっていくそのワクワク感が。

その雰囲気が子どもたちを通して読み手にも伝わり、繰り返し見たくなる魅力が詰まっています。作者・井上知之さんのセンスが花開く瞬間です。

八起くんとマーヤ先生の交流

一方ストーリーで気になるのは八起くん。1巻で彼はある喜び、そして挫折を味わいます。

魔法に関わるその出来事に落ち込む八起くん、しかしマーヤ先生は意外な気持ちを表します。ああ、こんな先生がいたら…!と思わずにはいられない素敵なお話。

まとめ

というわけで漫画「はなまる魔法教室」第1巻の感想。大人はもちろん、子どもたちが読んでもきっと楽しいであろう、「はなまる」な作品でした。

クラスの誰が魔法使いの才能を持った子どもなのか?というのがこれからの気になるところ。2巻も楽しみです。

続刊感想・レビュー

漫画「はなまる魔法教室」、2巻以降の感想です。ネタバレは極力避けますが、内容に触れる部分がありますので未読の方はご注意ください。1巻を先に読まれることを推奨します。

2巻

はなまる魔法教室(2) (裏少年サンデーコミックス)井上知之:小学館

前半は挫折した八起くんがマーヤ先生に相談をする、というお話。悩む八起くんに先生が伝えた気持ちは?

八起くんが魔法に対して抱いていた憧れ、その表現が素敵。そして彼にちょっと気になる出来事も。

後半は小学生なら外せない!遠足回。クローズアップされるのは八起くんの幼馴染み、幸子=さっちゃん。

普段八起くんに冷たい彼女。その理由はいつも一緒にいたために、周りから茶化されて来たから。6年生にもなるといろいろ思うところもあるよね~。

そんな彼女が開花させた魔法が、押し込めていた自身の内面を照らし出し…という展開。

想像以上にじっくりと、少年少女の気持ちが描かれる第二巻。読み終えると、自分の顔が自然に緩んでいるのに気づきます。さっちゃん、ええやつやなぁ~。

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追記

「はなまる魔法教室」は惜しまれつつも、残念ながら2巻で完結となってしまいました。

が!作者の井上知之さん自身が、自費出版形式で3巻を刊行されています。

はなまる魔法教室3巻 - はなまる屋 - BOOTH
はなまる魔法教室の第3巻です。 【カラーポストカード付】 単行本化されていなかった分を自主出版でつくりました。 マンガワンでの掲載が終了して、読むことができなくなってしまっていた「千葉ちゃん編」 読んでくれていた皆さんが「読みたい」と言ってくれて、金銭面での支援してもらい、また多くの方たちの手助けのおかげでつくれました...

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