漫画「へんなものみっけ!」1巻―博物館の裏側をコミカルに描くお仕事マンガ

月刊!スピリッツ連載、早良朋(さわら・とも)さん描く漫画「へんなものみっけ!」第1巻を読みました。なんだか絵本や児童書のようなかわいいタイトルです。

表紙はメインキャラの一人・清棲(きよす)あかり。白衣を着る彼女のバックには多数の生き物が。白衣+動物と言えば…そう、博物館!(そうなのか?)この「へんなものみっけ!」は、知られざる博物館のウラ側をコメディ風味で描いた漫画です。

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あらすじ

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「ムダを省くのが使命」がモットー、有能だがやや影の薄い市役所勤務3年めの薄井透(うすい・とおる)。博物館への出向を命じられバイクでの初出勤中、カモシカをかついだ血まみれのあやしい女性に遭遇。

「ちょっとそこまで乗せてって」という彼女の願いを断りきれない透。着いた先はなんと出向先の博物館。実は女性は博物館の先生(研究者)・清棲あかりだった。

成り行きでカモシカの解体を手伝うことになる透。あかりと共に「100年後の未来に届く」という博物館の仕事の一端に触れ、「何を省くか」ではなく「何を残すか」を考えるように。かようにして薄井君の博物館ライフが始まった―。

「へんなものみっけ!」1巻レビュー

博物館。もう何年、いや何十年も行ってないなぁ…。「へんなものみっけ!」はそんな私にも「博物館」をおもしろく、そして楽しく教えてくれる漫画でした。

主人公の公務員・薄井くんは仕事はできるが「自分に語れるものがない」のが悩み。そんな薄井くんが出向したのは自然科学を扱う「かなでの森博物館」。あかりの勢いに負けてカモシカの解体を手伝うのですが、「博物館の裏側」にあったのは冷凍された死体(※人間じゃないよ)の山。

手際よく解体を進めるあかりに対して「こんなに集めてどうするんですか?」と疑問を抱く薄井くん。それは研究のためではあるのですが、今、博物館がしていることが100年後の未来に届くかもしれない、そんな気持ちで仕事に取り組むあかりの気持ちを知ります。

確かにわれわれ一般の人間は「標本」を目にしているわけですが、それもこれも博物館で働く人達のお仕事と情熱があってこそ。薄井くんの目を通して博物館の役割、研究者の気持ちが伝わってきます。

興味深かったのは第5話で警察が博物館を訪れるエピソード。なんでも博物館には捜査資料の「同定」依頼、つまり事件の遺留品や痕跡を分析するために研究員の力を借りることがあるそうで。この話では博物館の別の顔を知るとともに、ラストでも深い示唆があり、仕事の重みを感じる1話。印象に残りました。

そして第6・7話で描かれる、あかりが幼い頃にみた「つばめの神様」のお話。台風の後にのみ現れる全長2メートルの大ツバメに再び出会いたいと望むあかりですが、果たして大ツバメの正体は?研究者の原点をやさしく描いた良エピソードです。

そんな博物館とそこで働く人々をコミカルに描いた「へんなものみっけ!」。青年誌であるスピリッツ連載ですが、子どもが見ても全然おかしくない内容。いや、むしろこれからいろんな職業に憧れを持つであろう子どもたちに読んで欲しい漫画です。

だれでも知っている博物館で、
だれも知らないことをやっている人たちがいる。
(「へんなものみっけ!」第1巻5ページより)

こちらは冒頭のメッセージ。表面を見るだけでは決してうかがいしれない裏側の仕事、そしてそこに人知れず傾けられる熱い想い。もしこの漫画に子どもたちが触れたなら、博物館に限らず研究や仕事の本質を感じ取ってくれるんじゃないか。そんな期待を抱かせてくれる作品です。

漫画データ
タイトル:へんなものみっけ!(1) (ビッグコミックス)著者:早良朋出版社:小学館発行日:2017-07-12
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