マンガ大賞2017受賞!「響~小説家になる方法~」

かねてより愛読している柳本光晴氏の描く漫画「響~小説家になる方法~」がマンガ大賞2017の大賞を受賞しました。

「マンガ大賞2017」大賞は柳本光晴「響〜小説家になる方法〜」に
受賞イラストも公開されています。

やったね!いつも読んでいる漫画が評判になる、というのは読者として純粋に嬉しい。

「響~小説家になる方法~(以下「響~」)」は天才少女・鮎喰響が文学界に新風を巻き起こす純文学漫画…というよりは破天荒すぎる響の行動にドキドキする(笑)漫画です。

ちなみに「鮎喰」は「あゆくい」ではなく「あくい」。「あくい・ひびき」が主人公の正確な名前です。

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マンガ大賞2017結果

「響~」の紹介の前に、マンガ大賞2017の結果確認を。

マンガ大賞2017
マンガ大賞公式サイトです。その年の「今、一番推したいマンガ」を決めています。

マンガ大賞2017のノミネート条件は下記の通り。

  • 2016年1月1日から12月31日までに単行本が発売された作品
  • 最大巻数が8巻まで

この条件で一次選考をくぐりぬけた13作品の最終順位が、以下のように発表されました。

  1. 響〜小説家になる方法〜 ☆
  2. 金の国 水の国 ☆
  3. ダンジョン飯 ☆
  4. アオアシ
  5. 波よ聞いてくれ ☆
  6. 約束のネバーランド
  7. ゴールデンゴールド ☆
  8. ファイアパンチ
  9. ハイスコアガール
  10. からかい上手の高木さん
  11. 私の少年
  12. 東京タラレバ娘
  13. 空挺ドラゴンズ

☆は私が読んだことのある漫画です。「金の国 水の国」は「このマンガがすごい!2017 オンナ編」の第一位作品ですが、それを押さえての堂々たる一位(「響~」はオトコ編全50作品より圏外)。ファンタジーやスポーツ漫画を押さえての大賞受賞はおもしろい結果ですね。

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「響~小説家になる方法~」あらすじ

出版不況の時代、有名作家でも部数が伸びない文芸の世界。若手女性編集者・花井は小説誌新人賞に応募されてきた手書き原稿を見つける。「お伽の庭」と題されたその小説は住所も年齢も不明。書かれていたのは「鮎喰響」の名前のみ。その小説の素晴らしさに感銘を受けた花井は、データ応募必須の賞に通すため「お伽の庭」をテキストに打ち込み、鮎喰響からの連絡を待つ。

一方、当の鮎喰響は高校に入学。何かと彼女の世話を焼く幼馴染の涼太郎とともに文芸部に入部しようとするが、部室は不良に占拠されていた。他人の気持ちを忖度することが不得意な響は、そこで不良の指の骨を折りトラブルに。そして文芸部の部長であるリカと出会う―。

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感想

…というのが「響~小説家になる方法~」序盤のあらすじ。個人的にこの物語に魅力を感じる部分は大きく二つ。

一つは響の書いた「お伽の庭」が文芸界を席捲していく様。著名な大御所作家でも響に会うと「あの『お伽の庭』を書いた…!」という感じでみな一様に響に感銘を受ける。響本人に反発する人間もその作品自体のすごさは認めざるを得ない。そこにカタルシスを感じます。

もう一つは感性・考え方が常人とは大きく異なる「響」という人間の特異生。それは素晴らしい作品を生み出す反面、何者にも屈しない「やられたら必ずやり返す」姿勢を躊躇なく見せる。男だろうが女だろうが、不良だろうが大御所作家だろうが関係無し。自身の理念に反することならば暴力を奮うことも躊躇しない。「彼女は次に何をしでかすのだろう?」というドキドキ感があります。

他にも若手・中堅作家を通して描かれる「文学で飯を食う」ことの厳しさ・難しさ、文学賞を目指す作家の心情などもありおもしろい。本好きならば興味を持てる内容です。

難点も

そんな「響~」ですが、作品のレビューを見ると割りと厳しい意見もチラホラ。

  • サブタイトルにある「小説家になる方法」が書かれていない
  • 「お伽の庭」の凄さが具体的でない
  • 響が暴力的過ぎる
  • 絵のクオリティがもうひとつ

などなど。

「小説家になる方法」というサブタイトルについては、まあ確かに内容と合ってませんよね。響はそもそも「天才」として描かれているので。そこに期待した読者がギャップを感じるのはしょうがないのかも。個人的には気にならないのですが、そこを求めて読む方も結構いるようです。

小説「お伽の庭」の凄さについては、それはもう漫画の中で「すごい小説」が表現できたらそもそも小説にするんじゃないか、と(笑)。「漫画の設定」として割り切れるかどうか。

他も合わせて読んでみないと「許容できる/できない」がわからない作品である、とは言えます。

まとめ

というわけでマンガ大賞2017の大賞に見事かがやいた「響~小説家になる方法~」。肌に合う・合わないがはっきりわかれる漫画ですが、個人的にはおもしろく感じている漫画なので、機会があれば一度見て欲しい作品。

なにより文芸・文学界という比較的おとなしめな世界を舞台としながら、読むたびにドキドキ・ハラハラしてしまう展開は、並の漫画にはないおもしろさ・不思議な魅力があります。基本的にネタバレなしレビューなので詳細は避けますが、巻を追うごとに破天荒ぶりに拍車がかかる響。最新5巻もいいところで終わっているので続きがめちゃくちゃ気になります。

作中で編集者・花井は「(低迷する)時代を変えるのはいつも一人の天才だ」と独り言ちますが、この「響~」も漫画界に波を起こす作品として今後も期待大、です。

漫画データ
タイトル:響~小説家になる方法~(1) (ビッグコミックス)著者:柳本光晴出版社:小学館発行日:2015-03-04