視える少女と視えない探偵―「幽乃町1/2丁目探偵事務所」1巻

あなたは霊感のある方ですか?私はからっきしありませんw。

子どもの頃は「俺にも霊を視る力があれば…!」なんて妄想しておりましたが、多分そういうのは視えない方が幸せなんでしょうね。

しかし大人になった今でも心霊現象その他有象無象に興味津々なのですが、今回読んだのは泉ウラタ氏作の「幽乃町1/2丁目探偵事務所」。視える少女と視えない(限定付き)探偵がバディとなって心霊現象に立ち向かう、心霊アクション活劇です。ちなみに「幽乃町」は「かすかのちょう」と読みます。

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あらすじ

女子高生・天白十和(あましろとわ)。3丁目にある高校までには「ぼったくりかつ変人な除霊師ばかりの1丁目」と「親切だけどインチキな霊媒師ばかりの2丁目」を通らねばならない。霊が視える十和は見ないフリも苦手。いつもいらぬことに関わって親友の瑠璃を心配させてばかり。

そんなある日、彼女は「1丁目と2丁目の間」から出てきた男に出会う。十和の無くした生徒証を拾っていた男は、学校で起こる心霊現象の調査を依頼された探偵だった。十和が「視える」人間だと気づいた彼は、「お前、俺の助手になれよ」と迫るが…。

感想

霊の視える人間と視えない人間がコンビを組んで心霊現象に立ち向かうオカルト・アクション漫画。そのような組み合わせはタイム涼介「I.C.U.」などでも見受けられましたが、「幽乃町1/2丁目探偵事務所」では十和が探偵・烏丸真澄(からすまますみ)の半径5メートル以内にいる必要がある、というのがポイント。

烏丸は武器である傘を触媒に霊と接触できますが、もともと霊は視えない体質。霊退治のためには、傘を触媒として近くに視える人間がいる必要がある、というのがユニークな設定。イヤイヤ協力する十和と、勢いで物事を乗り切ろうとする烏丸が対照的でおもしろい。

それにしても作者の泉ウラタさん、絵がウマイですね!プロに「絵がうまい」ってのも何ですが。キャラクターの動きや表情はじめ、絵の細部に至るまで見どころいっぱい。扉絵とか見てるだけで楽しいです。

そしてヒロインである十和の造詣がすごくイイ。彼女、決してマンガヒロインとしての「美人」ではないんですよね。タレ目でデコッパチ。でもなんだか目を引く愛嬌がある。こういうキャラクターを作り出せる作家さんって、貴重だと思います。

そんな「幽乃町1/2丁目探偵事務所」、少し難点を挙げると、「なぜ霊は悪さをしているのか、なぜ主人公はそれと戦っているのか」というところにもう一つ説得力を感じないところでしょうか。烏丸は「除霊」ではなく「退治」をしているように見えるのですが、「バトルしなければならない理由」がよくわからない。

普通のオカルト漫画であれば心霊現象の解決が目的なのですが、本作はアクション要素のウェイトも大きい作品。バトルがもっと盛り上がるために、大きな悪意が町を包んでいるとか、強力な悪玉・ライバルがいるとか、霊たちが悪さをする理由・背景が欲しいところ。烏丸の傘には何やら秘密がありそうなので、その辺りからストーリーに説得力が出るといいですね。

というわけで今後の展開に期待の漫画、「幽乃町1/2丁目探偵事務所」の感想でした!

漫画データ
タイトル:幽乃町1/2丁目探偵事務所 1著者:泉ウラタ出版社:ノース・スターズ・ピクチャーズ発行日:2017-01-20