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寿司漫画『寿エンパイア』感想―職人たちの熱すぎる!バトル&ドラマ

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ハワイで寿司職人の母に育てられた青年は、日本の巨大老舗寿司店で修行を開始!だがそこには「大きな壁」が…?

せきやてつじさんの『寿エンパイア』。過酷な職人の世界で荒波にもまれ、しかしその中で輝きを放っていく青年の姿がまぶしい!本格過ぎる寿司漫画です。

連載は小学館の漫画アプリ『マンガワン』。2023年10月現在、コミックス1~14巻が刊行中。

『寿エンパイア』感想・レビュー

どんな話?主なあらすじ

寿司職人の卵・鶴岡朝里がハワイで出会ったのは、屋台で寿司を握る青年・松田湧吾

見事な包丁さばき、手の中でシャリを回転させる独特の握り方、そして華やかな寿司に魅せられる。

その動画を見た朝里の祖父・竹部は、湧吾こそが老舗巨大寿司店・崋山の4代目・華山剣蔵が探す人物だと気づく。湧吾は、剣蔵とかつての恋人・松田美咲との子供だった。

その竹部の誘いで、東京の崋山本店を訪れた湧吾。そこで剣蔵の握る寿司に感動し、華山で修行を積むことに。

しかし待っていたのは、寿司の頂点を目指す職人たちの激烈な洗礼だった―!

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ハワイの寿司青年が本格職人の道へ!

亡き母の言葉「世の中には凄い寿司を握る奴が沢山いる」を胸に、本格寿司職人を目指して崋山本店へ来た湧吾。

そこで実の父にして華山4代目・剣蔵の握った寿司を食し、その凄みに絶句。

「俺が今まで握ってきた寿司は何だったんだ?」

剣蔵に頼み込み、かくして寿司の本場・日本での職人修業がスタート!

先輩職人の過酷な嫌がらせが…?

…となるのですが、剣蔵の義理の息子である寿司職人・雅から嫌がらせが。

この雅がなかなか凄いヤツ(かつイヤなヤツ)。剣蔵をして「人を狂わせる魔性の寿司」を握ると言わしめる、崋山でもトップクラスの若き職人。

さらにイケメンでモテモテな雅は、第一話から濃厚なF○CKも披露(笑)しちゃう、絵に描いたようなライバル。

その雅から「剣蔵の実子では?」と目をつけられた湧吾。配下の先輩職人たちから、これでもか!とキツイ仕打ちの数々を受けることに

凄い寿司を握るために日本に来たのに、包丁を触ることさえ許されない。ハワイでのびのび育った湧吾には理不尽過ぎる環境で、このまま潰れてしまうのか…?

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迫真の寿司バトルが熱い!

しかし!持ち前のポジティブさと天性のリーダーシップで、徐々に仲間を増やしていく湧吾。先輩職人を見返すため、寿司コンテンスト「若獅子杯」へ出場することに。

そこで展開される寿司バトルが、実に熱い!

出場者であるライバル職人たちは、寿司に情熱を傾ける「腕に覚えあり」な人間ばかり。

彼らが繰り広げる寿司対決は、派手過ぎず、地味過ぎず、しかし寿司の華やかさ、そして「奥深さ」が伝わってくる内容。

その真剣な戦いに、思わず手に汗握ること必至!

そして職人たちの中で異彩を放つ、主人公・湧吾。

手のひらの中で寿司飯をシュルシュルと回転させ、右手を高く掲げてからの、相手の眼前に寿司を下ろす母ゆずりの技「落雷」と、豊富な知識に裏打ちされたアイデアから生み出される、独創的な寿司の数々を披露。

それらを「エンジョイ!(寿司を楽しんで!)」と振る舞い、そして勝負が終わったあとはライバルの心さえも掴んでしまう真っ直ぐさに、ぐいぐい引き込まれていきます。

王道展開のおもしろさ

そんな『寿エンパイア』、職人漫画の王道とも言える展開のオンパレード

ブラック過ぎる現場の上下関係。跡目争いから生まれる嫌がらせ。先輩からのきついイビリ。そしてバトル風味の寿司コンテスト。

内容だけ見ると、実にベタな、ベタ過ぎる展開。が、そのベタさこそが『寿エンパイア』の何よりの魅力

湧吾たちの前に立ちはだかる困難、そしてそれを乗り越える様が、作者・せきやてつじさんの類まれなる力強い画力と相まって、ページを捲る手にも思わず力が入ってしまいます。

さらに「若獅子杯」の後にも、湧吾たちの前には大きな困難、そして新たな寿司バトルが。

母・美咲が崋山から姿を消した経緯や、その鍵を握る「謎の寿司職人」も絡む濃厚なドラマも、並行して展開。

さて湧吾と仲間たちは、寿司職人の頂点に立てるのか…?盛り上がりを見せる寿司職人ストーリーから、目が離せない!

余録:ライバル寿司職人・児島が目立ち過ぎ!

ところで『寿エンパイア』は主人公・湧吾たちだけでなく、仲間やライバルとなる寿司職人たちの人となり・バックグラウンドにも面白みがあります。

その中でも突出してユニークなのが、華山金沢店の店長・児島

↑6巻カバー絵の右下、メガネをクイッとしている男性。この児島が実に強烈な、強烈すぎる!キャラクター。

湧吾の職場にわざわざ出向き、出された寿司を「マッズ!!」とこき下ろすイヤな奴!

…イヤな奴なのですが、その後に上手い寿司を丁寧な説明付きで実演、結果的に的確なアドバイスをしちゃう(笑)という、どこか憎めない寿司職人。

それがSNSで話題になり人気沸騰!彼を主人公にした番外編『鬼神』(10巻収録)も登場。

たまたま入った新規開店の飲食店で、あまりの「なってなさ」にブチギレた児島が取った「驚愕の行動」とは…?

これが彼のキャラクターを存分に活かしたエピソードで、めちゃくちゃ面白い!

『寿エンパイア』に登場するキャラクターの中でも、際立って存在感のある寿司職人・児島。その活躍(?)にも注目してみてください。

まとめ:巻を重ねてますます盛り上がる!

以上、せきやてつじさんの寿司漫画『寿エンパイア』感想・レビューでした。

ハワイ育ちの寿司ボーイの成長を描く本格グルメ漫画。迫力の寿司バトルと、絶妙な画力から生み出される寿司の数々を、ぜひ堪能してみてください。

なお『寿エンパイア』、6巻からは電子書籍版のみの刊行となっているのでご注意を。紙書籍で出ないのは残念ですが、巻を重ねて面白さはますます!パワーアップしています。

『寿エンパイア』は連載している小学館のマンガアプリ「マンガワン」でも、「各話初回無料」で読めます。

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