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漫画『リバイアサン』感想―遭難した宇宙船で生き残るのは誰だ?SFサスペンス

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大破・遭難した宇宙旅客船に取り残された中学生たち。1台しか無いコールドスリープ装置をめぐり、不穏な空気が…?

黒井白さんの漫画『リバイアサン』。閉鎖された宇宙船内に閉じ込められ少年少女たち。その運命を美麗な筆致で描くSFサスペンスです。

連載は集英社のWeb漫画メディア「少年ジャンプ+(ジャンプラ)」。2022年10月現在、単行本1巻が刊行中。

『リバイアサン』感想・レビュー

あらすじ

はるか昔に遭難、消息不明となった宇宙旅客船「リバイアサン号」を発見した、宇宙の盗掘屋たち。船内を探索中、乗客の一人が遺した「日誌」を見つける。

そこには、中学生たちが修学旅行で地球観光へ向かったこと、その途中で「謎の事故」に遭遇したこと、1つしか無いコールドスリープ装置を巡り争ったことが記されていた…。

果たして日誌の中身は真実なのか?そしてコールドスリープで生き残った人間はいたのか?船内奥へと進む盗掘屋たちは、「リバイアサン号の真実」に近づいていく…。

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現在と過去の2軸で描かれるSFサスペンス

大破した宇宙船内を舞台に描かれる『リバイアサン』。SF設定のもとで展開されるサスペンス、という趣きの漫画です。

物語は三人の盗掘屋が船内を探索する「現在」と、遭難した中学生たちを描く「過去」の2軸で展開。両者が時折オーバーラップ、徐々に真実が顕になっていく構成。

その「過去」では、日誌を書いたと思われる男子・イチノセと、やや陰のある女子・ニカイドウが中心に。

原因不明の爆発により、航行不能となったリバイアサン号。貸切フロアに閉じ込められた中学生たちが生命維持できるのは、わずか50時間

そこで一台しかないコールドスリープ装置の存在をめぐり、男性教師とニカイドウが争いに。彼女は自らの命を守るため、男性教師を殺害してしまう…!

緊張感あふれる展開が面白い

その秘密を知ったイチノセは、「事実を知る人間は少ないほうがいい…」と、半ば強制的に彼女と運命共同体に。

しかし閉鎖空間となったフロアで、生徒たちはやがて疑心暗鬼に。教師の殺害やコールドスリープの存在をめぐり、緊張感が高まっていき…?

このサスペンスフルな展開にドキドキが高まって、殺伐とした宇宙船内の空気に、知らず知らず引き込まれていきます。

また時折「現在」に切り替わり、そこで盗掘屋たちが「日誌」の真偽を確かめていく過程も、独特の緊張感があって面白い!

なぜか随所に仕掛けられているトラップにより、命を落としそうになる彼ら。日誌をたどった先に待っているものは何なのか…?

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ヒロインの美麗な表情に注目

そんな『リバイアサン』、SF描写がややアバウトな部分もあり、「本格SF」とは言い難い部分もあります。が、それを気にさせない雰囲気・面白みのある漫画

もともとはフランスで先行発表されている作品で、その日本語版である本作。日本の漫画とはひと味ちがう「海外漫画風味」があり、それがサスペンス展開に非常にマッチしています。

その中でも特筆すべきが、ヒロイン(?)・ニカイドウの存在感。暗めの描画と相まって、端正な顔が狂気をはらんで妖しく輝く様は、ゾクッとするような美しさ。

そんな彼女と図らずも協力関係を結んだイチノセですが、しかしコールドスリープは一台のみ。果たして生き残るのは誰か…?

『リバイアサン』まとめ

以上、黒井白さんの漫画『リバイアサン』の感想・レビューでした。

「美麗さ」と「暗さ」を併せ持つ独特の描画で、気分は一気に廃墟と化した宇宙船内へ。次巻予告では、物語のテンションがグッと高まる展開も告知。恐ろしくも続きが気になるSFサスペンス漫画です。

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