「メダリスト」―崖っぷちな二人の本格フィギュアスケート・ストーリー

フィギュアスケートの道を諦めた青年と、頂点を目指す少女。二人が出会った時、メダリストへの扉が開く―。

“つるまいかだ”さんの「メダリスト」。講談社月刊アフタヌーン連載で、2021年1月現在1巻が刊行中。オリンピックを目指す若者たち描く、本格フィギュアスケート漫画です。

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「メダリスト」感想

あらすじ

アイスダンス選手を引退したフィギュアスケーター・司。アイスショーのオーディションを受け続けるも撃沈続き。フリーター状態でフィギュアスケートにしがみ続けている。

ある日スケートリンクで、不審な小学生・結束(ゆいつか)いのりに出会う司。フィギュアスケートを習いたいが母親が許可しないという彼女だが、スケートへの情熱を強く感じ、彼女にクラブへの所属を勧める。

後日、元パートナーからコーチ就任の打診を受ける司。そこへ偶然、入部希望のいのりが現れる。彼女がスケートを始めることを渋る母親に、「とりあえず一回滑らせてみましょう」と試技を勧める司は、そこでいのりの才能を目の当たりにする―。

メダリスト(1) (アフタヌーンコミックス)つるまいかだ:講談社

崖っぷちのスケーターたち

第一話にて出会いを果たした二人は、ともに「スケートに情熱を燃やす人間」。ですがその立場は対極的。

フィギュアスケーターを志すが始めた年齢が遅かったため、アイスダンスに活路を見出すも夢破れ、コーチという道を歩みはじめる司。

学校生活がうまくいかず、姉の影響で覚えたフィギュアスケートに人生を賭けようとするも、母親に認められないいのり。

競技スケートから一線を引こうとする人間と、これからスケートのトップを目指さんとする人間。偶然から出会った二人が、フィギュアスケートの頂点「金メダル」に向かっていきます。

「金メダルを獲れる人に絶対になりたい」といういのりに対し、「(いのりを)色んな人が勝利に賭けたくなるスケート選手にするよ」と約束する司。しかしいのりの年齢は、選手を本気で目指すにはギリギリ。崖っぷちな二人のスケート物語が幕を開けます。

本格的なフィギュアスケート描写

かくして師弟となった司といのり。いのりは勉強は苦手だけど身体能力は抜群に高く、また姉の影響でスケートは普通以上に滑れるレベル。と言っても競技としてのフィギュアスケートは未体験。

ということで司が「フィギュアスケーターとしてのスケート」を指導していくのですが、いのりと共に読者も知識が増える感じでなかなか面白い。

フィギュアスケートの美しい進み方である「スケーティング」のレクチャーや、大会の出場資格を得るためのステップアップ「バッジテスト」の説明など、テレビを見るだけではわからない、競技スケートの世界を知ることができます。

また作者さんのスポーツ表現が実に巧み。本格的なスケート描写についつい見入ってしまいます。特に印象的だったのは、中盤以降でいのりと友人になる天才少女・光がジャンプを見せるシーン。

見開きでスピンしながら上昇、着地と同時に片足を大きく伸ばしてそのまま滑っていく、という一連の動き。漫画という静止している世界の中で、しかし実際にスケーターが舞っているかのように錯覚してしまう、ダイナミックな描写がスゴイ。

コメディ要素がやや過剰?

迫力の描写と魅力的なキャラクターが活躍する「メダリスト」。もうひとつの魅力は、コメディ描写。物語の合間合間に挿入される司・いのりらの愉快なやり取りに、ついつい笑ってしまいます。

が、読んでるとちょっとコメディ描写が多いのでは?と気になってくる。面白いんだけど、もうちょっと少なくてもいいかな。真剣なスポーツの世界。まして二人は金メダルという途方も無いゴールを目指しているわけで。お笑い要素を控えめにすると、物語がもっと締まる気がします。

つまらないんじゃないですよ。むしろ面白い。何度も笑いました。ですが割合を変えれば、1巻でもう少し話を進められたのでは?と思います。その辺のバランスは物語がシリアスになってくるほど、洗練されてくるのかもしれません。これからの展開に期待。

まとめ

以上、”つるまいかだ”さんの「メダリスト」感想でした。二人の出会いに始まり、1巻中盤~後半ではライバルとなるであろう少女たちも登場。物語の盛り上がりを予感させます。

また「フィギュアスケート愛」あふれる競技シーンも必見。漫画だけど、ビシビシ躍動感が伝わってきます。司といのり、これから二人がどのように栄冠を掴み取っていくのか?注目です。

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