1巻に引き続き、鶴谷香央理さんの漫画「メタモルフォーゼの縁側」2巻のレビュー。
BL漫画仲間となった老女と女子高生。二人の交流を優しいタッチで描く作品です。
なお続巻のレビューということで、1巻を読んでいるという前提の内容になります。
コミケ参戦
二人がハマっているBL漫画、「君のことだけみていたい」。その作者・コメダ優の参加を知り、同人誌即売会に赴く二人。
雪はもちろん、実はうららも初参加。右も左もわからずに臨んだ二人は、果たしてコメダ優のブースにたどり着けるのか…?
サークルのカタログを見て、「すごく大きい物産展みたいな感じかしら?」という、おばあちゃんの感想が面白いw。
しかし私もこういうイベントに参加したことは無いのですが、丁寧な描写で描かれる即売会、ものすごく臨場感が伝わりました。そこに初めて参加するうららのドキドキも。

幼馴染との距離感
ある日、用事でうららの家に来た幼馴染の紡。特に男女を気にする仲ではないのだけれど(紡は彼女アリ)、久しぶりの来訪にちょっと勝手がわからないうらら。
一方、部屋に上がった紡はうららのBL本を見つけ、趣味に、というかそれを隠し忘れているうららの脇の甘さに苦笑。
しかしそれをうららには伝えないのが、幼馴染の優しさ、というか情け。こういう関係って微笑ましくて、なんだかほっこり。
後日、久しぶりの紡との時間を反芻するうららの様子も、ちょっとカワイイ。
相談に向かったのは…
そんなうらら、深刻ではないけれど、人間関係でちょっと悩ましいことが発生。
迷った末に自然に足が向かったのは…雪の家。すっかり馴染みになった二人。真っ先に相談事を話す…
のではなく、おしゃべりは自然とBLの話に(笑)。
でもこれは、かつて同じ趣味を共有する友人を持たなかったうららにとって、大きな変化。雪が彼女の心の拠り所になる様子が窺えます。
そして他愛のない会話の中で、雪がふと発した言葉が、うららの気持ちを大きく動かすことに。
うららの笑顔
という感じの「メタモルフォーゼの縁側」2巻。年の差BLともだちの親交はより深く、そしてゆるやかだけど、少し変化の起きるうららの心。
それぞれが好きなものを好きなように好きでいる。そんな気持ちはそのままに、前を向いていく様子が伝わってきました。
そういうのって、すごく大事ですよね。そして気づくと、作中でうららの笑顔、それはささやかなものですが、笑い顔が増えてきた気がします。
3巻では、彼女にさらなる変化が訪れるのか?楽しみです。
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