「モンキーピーク」―自然の密室で猿に襲われるパニックホラー漫画

最近は「生き残りをかけたサバイバル」とか「限定空間からの脱出」的な漫画が多いですね。やはり世界観を絞れるというのは話を作りやすいのでしょうか。

本記事でご紹介する「モンキーピーク」は「山岳パニックホラー」なので大自然が舞台ですが、「容易に脱出できない環境」ということで脱出・生き残り系漫画の要素も併せ持ちます。

作画は粂田晃宏氏で原作は志名坂高次氏。志名坂氏といえば「凍牌」や「BW」など、ピリピリした麻雀漫画を描かれる漫画家さん。その志名坂氏が原作のパニックホラーということで否が応でも期待が高まります。

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あらすじ

開発した薬が引き起こした薬害で苦境に陥った藤谷製薬。団結のために新社長のもと、数十名の社員は谷川岳(群馬県)のしらび山にて山岳レクリエーションに参加する。

山登りに不慣れなものもいる中、一行は山頂に到着。夜、23歳・営業担当の早乙女は、悲鳴、そして猿のものらしき鳴き声で目を覚ます。テントを出ると、そこにはミノをかぶりナタを持った巨大な「猿」が…。

立ちすくみ猿を見送る早乙女。悲鳴の起こった方に駆けつけると、社員数名が惨殺されていた。彼らがいるしらび山の先、岩砕山は別名「鬼猿岳」。鬼の猿が住むと言われる魔の山だった…。

「モンキーピーク」感想

これはなかなか読ませる漫画。予想以上におもしろかった。

山が舞台のパニック・サバイバルものは学生が主人公といったケースが多いような気がするのですが、製薬会社の社員一行という設定が新鮮。こういう話では突飛過ぎる行動を取るイヤなやつが物語を動かすのですが、それも過度でないのがイイ。

また登山の描写もリアル。「猿」に追われる恐怖プラス、自然の中での生き残り。二重の緊迫感を味わえます。「山」ということで空間や建物に閉じ込められた状況にはあらず。簡単に逃げられるのでは?と思いきや、山をなめたらいかんですね。「開かれているようで閉じられている」という擬似的な限定空間として機能しているのがおもしろい。

また話の中で「谷川岳はエベレストを含む8000m級の山よりも死者が多い」との説明がありますが、Wikiでも確かにそのような記述が。説得力があります。

何者かの罠にはまって山奥へと進まされる生存者たち。「猿」の目的・正体は何なのか?疑心暗鬼になった人間たちの間にも亀裂が…?

まだ第1巻ではありますが、続きが気になる漫画。原作が志名坂高次氏なのでスリル・サスペンスにも期待できますし、また粂田晃宏氏の作画も安定して読みやすい。どんどん読者を恐怖のどん底に突き落としていって欲しい、期待の1作です。

漫画データ
タイトル:モンキーピーク 1著者:志名坂高次出版社:日本文芸社発行日:2017-02-09

【追記】2巻感想

「モンキーピーク」の2巻を読んだので感想追記です。未読の方は1巻をお読みになってからどうぞ。

追い詰められた生存者たちが前岳の山頂、そしてそこから一本道で続く中岳の山小屋を目指す、というところから。

猿に襲われたとおぼしき被害者が、実は人間によって殺されたのではないか、という疑惑。その中で猿の襲撃を警戒しながら脱出口を探る一同。そして濡れ衣を着せられて立場の悪くなっていく主人公・早乙女。

1巻のクオリティはそのまま、引き続き緊張感のある展開。おもしろいです。「猿がどこから襲ってくるかわからない」という恐怖。日中の描写なのになんでこんなに怖いのか…。

人間同士の争いにも注目。とうとう暴走し始めた「ヤツ」。徐々に一人悪者に仕立てあげられる早乙女。分裂する生存者たち。そして忘れてならないのは猿の存在…。恐怖も期待もますます盛り上がってきました。

漫画データ
タイトル:モンキーピーク 2著者:志名坂高次出版社:日本文芸社発行日:2017-05-10