「ナラクノアドゥ」5巻ー姿を現した八位魔王との驚愕バトル

人間になるために、他の魔王を倒す最強の魔王と、彼の仲間になった人間たち。

その過酷な戦いを描くダーク・ファンタジー「ナラクノアドゥ」も、5巻が刊行。いよいよ盛り上がってまいりました。

5巻のカバーは、アドゥの仲間であるユングとヨミ。そして新たに仲間となった魔道士・ルー。

アドゥのサポートとして、重要な役割を果たす彼らですが…。

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「ナラクノアドゥ」5巻レビュー

第5巻は、兄弟魔王「ニグルストゥル王」(第6位)と「ウェンチュアラ王」(第7位)の戦いから。

ん?魔王同士がなぜ戦っているの?

というのは、アドゥの策略。

山本晋「ナラクノアドゥ」
[山本晋 著 KADOKAWA/エンターブレイン「ナラクノアドゥ」5巻より引用]

魔王を倒すたびに、その力が削がれていくアドゥ。アドゥと第6・7・8位魔王たちの力関係を、銀貨を使って説明。うん、わかりやすい(笑)。

一人ずつ倒していっても、アドゥのパワーダウンを考慮すると、いずれは敗れる。

ならばパワーバランスを調整しながら、兄弟で同士討ちをさせたのち、隠れている8位魔王を倒す。というのがその計略。

その説明の中で、アドゥの口から興味深い一言が。

「12階梯とは闇の悟りへの道
位が下がる程 心理から遠ざかる
その思考は人間に近づく」

これは第6・7位魔王の心理を操るための布石でもあり、同時にアドゥの状態をも示唆する言葉。

かつて最強の魔王だったアドゥは、闇の悟りに一番近い位置にいた存在。しかし現在は徐々に人間に近づいているのか?興味深い言葉です。

そして兄弟魔王の戦いに決着がつき、姿をあらわす第8位魔王。

山本晋「ナラクノアドゥ」
[山本晋 著 KADOKAWA/エンターブレイン「ナラクノアドゥ」5巻より引用]

「歪の王」ヨクラファルサ王。アドゥの力が弱まったのを確認し、戦いを挑んできます。

魔力を吸い取るルーのサポートを受け、アドゥは互角以上の戦いを展開。

…しているように思えましたが、そこにヨクラファルサ王の、思いもかけない攻撃が。

山本晋「ナラクノアドゥ」
[山本晋 著 KADOKAWA/エンターブレイン「ナラクノアドゥ」5巻より引用]

ページをめくると…、あれ?アドゥが人間になってる!しかも時間がかなり経過しているよう。

アドゥは11人の魔王を全て倒したんだね!しかしその結果はなんとも寂しいものなんだなぁ…。

「ナラクノアドゥ」、完!

…じゃなくって、これはヨクラファルサ王の精神攻撃。

5巻の後半はこの「攻撃」に、描写の大部分が使われるのですが、この「戦い」がスゴイ。

精神世界に意識を閉じ込められ、人生の「悲惨なその後」を、強制的に見させられるアドゥたち。

「何かおかしい」ということを心のどこかで感じながらも、それぞれの終末を迎えようとする。

アドゥの落ちぶれた様子がリアリティ有りすぎて、その丁寧すぎる描写に驚愕。

そしてアドゥは、いかにしてヨクラファルサ王の世界から抜け出すか?というのが見どころなんですが、そのギミック、実に読み応えがあります。

こういうバトルは、長い漫画の歴史でも決して新しいものではないのですが、それをファンタジーである「ナラクノアドゥ」で見れるとは。新鮮。

そして5巻ラストでは、これまた驚愕の展開が。

ネタバレを避けるために詳しくは書きませんが、唖然としつつも、アドゥのセリフにニヤリ。めちゃくちゃ続きが気になる!

巻数も5巻を重ね、ますますおもしろさに拍車がかかってきた「ナラクノアドゥ」。次巻は2018年冬に刊行とのこと。楽しみです。

ナラクノアドゥ 5 (ファミ通クリアコミックス)著者:山本 晋出版社:KADOKAWA / エンターブレイン発行日:2018-05-14

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