漫画「猫で語る怪異」なら怖い話が苦手でも安心して読め…る?

朝日新聞出版HONKOWAコミックスより発売されているTONO「猫で語る怪異」1巻を読みました。TONOさんの漫画を読むのは初めて。「チキタ★GUGU」の作者さんですね。

TONOさんは「アデライトの花」という漫画が気になっていてチェックしていたのですが、関連本に表示されたこの「猫で語る怪異」が目にとまり、なぜだかこちらから読んでしまいました。

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「猫で語る怪異」概要

漫画「猫で語る怪異」は実話恐怖体験エッセイコミックですが、特異なのは恐怖話の登場人物が基本「猫」であること(一部例外あり)。

本書第一話によると、作者のTONOさんが実話怪談を描くにあたり、少しでも怖い人がよめるようにと「人間」を「猫」に置き換えてみたそうです。

作中のTONOさん自身は人間の姿ですが、怪談話に出てくるキャラクターは全て猫の姿。「猫『が』語る怪異」でも「猫にまつわる怖い話」でもありませんのでそこは注意が必要です。

また巻末「あとがき」によると作中の怪談話は、怖い話大好きなTONOさんが長い長い間小耳にした話を適当にアレンジして仕上げたもの、とのこと。なので体裁としては「話をふくらませた限りなく実話に近いフィクション」といったところでしょうか。

パラパラめくって絵柄をみたところ、あらまあ、かわいらしいネコちゃん達が沢山出てくるじゃありませんか。これは気楽に読めそうですね。

感想

こわいよ。

いや、確かに読みやすいですよ。ネコちゃんかわいいですよ。

だけど話自体が怖すぎる!そりゃ怖いの期待して読んでるんで怖くないと困るんですが。

基本はオーソドックスな実体験風怪談話。深夜の廃墟で…、夜のドライブで…、枕元に…、みたいなのを想像してもらえればわかりやすいかと。

そんな各話とも「ひとひねり」が効いててピリリと怖い。

第一話。幽霊が出るというA君の部屋に集ったバイト仲間のB・C・Dさん。カーテンに見知らぬ人が立つ、と聞いた初対面のDさんは、いきなりカーテンを切り出す。その後Dさんは…。

第三話。A子さんはB君(息子)が崖下の大破した車から見つかって意識不明と知らされる。その時同乗していたCさんは亡くなったが、それは今朝A子さんの庭を眺めていた女性だった。そしてB君とCさんの意外な関係が…。

…という感じ。人間も怪談も怖いよ。猫だけど。

劇中で怖い目にあって文字通り毛を逆立ててるのは猫なんで(今うまいこと言った)、ほんとに朗らか、サクサク読めます。絵でビックリすることは少ないです。

でもそれだけに話の本質というか、「本当の怖さ」みたいなものが際立って、サラッと読んだあとに「いの話、何気に怖かったんじゃないか」と振り返りビビり。いらんことせんでいいのに脳内で人間に置き換えたりして余計怖い(笑)。

いや、これは怖い漫画が好きな人にもそうでない人にも、是非読んでいただきた一冊。漫画という媒体でありながらショッキングな描写に頼らない恐怖漫画。じわじわ来ますね。実に新鮮で独特な読後感を与えてくれる一冊です。おすすめ。2巻も出たら読もう。

漫画データ
タイトル:猫で語る怪異(1) (HONKOWAコミックス)著者:TONO出版社:朝日新聞出版発行日:2017-02-07