「猫又まんま」1巻―やもめ男の食卓を支えるのは妻の幽霊と妖怪猫又

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妻に先立たれ不健康な食生活を送る男。その姿を見るに見かねて立ち上がったのは、妻の幽霊と妖怪猫又だった!果たして幽霊と妖怪は、やもめの食卓に奇跡を起こすのか。

ちょっと風変わりなグルメ漫画、保松侘助さんの「猫又まんま」1巻を読みました。連載は講談社モーニング・ツーです。

猫又まんま / 保松侘助
縁田佐分太(えにしだ・さぶんた)、古道具屋を営む三十五歳。最愛の妻・環(たまき)を失い、ひとりじゃなんにもできない男。 見かねた環が「化け猫」五目(ごもく)と愛情レシピで佐分太を救う。 僕にもできる、君にもできる。簡単&おいしい「わびメシ」漫画!

講談社サイトより試し読みができます。

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「猫又まんま」1巻レビュー

あらすじ

愛妻・環(たまき)を亡くした小道具店主・佐分太(さぶんた)35歳。悲しみを乗り越え店を再開するも、不摂生な生活。包丁が怖く、自炊もできない。

その佐分太の元に足繁く通うのは、外猫の五目。ある日、五目が環が愛用していた香炉に息を吹きかけると、現れたのは環の幽霊。佐分太の無精を嘆く彼女は、妖怪猫又に变化した五目と協力し、簡単レシピを書き記す。

五目が環のレシピを見つけてきてくれた、と勘違いする佐分太。在りし日の妻を思い出しひとしきり泣いたあと、レシピを元に自炊をはじめる。やもめ男と妻の幽霊、化け猫が手を取り合った「わび飯」のはじまり―。

猫又まんま(1) (モーニングコミックス)保松侘助:講談社

猫クッキング

そんな感じで始まる「わび飯」の世界。要は料理が苦手な独身男でも簡単に(?)作れる、料理レシピのこと。「猫又まんま」1巻には全8話が収録されていますが、各話に必ず1回、佐分太の調理・食事シーンが描かれます。

料理のことはとんとわからない佐分太が環のレシピ、そして五目のジェスチャー(※五目が妖怪で喋れることを佐分太は知らない)に従って料理をする、この過程がおもしろい。

包丁を使う時に反対の手を切らないようにする「猫の手」を、自らの手をわさわさして教えたり。腕をぐるぐる回してかき混ぜるように指示したり。「猫に料理を教わる中年男性」の姿におかしみがあります。

簡単レシピの「わび飯」

そして出来上がったわび飯。これが簡単レシピながら、なかなか本格的。1話で作られる「釜玉うどん」は、基本的にはネギを切ってうどんをゆがくだけのお手軽調理。

その中で「うどん鉢にあらかじめ顆粒だしを小さじ1入れておく」のような、料理をおいしくする愛妻のワンポイントアドバイスと、食欲の無い時に食べやすい料理という愛情が練り込まれています。

その他の料理で個人的に惹かれたのは

  • 台湾風キャベツ炒め+サバみそ缶のモツ煮風
  • トマトパスタ
  • 豆腐丼(すきやき風味)

など。いずれも手軽な材料で、漫画を見ながら作れそうなご飯です。おいしそう!

描かれる夫婦の愛

やもめ男の料理の世話を焼くのが、亡き妻の幽霊と化け猫妖怪の猫又である、という設定がユニークな「猫又まんま」。佐分太がおっかなびっくり料理に取り組んでいく姿から浮かび上がるのは、夫婦の愛。

夫の窮状、そして「還暦まで持たないだろう」という五目の見立てから彼の身を案じ、文字通り「猫の手」を借りて佐分太においしいご飯を食べさせようとする環。

悲嘆にくれながらもレシピを見て妻を偲び、温かい食事を摂ることで活力を徐々に取り戻し、また彼女の存在を身近に感じていく佐分太。

幽霊であるためにコミュニケーションを取ることは叶いませんが、料理を通じて互いの思いを深めていく姿。このしっとりとしたドラマ感がほっこり、かつ絶妙なせつなさ。思わずホロリと来ます。

ちょっぴりホラー風味も?

普段はちょっとぽっちゃり、ブサカワイイ老猫である五目。しかしタイトル「猫又まんま」にあるように、その正体は妖怪猫又。額と胸に大きな目、異様に長く伸びた舌、そして2つに分かれた尾っぽを持つ真の姿は、恐ろしいもの。

が、これがなかなかいいヤツで(笑)。ちょっとした霊力もあるようですが悪用はせず、あくまでも夫婦のために行動する、良い妖怪。

一方、幽霊である環。着物に身を包んだ、正当なジャパニーズ・スタイルのキュートな幽霊。これまた佐分太が心配で心配でしょうがない彼女ですが、時に彼への思いが高まるあまり、「昏い」方面に引っ張られそうになって怖い姿に。

グルメだけではなく、ちょっとホラー風味も感じさせる物語。さて二人と一匹が、今後どのような関係性を築いていくのか、というのが気になるところです。

まとめ

以上、保松侘助さんの漫画「猫又まんま」1巻のレビューでした。奇抜な設定のグルメ漫画かと思いきや、読み終わってみると、しっとり心に残る人情ドラマといった印象。2巻でもレシピはもちろん、愛情豊かなドラマを期待。

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