嬉野君さん・夏目イサクさんによるアクション・ミステリー「熱帯デラシネ宝飾店」。2巻のレビューです。
今回は宝飾店メンバーの一人・翡翠(ひすい)にスポットが当たる内容。オカルト風味も絡んできて…?
「熱帯デラシネ宝飾店」2巻レビュー
「熱帯デラシネ宝飾店」1巻では、主人公・真咲(マリア)が宝飾店メンバーとして迎え入れられるまで、を描く内容。
2巻冒頭では、日本に遺恨を残してきた真咲絡みのあれこれが少し、描かれます。その後は宝飾店の狙撃手・翡翠がストーリーのメインに。
燭銀街(しろがねがい)を取り仕切るドン・ロッシに招かれ、依頼を受ける琥珀たち宝飾店。その依頼内容は、「組織(ファミリー)の護衛」。
呪術集団「紅頭仔(アンタウアァ)」に目をつけられたドン・ロッシ。1ヶ月で部下を三人亡くし、そのいずれもが紅頭仔から「お前は七日後に死ぬ」と言われた直後の死。
どう考えても「呪い」としか思えない出来事。紅頭仔の呪術は一度も破れたことがないと言われ、そしてその呪いはついにドン・ロッシ自身にかけられる。
彼の命を守るため、7日後までその身を護衛する宝飾店だが―?というのが主なストーリー。
いきなりオカルトな展開に、しかし何があってもおかしくないのが燭銀街。琥珀の命令で、新人である真咲としぶしぶコンビを組むことになった翡翠。
紅頭仔と接触した真咲と翡翠には異変が起こり、そして翡翠のある「秘密」をめぐり、紅頭仔のリーダーとドン・ロッシの間で静かな駆け引きが起こる。
後半には読者も知っている人物が予想外にあらわれ、オカルト風味に加えて怪しいサスペンス感も倍増。
ちょっとネタバレになってしまいますが、2巻であきらかになったことは少なく、謎が謎を呼ぶばかり。翡翠編も次巻に続きます。
その中で紅頭仔のリーダー(?)が妖しげな雰囲気を醸し出していて、1巻とはまた異なる、ミステリアスなアジアンを演出。続きが気になる!という終わり方。
果たして翡翠の秘密とは、紅頭仔の狙いとは、ドン・ロッシの命は、そして琥珀は仲間を救えるのか―。いろいろな謎や期待が高まる物語展開で、ドキドキしながらページをめくりました。
そして真咲。なんだかアホキャラっぽくなってない?(笑)主人公として、3巻での巻き返しに期待したいところです。以上、「熱帯デラシネ宝飾店」2巻のレビューでした。
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