漫画家・安堂維子里(あんどう・いこり)さんが発表された漫画の中で、管理人が読んだオススメ漫画です。
安堂維子里さんの漫画はSF作品が多い印象。また多くの作品の中で「水」に関する内容を描いています。
みずみずしい、さわやかなイメージがあるのですが、近年では「バタフライ・ストレージ」のような、ハードなSFアクション漫画も手がけれられています。
【追記】
安堂維子里さんは、noteおよびboothにて、単行本未収録の短編を公開されています。


無料で読める作品と、有料の作品があります。短編という読みやすい形式なので、ぜひその世界に触れてみてください。
世界の合言葉は水 安堂維子里作品集
「水」がキーワードの短編9編を収録した、安堂維子里さんの初コミックス「世界の合言葉は水」。
宇宙飛行士を目指す少年少女。その訓練の結末を描いた「私たちはまだ途中」で衝撃を受けたかと思えば、不思議な気象現象「エンガイ」に魅入られた男女をファンタジックに描く、「塩害の季節」で気分がフワッとなる。
短編ということでサラリと読めるのですが、どの話も読後にジワジワくるものが。
各話とも短いページ数ながら、それぞれに、それぞれの世界観を作り上げている、そんな巧みさを感じます。
安堂維子里さんの漫画をまだ読んだことが無い、という方にまずオススメしたい作品。
『ブルーロック』『東京卍リベンジャーズ』が5/31まで【80%OFF】
バタフライ・ストレージ
人が死ぬと、その魂は「蝶」となる世界。妹の蝶を奪ったテロリストを探し、蝶を管理する「死局」の特殊部隊の一員となった主人公を描く「バタフライ・ストレージ」。
以前のファンタジックな雰囲気を持つ作品群とは、一線を画す本作。独特のSF世界観や、ハードなアクションが魅力的。
また影のある主人公・百士はじめ、特殊捕蝶班を構成する面々のキャラクター性がユニーク。
安堂維子里さんの代表作となるであろう漫画ですが、掲載誌COMICリュウのWEB移行に伴い、全4巻にて第一部完結という形に。
第二部を予感させる終わりとなっているので、続編に期待。
→少年画報社・アワーズ誌にて、バタフライ・ストレージの世界観を受け継ぐ『死局特殊蝶犯罪対策室「特蝶」』が、2018年9月より連載開始!です。
Silent Blue
隕石が落下してできた湖に、素潜りで潜る一人の女性。彼女が探すのは湖の底に眠る「街」と「記憶」。
同じく湖の秘密を探す男性と協力し、彼女がダイブの果てに見たものは―。
全1巻完結のストーリー漫画「Silent Blue」。
主人公・あおこの魅力的な造詣もさる事ながら、彼女が潜水する様子や湖の底の描写がファンタジックで、ハッとする美しさがあります。安堂維子里さんらしい、瑞々しさが満開の作品。
雪女幻想 みちゆき篇
添い遂げられる男を探して街から街へ、人から人へと渡り歩く。
魔性にして悲劇的な雪女と、彼女を追う男を描く物語「雪女幻想 みちゆき篇」。
儚く、幻想的な物語でいて、狂気的・ホラー感も漂わせる、安堂維子里さんの漫画としては異色の作品。
全編しっとりとした雰囲気ながら、読んでいると凍えてくるような現代の雪女物語。ゾクリとするような愛と怖さを感じさせてくれます。
→電子版限定で、主人公・雪の姉視点から物語を描く「雪女幻想 うたかた篇」が刊行されています。
妖精消失
薬品研究所でクローンを研究する青年は、ある日小さな妖精が視えるように。彼女の指示に従って作り上げたものは、等身大の女性にして妖精だった。
やがて現実世界に浸透していく、妖精の存在。人間世界と妖精世界、二つが重なる時―。
人間界に具現化した妖精の、悲劇的な結末を描いた第一話を皮切りに、妖精と人間の邂逅を描くファンタジックなSF作品「妖精消失」。
読み始めに想像していたよりも、スケールの大きい世界観に驚きつつも、爽やかな読後感を与えてくれます。全1巻完結。
水の箱庭
父との確執から行方をくらませた兄を探して、兄の得意だったアクアリウムの世界に飛び込んだ朝霞水紀。
アクアリストとして水槽に「魚の宇宙」を表現しながら、兄の後ろ姿を追う、というストーリーの「水の箱庭」、全2巻完結作品。
明るく、まっすぐな水紀のキャラクターが魅力的。
水の生き物との共生を願うクライアントに応えるお仕事漫画でもあり、アクアリウムの世界を華やかに表現する漫画でもあり、また家族の絆を描く面も持つ、ユニークな作品。
アクアリウムなんてよくわからない…なんて方にこそ読んで欲しい漫画。新しい趣味に目覚めてしまうかもしれません。
コメント