「千年狐」1巻―千年を生きる妖狐を描く中華ファンタジー(コメディ要素大)

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「人間と知恵比べとかしようかな」

千年を生きる妖狐は気まぐれから、博識な役人にちょっかいを出すが―。

物の怪たちの生き様をコメディチックに描く、張六郎さんの中華ファンタジー「千年狐一~干宝「捜神記」より~」1巻を読みました。

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概要

舞台は中国・晋の時代。見た目は子狐だが、実は千年を生きる妖狐・廣天(こうてん)。いたずら心を起こし、人に化けて中書令(役人)の青年・張華にその知識を見せつける。

張六郎「千年狐一~干宝「捜神記」より~」1巻
[張六郎 著 KADOKAWA/メディアファクトリー「千年狐一~干宝「捜神記」より~」1巻より引用]

廣天のあまりの博学ぶりに狼狽を隠せない張華。しかしその友人である知事・孔章は、廣天が狐であることを見破るが―?

という出だしの「千年狐」。以降、廣天とその仲間である物の怪たちを中心に、中華ファンタジーの世界が展開されます。

なお本作は実在の書物「千宝・捜神記」を原作とし、漫画家にあたり時代設定や人物に脚色を加えたものです。

千年狐 一 ~干宝「捜神記」より~ (MFコミックス フラッパーシリーズ)張 六郎:KADOKAWA / メディアファクトリー

美麗なビジュアル

「千年狐」でまず目を引くのが、全編にわたる美麗なビジュアル。

人間に化ける主人公の狐・廣天、その美貌・知識の深さに驚く張華はじめ、主要なキャラクターの多くは美男・美女。ハッとする美しさがあります。

張六郎「千年狐一~干宝「捜神記」より~」1巻
[張六郎 著 KADOKAWA/メディアファクトリー「千年狐一~干宝「捜神記」より~」1巻より引用]

また丁寧に描かれた古代中国の世界も一見の価値あり。自然や建造物などチャイナの雰囲気あふれる風景は懐かしくも、どこかホッとするアジアンテイスト。

しかしただ美しいだけでないのが、「千年狐」の侮れないところ。迫力ある無骨なおっさん(宋大賢)も描かれ、作者・張六郎さんの画力の深さを目の当たりにします。新鋭作家とのことですが、ウマイなぁ。

張六郎「千年狐一~干宝「捜神記」より~」1巻
[張六郎 著 KADOKAWA/メディアファクトリー「千年狐一~干宝「捜神記」より~」1巻より引用]

ちなみに宋大賢は、このあと妖怪のモフモフでモフりまくります。

絶妙なギャグセンス

美麗なビジュアルで描かれる耽美な物語…かと思いきや、実はコメディな「千年狐」。ギャグセンスがこれまた絶妙で、ページをめくる度についつい笑ってしまいます。

どいつもこいつもすっとぼけ(笑)。予想外のボケと、それを見逃さない鋭いツッコミ。物語の勢いを削がず、むしろトントンと加速させるテンポで、笑いが止まらない。

かわいい妖怪だけでなく、美形たちも真顔でボケるから始末が悪い。忘れた頃にはさまれる、ライトな下ネタもおもしろい。

意外なクライマックス

時に廣天を、時にその周辺の妖怪や人間を主体として描かれる「千年狐」。まったり、ゆったりと、笑いに包まれたストーリーがつづられていきます。

しかし終盤、時の権力者によりくだされた「天道に背く精怪や物の怪 凡て殺せ」という勅令が。囚われの身となった廣天、果たしてその命運は?という展開に。

張六郎「千年狐一~干宝「捜神記」より~」1巻
[張六郎 著 KADOKAWA/メディアファクトリー「千年狐一~干宝「捜神記」より~」1巻より引用]

廣天の生い立ちも絡めて、盛り上がる1巻ラスト。笑いだけではな、魅せるクライマックスです。

まとめ

以上、張六郎さんの「千年狐一~干宝「捜神記」より~」1巻のレビューでした。

ビジュアル・ストーリー、そして笑いと、三拍子揃った中華ファンタジー。予想外の読み応えを与えてくれる、おもしろい漫画でした。

1巻末で一区切りついていますが、連載はまだ続いているよう。2巻の刊行を楽しみに待ちたいと思います。

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