「理科室の変人たち」は何となくわかるが(偏見)、「少女ゴーレム」って何だ?
榎本ナリコさんの漫画「少女ゴーレムと理科室の変人たち」を読みました。
一風変わったタイトルの本作。単行本はNemuki+コミックスから発売されています。
1~2話が朝日新聞出版のソノラマ+(plus)で試し読みができます。
「少女ゴーレムと理科室の変人たち」レビュー
あらすじ
意識的にリア充をしている女子高生・羽田野沙美(はたの・さみ)。
彼女のクラスに美少女・岩下レイムが転入してくる。
不思議な雰囲気を持つレイムは一気に注目の的に。
自分のポジションに危機感を抱いた沙美は彼女に近づくが、クラスのコミュ障男子・石田と神谷に邪魔をされる。
何やら彼らはレイムと関わりがあるような素振り。
放課後、旧校舎裏の生物部に行く石田・神谷・レイムの三人。
あとを付けた沙美は、彼らの会話からレイムの秘密を知る―。
少女・レイムの正体
以下は1話の内容に触れるので、先に試し読みをオススメします。
では漫画「少女ゴーレムと理科室の変人たち」について。
実はレイムは、神谷が持つ「創造の書」、そして石マニアである石田の石コレクションを礎(いしずえ)に作られた、伝説の人造人間「ゴーレム」だったのだ!
…まあ名前でおわかりかと思いますが(笑)。
で、自分たちがレイムを造ったことがバレると石田と神谷は命を失い、またレイムは石に戻ってしまう、という制約が。
そして沙美にそれを知られた二人は、命を失う前に無理やり彼女を仲間に引きずり込む(=生物部員にする)。
というのが第一話の主な内容。
第2話以降はレイムに惹かれたから?様々な人外が沙美たちの元にきてトラブルを起こす、というオカルト・コメディが描かれます。
オカルト・コメディにリアルを添えて
榎本ナリコさんの漫画に初めて触れたのは「センチメントの季節」。
当初はその印象が強かったのですが、その後SF漫画「時間の歩き方」を読んで「あ、こんな元気な主人公が活躍する漫画も描かれるのか」と驚いたことを覚えています。
この「少女ゴーレムと理科室の変人たち」も「時間の歩き方」と同じように、元気な主人公たちがオカルトにまつわるドタバタ(死語)を繰り広げます。
そしてオカルト・コメディというだけでなく、そこに石(鉱物)の知識が物語にスパイスを効かせているのが新鮮。
ファンタジーとリアルが絶妙に絡み合っているのが面白い。
主人公の沙美は最初はどちらかというと(ちょっとだけ)イヤなヤツなんですけど、「理科室の変人たち」と付き合っていくうちに少しずつ変わっていく。
そんな青春模様も描かれて読後感もさわやかです。
もっと続きが読みたくなる一作
しかし正直に書くと、ちょっと物足らないところもあるんですよね。
沙美・石田・神谷たち高校生の心情や成長、そしてレイムの行く末。
いい感じに盛り上がってきて、もっともっと彼らの活躍を読みたい!というところで終わってしまいました。
本作はナンバリングされていないので、とりあえずは本巻で完結ということなのでしょうか。
でもあとがきを読むと、続編に含みのあるような感じ!
そうなんです。1冊を読み終えて、もっと続きを、沙美・レイム・石田・神谷たちの活躍を読みたくなる作品なんです。
まとめ
魅力あるキャラクターとオカルティックなストーリーで楽しませてくれた漫画「少女ゴーレムと理科室の変人たち」。
ぜひ続刊を期待したい作品。続きを楽しみに待っています。
【追記】
わたしがいま連載中のマンガ、3本中2本エロで、のこり1本は健全コメディで、鉱物オタクとオカルトオタクと普通の美少女とゴーレムの美少女の日常オカルチック事件簿みたいなやつ(なにそれ)なので大変に宣伝しづらい文脈になってしまった。
ネムキで「少女ゴーレムと理科室の変人たち」連載中!— 榎本ナリコ (@enobito) 2017年9月3日
作者・榎本ナリコさんのツイート。9月3日時点で「連載中!」とあるので次巻を期待していいのかな?楽しみ。
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