「悪魔を憐れむ歌」1巻―悲鳴と共に轟くは悪魔の嗤い

「悪魔を憐れむ歌(あくまをあわれむうた)」と聞いて、何を思い浮かべますか?

デンゼル・ワシントン主演の映画、ガンズ・アンド・ローゼスの楽曲、さらに遡ってローリング・ストーンズのオリジナル。

いろいろありますね。私はまず頭に浮かぶのはガンズかなぁ…。

そして今回ご紹介するのはそのタイトルを冠したサスペンス漫画、梶本レイカさん描く「悪魔を憐れむ歌」です。

銀髪にやや尖った耳、真紅の唇を開き不気味な笑顔を湛える男。赤い眼がみつめる先には…。

なお本作には物語の性質上、一般向けではない表現が多々ありますので予めご注意ください。

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あらすじ

舞台は北海道。八年前に起きた猟奇的な連続殺人事件。

人間の関節を逆方向に捻じ曲げ、箱のように折るその手口から、通称「箱折(はこおり)事件」と呼ばれる。

未解決であるその事件を、とある因縁から追う刑事・阿久津。

なじみの鑑識課員から事件のヒントになるかもと、アメリカ帰りの優秀な耳鼻咽喉科医・四鐘(しがね)を紹介される。

クロアチア人の祖母を持つという四鐘と親交を深める阿久津。

しかし四鐘こそが、連続殺人事件の実行者「箱折犯」だった。

悪魔的・超人的な実行力を駆使し、密かに犯行を重ねていく四鐘。

事件にまつわる不祥事を隠蔽しようと北海道警上層部も動く中、阿久津は真実へ辿り着くことができるか―。

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「悪魔を憐れむ歌」感想

衝撃的な「箱折」

冒頭でも書きましたが、決して万人にオススメする作品ではありません。

「箱折」された人間の描写がショッキング。

…が、これは引き込まれる漫画。おもしろい!です。

私も「痛い描写」は苦手なんですが、それを乗り越えても読もうという気になる魅力がありますね。

血を吸う「悪魔」

目が離せないのは何と言っても事件の中心人物・四鐘。

クロアチア人の血を引く、というところからピン、とくる方もいるでしょう。

そう、「ドラキュラ伯爵」ですね。その容貌から血を吸う悪魔を想像せずにはいられません(※ドラキュラを描いた漫画ではないです。念のため)。

ニコニコしながら阿久津と接する昼の表情が、夜になると一変。

ムキムキの肉体で悪魔的な犯罪を実行する四鐘の姿。

背徳的な「悪の美しさ」を見せてくれます。

箱折犯を追う刑事

一方、「箱折犯」を追う刑事・阿久津。

彼は8年前のとある出来事により、警察内でも出世コースを外れた鼻つまみ者。

事件解決のために執念を見せますが、道警上層部の不穏な動きによりそれもままならない、という状況。

スマートな四鐘とは対象的に「男臭さ」が漂う主人公で、その対比が否が応でも両者を際立たせます。

ちなみに私は未読ですが、作者の榎本レイカさんは過去作「コオリオニ」でも警察の不祥事を取り扱ったサスペンスを描かれています。

戦慄のクライム・サスペンス

「ただの医師」から、次第に本性をあらわしていく四鐘。

彼の目的は何なのか。そして阿久津は真実にたどり着けるのか。

夜の悪魔を彷彿とさせる医師と、犯人を追うはみ出し刑事の、息詰まる接近。

1巻後半では物語のカギとなりそうなキャラクターも登場し、これは続きが気になる!

怖いけれどおっかなビックリ見ざるを得ない、まさに悪魔的な魅力を持つクライム・サスペンス漫画です。

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まとめ

以上、漫画「悪魔を憐れむ歌」1巻のレビュー。

独特の迫力を持つその内容、次巻にも注目です。

ところで本筋とは関係ないのですが、四鐘は顔から首筋にかけて数十個の細かいホクロがあります。

なんと彼が登場する毎シーン、この細かいホクロがつぶさに描かれています。

こういう繊細さが作者・榎本レイカさんのスゴさであり、かつ狂気のような気がするのですが、さてどうでしょうか。

漫画データ
タイトル:悪魔を憐れむ歌 1巻 (バンチコミックス)著者:梶本レイカ出版社:新潮社発行日:2017-05-09