ハードでケミカルなブラッディSFアクション―漫画「ソフトメタルヴァンパイア」1・2巻

「EDEN」「オールラウンダー廻」の遠藤浩輝さん描くSFアクション漫画「ソフトメタルヴァンパイア」。タイトルからして好きなヤツ(笑)なんですが、この度2巻が発売されたので1・2巻まとめての感想など。

2巻の表紙。1巻がヒーロー漫画っぽく狙ってる感満載だったのに対し、一気にシリアスな空気。目線がイイ。

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あらすじ

突如その理を変え、吸血鬼が支配者となった世界。幼少時に銀を操る能力を有していた高校生・齋美井香(いつき・みいか)は、登校後に教室で治安ポッドに襲われる。

クラスメイトが惨殺される中、彼女を救ったのは吸血鬼・アラン。彼はミイカを守るためにG.D.F.から派遣された「炭素族使い」だった。ミイカを抹殺せんとする「宗主(シザレイン)」配下の吸血鬼と対峙するアランたち。ミイカは生き延びることができるのか?

「ソフトメタルヴァンパイア」感想

第一話はアフタヌーン公式サイトで試し読みができます。

「人類の時代」は終わり、世界の支配者は交代した。 「彼ら」の統制下で少女・斎美井香(いつきみいか)は 吸血族(ヴァンピール)の少年・アラン砂辺(すなべ)と出会う。 『オールラウンダー廻』『EDEN』の遠藤浩輝がおくる「ネオ・セカイ系ダーク・ファンタジー」開幕!

ヒーロー的なキャラクター、残虐な描写、ヴァンパイアと化学を融合させたSF展開、そしてお笑い要素など、遠藤浩輝さんがおそらく描きたいことがこれでもかっ!と詰まっている感じ。おもしろいです。

「吸血鬼」の在り方が魅力ですね。不死、壁を走れるといった伝統的なヴァンパイア像と、炭素・窒素・鉄といった元素を自由に操る力が融合した「ソフトメタルヴァンパイア」世界の吸血鬼の姿。

「化学力バトル」とでも言うべきその戦いがユニーク。防水加工されたアスファルトから瞬時に武器を作りだしたり、空気中の窒素から爆発物を合成したり、またはそれぞれの長所を防ぐ戦い方をしたり。

私は文系なので化学的な知識はほぼ無いんですが、ちゃんと劇中で解説してくれるので安心(笑)。それでいてテンポが崩れないのはさすがのベテラン作家さんの手腕。グッとバトルに引き込まれます。

1話を読んでいただけるとわかるのですが、序盤は割りとコミカルな描写も。しかし1巻後半~2巻にかけては追うもの・追われるものの立場がはっきりし、息をもつかせないシリアスな戦いの連続。

「ヴァンパイア」は基本、不死であり、不死者同士の戦いはどれだけ血を流そうとも時には緊張感が無くなる懸念も。しかしそうはさせないのがヒロイン・ミイカの銀に関わる能力。ヴァンパイアにとって天敵とも言えるそれが物語を引き締め、そして読者を混迷に引きずり込みます。

強大な力を持つがその腹の底は不透明なアラン。今は守られる存在だが成長によっては世界のバランスを変えてしまうかもしれないミイカ。緊迫感あふれるSFストーリーから目が離せません。次巻が楽しみな漫画です。

漫画データ
タイトル:ソフトメタルヴァンパイア(1) (アフタヌーンコミックス)著者:遠藤浩輝出版社:講談社発行日:2016-11-30