「君はゴースト」1巻―消えたアイドルと「芸能界の闇」

「消えた芸能人」なんて話は良く聞きます。

が、実はテレビに出なくなったとか、活動の場を映したとかそんな理由であって、要は「視界に入らなくなった」だけ、なんてのも良くある話。

しかし本当に「芸能界の闇」によってその姿を隠してしまった芸能人も多数いる、のかもしれません。

染谷みのるさんの漫画「君はゴースト」では、そんな「消えたアイドル」と、彼女に手記のゴーストライティングを依頼された売れない小説家、二人の「再生譚」が描かれます。

ちなみに心霊漫画ではありません。

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あらすじ

出版社の新人賞を受賞したが、その後は目立った活躍の無い小説家・佐倉洋介。今はゴーストライターとして生計を立てる毎日。

そんな彼の下に、かつて一世を風靡しながら芸能界から姿を消したアイドル・真咲遥から手記代筆の依頼が入る。

以前に彼女をモデルにミステリー小説を書いた洋介。真咲遥本人からの指名、かつ破格の報酬提示に驚く。

本人との打ち合わせに臨み、アイドル・真咲遥の輝きに圧倒される洋介。

時おり、遥が浮かべる意味深な表情が気になりつつも、徐々に彼女と打ち解けていく。

しかし手記作成の面談を進めるうちに彼女の口から語られたのは、芸能界の深い闇だった―。

「君はゴースト」1巻レビュー

流麗な絵が素晴らしい

私、染谷みのるさんのシュッとしたキレッキレな絵柄が大変好みでして。

芳文社「サンタクロースの候補生」からその作風を楽しんでおりましたが、祥伝社フィールヤング誌で「君はゴースト」を連載されていることを知り、単行本の発売を心待ちにしておりました。

そしてようやく手にした第一巻。染谷みのるワールドを堪能!しました。まずその高い作画に引き込まれます。安心のクオリティ。

売れない小説家と芸能人の対比

主人公となる二人、洋介と遥のくっきりはっきりとした明暗がおもしろい。

小説家としてデビューしながらも、現在はゴーストライターという立場に甘んじている洋介は、地味で暗めな存在。

決して小説家としての道を諦めたわけではありませんが、やはり裏方的な仕事がその容姿にも反映されている。

一方、一度は表舞台から姿を消すも、やはり芸能人である遥。

内からにじみ出る輝きを燦然と放ち、天真爛漫とも言うべき立ち振舞で洋介を圧倒します。

いますよね、顔かたちだけでなく、オーラが隠せずに溢れ出てくる人。

そんな遥の存在感は、読者にとっても圧倒的。特に遥の初登場シーンはハッと目を奪われる美しさ

まぶしさがあふれていて、彼でなくともドキドキしてしまいます(笑)。これは好きになるわ…!

遥の背後にある「影」

デートのような打ち合わせを経て、少しずつ距離を縮めていく二人

決して恋愛的なそれではないのですが、遥の「あざとさ」が際立ちますw。

その反動か、後半の遥の「独白」、語られる闇がより際立つことに。

なぜ彼女は芸能界から「消えた」のか?

洋介に期待される役割とは?

遥が洋介を指名したのには理由があるのか?

遥が芸能界から一時身を引いたのはある「トラブル」が原因なのですが、彼女がデビューし、輝き、そして転落していくまでの軌跡が生々しい。

そして「遥の願い」に洋介が気づいた時、物語は新たな顔を見せ始めます。

まとめ

というわけで漫画「君はゴースト」第1巻。

元アイドルとゴーストライター。二人の距離感に心地良く心をくすぐられ、そして後半のダークゾーンで一気に物語に惹き込まれます。

ドロドロとした復讐劇になるのか、それとも恋愛モノになるのか、というのはまだまだ見えませんが、どちらに転んでも続きが気になるところ。

そして注目はタイトル「君はゴースト」

もちろん遥の影・ゴーストライターとなって手記を書き上げる洋介を指すものですが、本作の英語タイトルは「The Ghost of You & Me.」

「You」ではなく「You & Me」。

YouとMeである理由の一端は本書後半でも明かされていますが、それ以外の含みがあるのかも…?

漫画データ
君はゴースト(1) (FEEL COMICS swing)著者:染谷みのる出版社:祥伝社発行日:2017-10-07

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