「妖傀愚連隊」1巻―妖怪の特殊部隊が躍動する異色のミリタリーアクション漫画

妖怪が移民として暮らす日本。増加する妖怪による犯罪に対抗するのは、同じく妖怪による自衛隊の特殊部隊「立川作業班」。

昔ながらの妖怪描写とミリタリーアクションを融合させた、スズキ唯知さんの「妖傀愚連隊(ようかいぐれんたい)」1巻を読みました。

スポンサーリンク

「妖傀愚連隊」1巻レビュー

あらすじ

富士山近辺に突如現れた、謎の城と妖怪の群れが人々を襲った「中央道騒乱」。人間は富士の管理区内に妖怪を封じ込めることに成功。以降、管理区を出る妖怪は妖力の源「要石」の供出が義務化。無害となった妖怪と人間が共存する世界となる。

しかし妖力回復を狙う妖怪やそれを支援する人間も多く、それら社会的脅威を排除するために防衛省情報本部2係は特殊部隊「立川作業班」を設立。不死の妖怪を倒す祓魔弾を用い魍魎を殲滅する彼らもまた、妖怪だった。

そのリーダーは、騒乱で母を失った半妖の女子高生・真琴。妖怪を憎む彼女は妖怪たちと戦いながら、謎の存在「えふ」の正体を追うが―。

妖傀愚連隊1 (電撃コミックスNEXT)スズキ 唯知:KADOKAWA / アスキー・メディアワークス

妖怪+ミリタリーアクション

「妖傀愚連隊」は、敵も味方も基本、妖怪。その中でも話の中心となる「立川作業班」は、鬼・烏天狗・化け狸など日本古来の妖怪からメリーさん(「私、メリーさん」の)までバラエティ豊かなメンツが揃います。

それら妖怪が装備するのは、最新鋭の武装。揃いの特殊武装服に銃器を携えたその姿。初見では違和感があるかもしれませんが、作者・スズキ唯知さんの緻密な描写によってあっという間にカッコよく見えてくるから不思議。妖怪たちの能力と近代武装が絡み合った迫力のアクションが展開されます。

半妖の女子高生・真琴

妖怪特殊部隊のリーダーを務めるのは、女子高生・真琴。実は彼女は、妖狐と人間のハーフ。通常は人の格好ですが、作戦行動時は銀髪・獣耳、そして顔にうっすらと隈取りが浮かぶ姿に。

ほとんど笑うことの無い彼女が、妖狐の姿になることで、よりクールな雰囲気に。この「影のある美形」主人公が魅力的。母親を妖怪に殺された過去を持ち、また妖怪たちの中でただ一人、人でも妖怪でも無い存在である彼女。

チームメイトとの微妙な関係の構築とともに、彼女が追い求める「えふ」、そして妖怪である父親の存在を絡め、どのような生き様を見せてくれるのかが、気になります。

バラエティ豊かな妖怪案件

各話のストーリーもバラエティに富んでおもしろい。第一話で組織的なミリタリーアクションを披露したかと思えば、後半では「妖怪」が登場することを活かした、都市伝説風のホラー話も。

夕暮れ時に下校中の児童を連れ去りに来る、妖怪「黒コートの男」の噂をメインに据えた第三話。ドンパチとはまた毛色の違う、ちょっとゾッとする話。シンプルに「ちょっと怖い」と思わせる、この雰囲気作りがウマイ。

「妖傀愚連隊」のオリジナルは同人誌なのですが、作者・スズキ唯知さんが連載にあたって「好きなものをごった煮してみよう」と思ったそう。そんな詰め込み感が、意外なおもしろさを生み出しています。そして第四話ではさらなるバリエーションが…。これは読んでのおたのしみ。

まとめ

以上、スズキ唯知さんの「妖傀愚連隊」1巻のレビューでした。妖怪とミリタリーアクションという、対極にあるような要素をうまくミックスし、意外性を演出している。そんな印象を受けた第一巻でした。

物語はいろいろな謎をはらんでいるようですが、これから徐々に解き明かされていくのが楽しみ。主人公・真琴の凛々しい姿も魅力的なので、ぜひチェックしてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました