だいたい1分でサクッと読める!漫画『本なら売るほど』レビュー。
脱サラ→開業して6年目の若き店主が営む、古本屋「十月堂」。本好きの客との会話を楽しむ一方、売れない本を毎日処分する現状に、一抹の不安と寂しさを感じている。
そんなある日、亡くなった老人の蔵書買い取り依頼が。限られた時間の中、大量の本を査定する店主は、その書架にあふれる本への愛、そして人生の重みに圧倒される―。
…という第一話『本を葬送(おく)る』を皮切りに、古書店を舞台にした様々なヒューマン・ドラマが、『本なら売るほど』各話で描かれていきます。
中心となるのは「十月堂」店主ですが、それ以外にも様々なキャラクターが登場。店主に恋する女子高生、部屋一面の本棚を作らんとする男性二人組など、「本好き」の物語がオムニバス的に展開。
そのいずれにも、名著にまつわるエピソードや古書事情が織り込まれているのが、『本なら売るほど』ならではの面白み。それらが落ち着いたストーリーとがっちり絡み合い、読み終わる頃には「ちょっと本探しに出かけるか…」という気分に。
また各エピソードを形作る、見やすく洗練された絵柄も魅力的。マンガ好きはもちろん本好きにもオススメ、大人も満足の「本のドラマ」です。
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