サブカル・バラエティ系のおもしろい短編漫画集まとめ

サブカル系や、幅広いジャンルを収録したバラエティ系の短編漫画集から、オススメの漫画まとめです。

なお、何をもってサブカル・バラエティ系漫画なのか、については多分に主観が入っていることをご理解ください。

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九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (HARTA COMIX)九井 諒子:KADOKAWA / エンターブレイン

九井諒子さんの「竜のかわいい七つの子」。ファンタジー・現代劇・昔話風・中華風・超能力ものコメディなど、バラエティ豊かな7編を収録した短編漫画集。

貧乏な老絵描きと、彼が書いた絵から実在化した侍。二人の不思議な冒険を描く「金なし白祿(びゃくろく)」。

父親のために竜を探す王子と、思惑を持ってそれを手伝う謎の女性。その一時の交流を描く「子がかわいいと竜は鳴く」。

どの漫画も、短いながら深みのある作品ばかり。しかも全話、タッチを変えて描かれているのがスゴイ。


[九井諒子 著 KADOKAWA / エンターブレイン「九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」より引用]

九井諒子さんの絵柄の多彩さ・物語づくりの巧みさを、存分に味わうことのできる短編集です。

動物たち

動物たち (楽園コミックス)panpanya:白泉社

panpanyaさんの「動物たち」。登場人物は、女の子の姿をした「私」、変な被り物をした男、もう一人の少女、そして動物。

これらのキャラクターが役割を変えて登場するスターシステムによって描かれる、摩訶不思議な短編たち。

panpanya「動物たち」
[panpanya 著 白泉社「動物たち」より引用]

まず目につくのは、水木しげるチックにも見える、異様に描きこまれた背景。ゆるいキャラクターとのギャップに混乱。しかし読んでいる内に、ねじれた空間にむりやり迷い込まされたような、そんな感覚を抱く不思議な作風。

といっても不条理ものというわけではなく、意外と筋の通った(?)理屈が存在しているのが侮れないpanpanya漫画。読み始めると独特な雰囲気の虜になります。

panpanyaさんの漫画はその他「枕魚」「二匹目の金魚」「蟹に誘われて」などが刊行されていますが、どの単行本もテイストが一貫、かつクオリティが均一なのがスゴイ。

シンプルノットローファー

シンプルノットローファー衿沢 世衣子:太田出版

衿沢世衣子さんの「シンプルノットローファー」。とある私立の女子校に通う女子高校生たちの日常を、オムニバス形式で描く短編漫画集。

衿沢世衣子「シンプルノットローファー」
[衿沢世衣子 著 太田出版「シンプルノットローファー」より引用]

特に大きな事件は起こらないし、感動的なストーリーもない。でもふとした瞬間にパラパラとめくって、その世界に浸りたくなる。そんな不思議な魅力を持つ漫画です。

何より、そのポップでライトなタッチがいい感じの「ゆるさ」を演出し、読む者の心を捉えて離さないのが、衿沢世衣子漫画の最大の特徴。

「ジャンル・衿沢世衣子」とでも言うべき独特のポジションと、ファンを築いている衿沢世衣子作品。初めてその作風にふれる、という方にまずオススメしたい漫画です。

地上の記憶

地上の記憶 (アクションコミックス)白山宣之:双葉社

2012年に病没された白山宣之さんの遺作短編集「地上の記憶」。現代劇・時代劇など、全5編の漫画と、縁のあった漫画家仲間の追悼文などを収録。

作者の白山宣之さん、とにかくめちゃくちゃ絵がうまい。女性たちのとある一日を、写実的に描いた「陽子のいる風景」「ちひろ」など、ショートフィルムを見ているかのようなリアル感。驚きの漫画体験です。

白山宣之「地上の記憶」
[白山宣之 著 双葉社「地上の記憶」より引用]

武将と豪快な女性奉公人の交流を描いた「大力伝」、ある村が合戦を見物する様子を描いた「Picnic」など、時代劇作品も必見の味わい深さ

とにかく飽きの来ないすばらしい描写力で、読めば読むほど味が滲み出てくる職人魂を感じる作品たち。漫画好きの人にぜひ、その脅威の描写力を堪能して欲しい短編集です。

にわにはににん

にわにはににん (ビームコミックス)中野 シズカ:KADOKAWA / エンターブレイン

中野シズカさんの「にわにはににん」。全話に「庭」を絡めた、プロローグ・エピローグ含む全7編を収録。

スクリーントーンを幾重にもかさねて漫画を描く、という独特な描画方法を用いる中野シズカさん。その端正な手腕から生み出されるコマの数々は、繰り返し読みたくなる、これぞマンガ!な魅力に満ち溢れています。

中野シズカ「にわにはににん」
[中野シズカ 著 KADOKAWA/エンターブレイン「にわにはににん」より引用]

ファンタジックで深みのあるストーリーもおもしろい。一度読むと、その世界に取り込まれてしまうような、不思議な力を持っている作品集。モノクロだけど、読むと不思議といろいろな「庭の色」が浮かび上がってくるような。

甘木唯子のツノと愛

甘木唯子のツノと愛 (ビームコミックス)久野 遥子:KADOKAWA / エンターブレイン

久野遥子さんの「甘木唯子のツノと愛」。家を出た母を憎む中学生・宏喜が、妹・唯子の額に生えているツノで復讐を目論む表題作ほか、全4編を収録。

久野遥子「甘木唯子のツノと愛」
[久野遥子 著 KADOKAWA/エンターブレイン「甘木唯子のツノと愛」より引用]

明確なオチをつける作風ではないので、そのストーリーにはやや難解な部分もあり。ですが特筆したいのは、その描写力。

作品ごとに異なる絵柄、独特の多彩な構図など、アニメーション作家でもある作者の漫画の描き方は、一見の価値有り。アーティスティックな魅力を感じる短編漫画集です。

ききみみ図鑑

ききみみ図鑑 (HARTA COMIX)宮田 紘次:KADOKAWA / エンターブレイン

宮田紘次さんの「ききみみ図鑑」。青春もの・SF・時代劇など、様々なシチュエーションを「音楽」を絡めて描く、全8編。

宮田紘次「ききみみ図鑑」
[宮田紘次 著 KADOKAWA/エンターブレイン「ききみみ図鑑」より引用]

音楽がイメージとなって見える男子と、軽音楽部の先輩女子の交流を描く「視える音」。楽器をエキゾチックな美女になぞらえて描く「奪われた歌」。

などなど、宮田紘次さんらしい、ファンタジックなイメージの世界が楽しい短編集。宮田さんのキャラクターはその笑顔が何より素敵。読みても思わず笑顔になってしまいます。

彼女は宇宙一

彼女は宇宙一 (ビームコミックス)谷口 菜津子:KADOKAWA / エンターブレイン

イラストレーターでもある谷口菜津子さんの、初ストーリー漫画集である「彼女は宇宙一」。SFコメディなど6つの短編を収録

巨大ヒーローになる女の子をコミカルに描く「カロリーファイターあいちゃん!」や、思春期の女の子たちの複雑な感情をお弁当事情に絡めて描く「ランチの憂鬱」など、独特のおもしろさを持つ作品群。

谷口菜津子「彼女は宇宙一」
[谷口菜津子 著 KADOKAWA / エンターブレイン「彼女は宇宙一」より引用]

谷口菜津子さんの描く線は、一見ごちゃごちゃしているように見えて、実はとても読みやすいという不思議な感覚。どの漫画にも似ていない独特のポップさと、ユニークでちょっと笑えるストーリー。短編の楽しさを感じることのできる作品集です。

バイナリ畑でつかまえて

バイナリ畑でつかまえて山田胡瓜:

山田胡瓜さんの「バイナリ畑でつかまえて」。「ITmedia」記者だった著者が、IT関連のあるあるネタを漫画化したショート・ショート。

基本2~3Pの掌編と、読み切り中編「バイナリ畑でつかまえて」の、計全22編を収録。

ゆるやかさが漂う空気の中で展開される、笑える話・しんみりする話など多彩な内容を持つ各話。サラリと読みやすい短編集です。

内容的に納得できるのは、やはりエ口画像zipのアップロード話か。

幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい

幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい (IKKI COMIX)黒谷知也:小学館

黒谷知也さんの「幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい」。数ページのものから20Pぐらいのものまで、各話いずれも現代の日常風景を描いた全12話

黒谷知也「幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい」
[黒谷知也 著 小学館「幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい」より引用]

特徴的なのは、漫画を読みながら、なぜか文学感を感じるところ。読書感想文を通して交流する国語教師と女生徒を描く、「谷後先生(やごせんせい)」が良い雰囲気。

黒谷知也さんの別単行本「書店員 波山個間子」の前身も掲載されています。

うと そうそう

うと そうそう森泉 岳土:光文社

森泉岳土さんの「うと そうそう」。水と墨・楊枝と割り箸を使った、独特の画法で漫画を描く森泉岳土さん。本作では全15話を8Bの鉛筆を使って描いています。

鉛筆の柔らかい線と、線と線の間にあらわれる空間が、詩的なストーリーを紡ぎ出し、読み手をその世界に誘う。

漫画でありながら、どこか詩的な雰囲気も漂わせる、不思議な没入感のある短編集。大人の漫画読みにオススメ。

ケーキを買いに

ケーキを買いに河内 遙:太田出版

河内遙さんの「ケーキを買いに」。河内遙作品の中では初期に刊行された短編集。ということで、最近の河内遙漫画ではなかなか見られないどぎつい下ネタがw。

河内遙「ケーキを買いに」
[河内遙 著 太田出版「ケーキを買いに」より引用]

知らずに読むとショックを受けるかもしれませんが、知って読むとおもしろい(笑)。「関根くんの恋」の関根くんも登場

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