「三日月のドラゴン」―真っ直ぐな心で理不尽な悪と戦う少年の格闘成長譚

不良グループに目をつけられた少年は、風変わりな空手の達人に出会い、その人生を変えてゆく―。長尾謙一郎さんの「三日月のドラゴン」あらすじ紹介&感想です。

月刊スピリッツ連載で2021年5月現在、単行本は5巻まで刊行中。海辺の町を舞台に空手の世界に足を踏み入れた少年の成長を描く、熱い!青春格闘技ストーリーです。

「三日月のドラゴン」感想

あらすじ

幼い頃に両親を亡くし、祖母と二人暮らしの高校一年生・月島龍之介。ある日の帰り道、友人にからむ別の高校の不良グループに因縁をつけられ、金銭を要求される。

祖母に負担はかけられない、と悩む龍之介。悪いことは重なり、コンビニのバイト中に強盗に遭遇、刃物で脅されてしまう。

そのピンチを救ったのは、たまたま来店した酔っぱらいの老人。不思議な体術で強盗を華麗に撃退!その姿に感銘を受けた龍之介は、弟子入りを志願するが…?

王道のストーリーだが面白い!

あらすじで大体お分かりの通り、

  • 気弱な真面目少年が
  • 不良グループに目を付けられ
  • 武道の達人に出会い特訓、逆襲へ

というのが基本ストーリー。実にベタ!な王道展開です。ですがこの「ベタさ」こそが、「三日月のドラゴン」の面白さの源。

力の無さを嘆く主人公。理不尽な要求をいともたやすく行う不良グループ。風変わりだが恐ろしく強い空手師範…。

くっきりはっきりした各キャラクターの特徴と分かりやすい構造、さらにテンポの良い物語運びで、どんどんその世界観に没入していきます。

その中でも特に印象的なのは、不良グループの非道な行動。こいつら、めっちゃ腹立つわ!怒りでページをめくる手が震える…!(笑)

風変わりな空手師範の弟子に

その王道ストーリーの中心となる龍之介。祖母とのつつましい生活を、アルバイトで支える健気な少年。しかし不良グループに金銭的な脅迫を受け、それはやがて祖母の間近にも…。

大切な人を守るために強くなりたい!

その一心で空手の道へ。その師となるのが、格闘技とは縁遠い風貌の老人・西田凡拙(ぼんせつ)。本業はお寺の住職でとても強そうには見えないのですが、コンビニ強盗を酔っ払いながら瞬殺するほどの、空手の達人。

凡拙は息子でこれまた空手の師範である「詩人」こと愚太郎(ぐうたろう)と、孫娘・菊代とともに、道場で子どもたちに空手を教えているのですが、龍之介への指導の仕方は独特で…?

龍之介の成長を支える、この空手道場の人々のキャラクターが強烈で面白い!「三日月のドラゴン」の大きな魅力の一つです。

不良グループを倒せるのか…?

しかし龍之介の成長を待たずに辛辣さを増す、不良グループの嫌がらせ。心に広がる無力感に苛まれ、夜中にも関わらず道場へ向かう龍之介。そこで彼の苦しい現状を聞いた凡拙は、非暴力を説くのかと思いきや…

そんな理不尽な輩どもはブチのめしたら良~~~い!!!」(なんちゅう坊さんだ…w)

かくして戦いを決意した龍之介は、凡拙・愚太郎とともに山籠りへ。そこで流派に伝わる「奥義」を習得するべく特訓を重ねる。が、その間にも不良グループの魔の手は龍之介の身近に。果たして事態を打開できるのか…?

主人公の真っ直ぐさが心を打つ

…という感じで、気弱な少年と不良グループの対決へ、徐々に突き進んでいく「三日月のドラゴン」。特に3~4巻で熱い!盛り上がりを見せます

これがめっぽう面白いのですが、しかし本作で読み手の心をジワジワと揺さぶるのは、その盛り上がりだけではない。読みすすめる毎に心に深く刻まれていくのは、龍之介の「真っ直ぐな心」

己の弱さを認め、自分の不甲斐なさを嘆き、だがそれに挫けることなく、祖母や友人を守るために強くなろうとする龍之介。師の教えを真っ直ぐに受け止め、心身ともに成長していくその姿が、読み手の心を熱く揺さぶる…!彼の成長から、きっと目が離せなくなっていくでしょう。

まとめ

以上、長尾謙一郎さんの「三日月のドラゴン」感想でした。びっくりするほどベタな王道ストーリーながら、その芯に通っている「真っ直ぐな心」がジワジワと胸を打つ、青春格闘技漫画です。オススメ。

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