手頃な巻数で読み応えあり!全2巻・上下巻で完結する面白い漫画のまとめです。随時更新予定。
全2巻完結漫画リスト
百万畳ラビリンス
ゲームそのもののような不気味な世界に迷い込んだ、ゲーム会社の女性バイトふたり。
そこから脱出する方法はあるのか?そして謎の世界の正体は?…というゲーム感満載の『百万畳ラビリンス』全2巻。
ゲーム風な空間、といっても主人公たちは生身の人間。一歩間違えれば命の危険もある状況に予想外のドキドキが。
ゲーム世界の異空間を実在するかのように描く、作者・たかみちさんの表現力も光ります。後半では意外な展開が…?
メランコリア
道満晴明さんの『メランコリア』上下巻。
巨大彗星メランコリアにより滅亡寸前の地球を舞台に、時に彗星を絡めて、時にまったく関係なく描かれるショート・ストーリー。
ポップ&ちょいエロの中に、SF・オカルト・不思議要素を混ぜ込んだ物語。確実に地球滅亡のカウントダウンが迫る中、徐々に浮かび上がる「真実」とは…?
道満晴明らしい、シュールな雰囲気とトリッキーさがあふれまくる!全2巻です。
キヌ六
野村亮馬さんのSF漫画『キヌ六』。
火星への脱出を目指し英軍に追われる「地球で作られた火星人」キヌが、巻き込まれたサイボーグ少女・六(ロク)と、東京から名古屋までノンストップな逃避行を繰り広げます。
英・露の諜報員たちを、超人的な能力で蹴散らすキヌのアクションと、独特のSF世界観が圧倒的。反目しながらも次第に信頼関係を築いていく、キヌ六コンビの関係も面白い。
当初から全12話完結の予定ゆえ、いい感じにコンパクトにまとまっている全2巻です。
【マンガ多すぎ!コミックシーモア】
ロジックツリー
雁須磨子さんの『ロジックツリー』上下巻。
「8人兄弟のちょうど真ん中」で育った女子高生。その人生模様を中心に大家族と彼らに関わる人々を描く、ちょっと賑やかな群像劇。
血縁関係にある彼・彼女らが兄弟としての絆も見せながら、それぞれのポジションで互いに対して抱える思いが赤裸々に、しかしクドすぎない感じで綴られる物語。
登場人物の多い漫画なんだけど、「兄弟」という括りで不思議なまとまりを見せている、少し風変わりな大家族ものです。
ロボ・サピエンス前史
島田虎之介さんのSF漫画『ロボ・サピエンス前史』上下巻。
独特のイラストチックな線にのせて、オムニバス的に描かれるロボットたちのストーリー。
人間のために働き、やがて知性を持つようになったロボットたち。彼らは「ロボ・サピエンス」としてどこへ向かうのか?
人間のはるか先を歩いていくであろうロボット、そして地球の未来を予感させるラストが素晴らしい。SF超大作映画のような読後感のある全2巻。
タコピーの原罪
2021年終盤~2022年序盤を席巻した、タイザン5さんの『タコピーの原罪』上下巻。
地球にハッピーを広めに来た宇宙人・タコピー。しかし彼が出会った少女・しずかは、その生活に重大な問題を抱えていて…?
状況改善のためにループを繰り返すも、事態は悪化するばかり。タコピーの焦燥と子どもたちの絶望、その行き着く先は…?
センシティブな内容とサスペンス感にドキドキが止まらない!随所に登場する「荒れた部屋の描き込み」に狂気を感じます。
最後の遊覧船
すぎむらしんいちさんの『最後の遊覧船』。
TVドラマがコケて恋愛でトラブって舞台台本の締め切りも間近な女性脚本家がすべてをぶっちぎって帰郷。
そこで遊覧船に乗っては降り乗っては降りのループにハマる、というコメディドラマ。
主人公以下、濃ゆい登場人物たちが昼のメロドラマ感たっぷりの雰囲気で繰り広げる笑いがたまらなく!面白い。
「遊覧船」という限定された空間なのに、毎回新たな展開で飽きない作りもユニーク。予想外の出来事が起こり続ける怒涛の後半戦がスゴイ。
夢の端々
須藤佑実さんの『夢の端々』上下巻。
久々に再会した二人の老女、貴代子とミツ。彼女たちは遠い昔、女学生時代に想いを寄せ合った間柄だった。
その貴代子の孫娘はある日、彼女の日記帳の中から瓶詰めになった人の小指を見つける…。
二人の女性の交流とすれ違いを、令和から昭和初期まで、老年・初老・中年・青年・学生時代と遡って綴っていくという形式が味わい深い。
「女性同士の恋愛」という概念自体がおぼろげだった時代の二人の精神的な逢瀬が、どのように紡がれ、そして終わりを迎えたのか。
読むほどに心に染み渡ってくる全2巻です。
麻衣の虫ぐらし
雨がっぱ少女群さんの『麻衣の虫ぐらし』。
訳あって絶賛無職中の美女・麻衣と、祖父の農業を受け継ぐ少女・菜々を中心に、キャッキャウフフでコミカルなアグリカルチャー・ライフが描かれて…
…と思いきや、「菜々の祖父の死」からのシリアス展開、からのガチ百合展開へ。
- ガチ過ぎる虫知識
- ガチ過ぎる農業
- ガチ過ぎる美女たちによる百合展開
とまるで噛み合わない内容を、奇跡的に取りまとめて全2巻完結としたユニークな作品。
ホラー漫画も描く作者、その作風の片鱗を伺わせる狂気がところどころから滲み出ているのも、良い隠し味。
『麻衣の虫ぐらし』はサブキャラにスポットを当てた『麻衣の虫ぐらし 来夏と美津羽の特別編』、本編未収録の話をまとめた『麻衣の虫ぐらし 未収録作品集』も、電子書籍で配信中です。
さんさん録
息子家族と同居することになった参平。なれない生活の手助けとなるのは、妻が残してくれた生活の記録だった。
やがて働きに出る息子の妻を手助けするため、主夫となることを宣言する参平。記録をたよりに主夫業に奮闘するが?
柔らかなタッチのほのぼのコメディ『さんさん録』。クスッと笑える話が積み重なって独特の空気感を作り上げていく、こうの史代さんならではのセンスが素晴らしい。
しかしほんわか家族の様子だけではなく、思いもかけないラブロマンスが…?
草野と希♨
岩国ひろひとさんの『草野と希♨』。
800万円を持ち逃げ、謎の失踪を遂げた女性社員を、同僚(元ヤクザ)と女性の妹(JK)が温泉+グルメの取材旅行をしながら追う、というライトなコメディ・サスペンス。
おそらくコロナ禍が取材等に影響したため、残念ながら全2巻で完結したと思われます。
が、立っているキャラクター、バツグンの画力、魅力的な温泉+グルメ描写、そしてきっちり完結した人情味あふれるストーリーは、一見の価値あり!
メガロポリス・ノックダウン
18禁オンライン・クライム・アクションゲーム「メガロポリス・ノックダウンTOKYO」。
その魅力に取り憑かれた小学生・鋭美は、親の目を盗んでゲーム環境の構築に成功。
彼女が未成年とは知らない青年・守とパートナーとなり、メガノクの世界を楽しむが…。
田澤類さんの『メガロポリス・ノックダウン』全2巻。
過激なゲーム世界に魅せられ過ぎて一線を超えちゃった女子小学生が、殺伐としたオンラインゲームにはまっていく様子に、不思議な笑いとドキドキが。
オンライン・ゲームに精通した作者が描くゲーム世界にも注目。
『メガロポリス・ノックダウン』全2巻完結ですが、Webメディア「Game Park」で続編『メガロポリス・ノックダウンR(リローデッド)』が連載中!単行本も発売されています。
さよならフットボール
中学サッカー部ただ一人の女子部員・恩田希。超絶テクニシャンでありながら、男子との身体差を理由に監督から試合出場を認められていない。
しかし因縁ある幼なじみ男子と対決するため、なんとしても試合に出たい!その時、彼女が取った行動は…?
女子サッカー部員の躍動を描いた、新川直司さんの『さよならフットボール』。
男子と女子の体格差があらわになってくる時期。不利な条件を抱えつつも、類まれなるサッカーセンスを持つ女子選手が、男子選手を翻弄していく様に釘付け。
GREY
特権階級「市民(シチズン)」になるために、「戦士(トループス)」となった人々が戦闘に身をやつす、荒廃した未来。
多くの仲間を失いながら、「死神」と呼ばれる男・グレイがたどりつく「世界の真実」とは―?
たがみよしひささんのSF漫画『GREY』。迫力のアクションと、たがみ節とも言うべきスカしたセリフがクセになる、カッコいいSF。
数十年前の漫画ですが、今読むと懐かしさ、というより逆に新鮮味を感じます。独特なメカデザインにも注目。
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子供はわかってあげない
書道部の門司くんと水泳部の朔田さんは、ふとしたきっかけから朔田さんの実父を探すことに。
門司くんの姉(元・兄)も巻き込んだその道中で、意外な真実が明らかに…?ひと夏のボーイ・ミーツ・ガールを描く上下巻『子供はわかってあげない』。
作者・田島列島さんのライトなタッチと、登場人物のボケとツッコミ。笑いを取り混ぜた軽妙なノリが印象的。
それでいてしっかりと練り込まれたストーリーが読み応えのある一作。甘酸っぱーい、あの夏をあなたに。
報いは報い、罰は罰
水と墨を使った独特の描画法で物語を作り上げる作者・森泉岳土さん。
ゴシック・ホラー『報いは報い、罰は罰』上下巻では、その表現方法の新たな可能性を見せてくれます。
風変わりな一族に嫁ぎ行方不明となった妹を探すため、山奥の洋館を訪れた女性。そこで起こる恐怖の惨劇が、何とも恐ろしい。
美麗な屋敷の装飾をバックに描かれる、終わりの見えない夜に、有無を言わさず引きずり込まれていく…!
WHITE NOTE PAD
ある日突然心が入れ替わった、17歳の女子高生と38歳の中年男性。「17歳」は読モとして活躍し、「38歳」は生きる術を持たずその日暮らし。
そして入れ替わりから一年後に「再会」した二人。女は男に「助け合おう」と提案するが…。
ヤマシタトモコさんの『WHITE NOTE PAD』。
「強くてNEW GAME」な人生を送る元38歳と、悲惨な境遇の元17歳。そこから陰鬱な展開が…と思いきや、話は意外な方向へ。
わたしって何だろう、わたしを形作っているものって何だろう。そんな哲学的な気持ちを思わず抱いてしまう、異色の入れ替わり漫画です。
NKJK
病に倒れた幼馴染みを「笑い」の力で救いたい、「お笑い」に疎い女子校の優等生。
友人や長期入院中の少女「師匠」と協力、密かなミッションを開始する…という吉沢緑時さんの『NKJK』全2巻。
不慣れなお笑いの世界に挑戦する、マジメな高校生。そのネタは、ダチョウ倶楽部風だったり、懐かしのCM芸だったり。
その馬鹿さ加減に爆笑するのですが、その裏に常に漂う悲壮感、そしてただ友のために行動するその姿に、あれ、なぜか目から汗が…。笑って泣ける良作青春コメディです。
恋する仏像
仏像を彫る「仏師」を目指す、幼馴染の高校生ふたり。
一人は寡黙に仏像製作に打ち込み才能を開花させ、一人は優秀でありながらも才能を認められず、仏像の世界から離れていく。
そんな二人の青春ストーリーを描く、会田薫さんの『恋する仏像』。
とにかく二人の主人公の描写が丁寧。そして仏師の世界というある種、荘厳な空気感が彼らの心情を際立たせていて素晴らしい。
ちょっと苦しくなるぐらいマジメで、胸を打つ心の通い合いが、全2巻できっちり描かれています。
Boy Meets Girl ~マウンドの少女~
背は低いけど元気なモリタケ少年と、サウスポーでサイドスローのエース・しおり。
リトルリーグに属する小学六年生の二人を、しおりを密かに想うモリタケ視点で描いた、塀内夏子さんの『Boy Meets Girl ~マウンドの少女~』。
恋を恋とも認識しない、微妙な年頃の少年少女。モリタケ少年としおりの、さわやかでちょっと甘酸っぱい交流。
とともに、少年たちと体格に差が付いてくる時期の、少女のスポーツに対する真摯な気持ちを描いたジュニア・スポーツ漫画の秀作。気持ちの良い読後感を残してくれます。
ヘレンesp
自動車事故で、両親と視力・聴力・言語を失った少女・ヘレン。
事故以降、不思議な力を身につけた彼女が、愛犬ヴィクターとともに遭遇する不思議な事件を基本1話完結のストーリーで描く、木々津克久さんの『ヘレンesp』。
「ハートフル・ファンタジー」といった書籍紹介もありますが、そこは木々津克久さんの作品。そこそこの毒をはらんでおりますw。
そして本書を読んだあとに『アーサー・ピューティーは夜の魔女』を読むと、最高に面白い。
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アクトアウト
非凡なものを持ちながらも、本番で実力を発揮できないフィギュア・スケーター名雪いばら。
振付師として新たに就任したロシア人バレエダンサー・ヴァシリーは、彼に問う。「芸術も闘争も楽しめないクセにどうしてリンクにいるの?」
冬房承さんの『アクトアウト』上下巻。日本人スケーターとロシア人コーチ。二人が対話と交流を重ね、やがて信頼関係を築いていく様が、丁寧に描かれていきます。
あとがきでは「本当のエンディングまで描けなかった」とのことですが実際には特に気にならず、上下巻で程よくまとまった良作だと思います。
ラーメン食いてぇ!
辺境の地で遭難し、今まさに息絶えようとする美食家。
妻を亡くし、生きがいを失った老ラーメン店主。
友人に裏切られ、生きる希望を失ったその孫の女子高生。
そんな三人の人生を結びつけるのは、一杯のラーメン。
ラーメン好きですか?私はどちらかと言えばうどん派なんですが、この『ラーメン食いてぇ!』を読んだあとは、速攻でラーメンが食べたくなりましたね。
ラーメンに関する自分のワザを伝えるおじいちゃんと、それを必死にに受け継ごうとする孫の描写が秀逸。ラーメンって奥深いなぁ…。
水色の部屋
母・サホと二人暮らしの高校生の正文。若く魅力的な母親に、複雑な気持ちを抱いている。
その正文の幼馴染・京子は、同級生・河野と付き合いだすが、河野はサホにも興味を抱き…。
母親が目の前で乱暴を受けているという、衝撃的なシーンから始まる『水色の部屋』。
全編にただよう思春期の陰鬱さを、ゆるやかに、ねっとりと、絡みつくように描いた怪作。あらためて読み返すと、しかし印象的なのは母の愛、だろうか。
まとめ
以上、「全2巻で完結するオススメの面白い漫画」でした。
また面白い全2巻完結漫画を読んだら、随時追記します。関連記事で別の漫画もまとめていますので、ぜひご覧ください。
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