考古学者にしてロイズのオプ(保険調査員)、そしてSASのサバイバル・マスターでもある平賀=キートン・太一の活躍を描く漫画『MASTER(マスター)キートン』。
その20年後を描く正統な続編が、漫画『MASTERキートン Reマスター』。オリジナル版『MASTERキートン』最終18巻の刊行より、実際に20年が経っての新作です。
2012年から不定期連載されていた全8編を単行本化。ストーリーは長崎尚志さん、漫画は浦沢直樹さんのゴールデンコンビによる全1巻です。
『MASTERキートン Reマスター』感想・レビュー
「その後」のキートン描くストーリー
元・イギリス特殊空挺部隊SASのサバイバル・マスター出身で、危険も伴うオプの仕事で世界を飛び回っていたキートン。オリジナル『MASTERキートン』の最後では、本分である考古学の道へと歩んでいきます。
それから20年後を描く本作『MASTERキートン Reマスター』。第一話『眠り男』では、ルーマニアのブカレスト大学で講義をする「その後のキートン」の姿が。
良かった!夢が叶ったんだ…。
と思いきや、探偵事務所の元相棒・ダニエルの残務を整理するため、再びオプの仕事で世界を駆け巡ることに。
イタリアでは人身売買に絡んだ不法滞在者の身元調査、クロアチアでは元マフィアの移送警護、アイルランドではヤードの元刑事への取材に同行…。
世界情勢や社会問題、そして各地の文化や歴史が緻密に組み込まれた『MASTERキートン Reマスター』各話。これぞMASTERキートン!なクオリティで、非常に面白みのあるストーリーが展開されていきます。
人生のマスターへ
そこで活躍する「20年後のキートン」。基本的なシルエット、飄々とした雰囲気は前作のままですが、頭髪には白いものがまじるように。中身も時を経て成熟しているのではないか…。
そんなことを期待していましたが、相変わらずのキートン先生でした(笑)。元SASの教官として体を張ったアクションをこなしながらも、お人好しで人間くさく、そして考古学に静かな情熱を燃やす彼。
第3話『マリオンの壁』ではかつての恩師とともに、トロイアの城塞都市を再現したミニチュアの前で、童心に帰ったかのように歴史談義に花を咲かしたり。その姿に懐かしさと不思議な安心感があります。
また気になる、キートンの家族のその後も。第5話『女神とサンダル』では老いてなお健在な父・太平の姿。さらに第7話『マルタ島の女神』では、成長し考古学の道へ進んだ百合子が登場!この父娘のエピソードがとても素敵なもので…。
そして後半に行くに従い、徐々に見えてくる「20年の時を経たキートン」。父親として娘を思うキートン。若きSAS時代の仲間を通して照らしだされる、大人になったキートン。学問の壁に悩むキートン…。
中年を超え、老年となり、「人生の達人」に近づきつつあるキートンを描いた『MASTERキートン Reマスター』。懐かしさの先に新しさを感じる、良い続編でした。
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まとめ
以上、長崎尚志さん+浦沢直樹さんの漫画『MASTERキートン Reマスター』感想・レビューでした。
本書はナンバリングされておらず、また収録の最終話『栄光の八人』もこれにて『MASTERキートン・完!』という内容では無いので、さらなる続きがワンチャンある、かも…?(無いかな…)
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