短編漫画単行本の感想・レビューです。

『ミノタウロスの皿』『カンビュセスの籤』ほか『藤子・F・不二雄SF短編』おすすめエピソード
少年・少女向け漫画を描くかたわら、社会風刺やブラック・ユーモアを絡めた「SF(SUKOSHI FUSHIGI)短編」を生み出してきた藤子・F・不二雄さん。そのSF短編漫画の中から選んだおすすめエピソードです。 現在、藤子・F・不二雄さんのS...

「作者そのもの」が詰まった一冊『67歳の新人 ハン角斉短編集』
漫画『67歳の新人 ハン角斉短編集』。67歳の作者の初単行本、というタイトルそのまんまの一冊。これがなかなか味わい深い内容で…。 新人賞を受賞した『山で暮らす男』などの短編を収録。小学館ビッグコミックスより全1巻が刊行。

『山口つばさ短編集 ヌードモデル』―『ブルーピリオド』に繋がる作風に注目
藝大を舞台にしたアート系青春ストーリー『ブルーピリオド』。その作者・山口つばささんの初期短編などを収録した『山口つばさ短編集 ヌードモデル』感想・レビューです。 一糸まとわぬ背中の上に大胆にあしらわれた、タイトル『Nude Model』が印...

『樫村一家の夜明け』感想―沙村広明・岡村星の夫婦合作短編集
長年引きこもりの長男。人生をやり直すべくリビングへ向かうと、そこにはヤクザに囲まれた父親が―? 同名の表題作を含む短編1本+中編2本を収録した『樫村一家の夜明け』。沙村広明さん・岡村星さんによる「夫婦合作」の作品集です。日本文芸社より全1巻...

『音盤紀行』感想―レコードが世界を繋ぐ!アナログ感あふれる音楽ドラマ
祖父の遺品に記された謎の言葉。自由に音楽を聴けない国。田舎町で少女に出会ったビッグバンド…。その傍らには、いつもレコードが。 毛塚了一郎さんの漫画『音盤紀行』。レコードをハブに「音楽のあるドラマ」を様々なシチュエーションで描く、アナログ感あ...

漫画『分光器 伊図透作品集』ショート・レビュー
伊図透さんの漫画『分光器 伊図透作品集』のショート・レビュー。

山岸凉子の実話系ホラー漫画『押し入れ』闇に潜む眼の正体は…?
2021年10月に『レベレーション(啓示)』『ヤマトタケル』『青春の時代』など、漫画家・山岸凉子さんの作品の一部が電子書籍化されました。 本記事でご紹介する単行本『押し入れ』もその一つ。 実話系の恐怖話ほか、ホラー系の短編4編を収録した短編...

エロティシズムあふれる短編がスゴイ!『渚 〜河野別荘地短編集〜(1)』感想
河野別荘地さんの漫画「渚 〜河野別荘地短編集〜(1)」。作者がWEBメディア「オモコロ」に発表した作品を中心にまとめられた短編集です。 カバー絵の人魚女性のように、ちょっと不思議系の物語多め。その中で毛色の異なる一編が、なかなかのインパクト...

平均気温が52℃を超えた夏―『夏を知らない子供たち 山本和音作品集』
漫画『星明かりグラフィクス』『生き残った6人によると』の著者・山本和音さんの初短編集『夏を知らない子供たち 山本和音作品集』。 表題作『夏を知らない子供たち』ほか、デビュー作含む数ページ~数十ページの短編11編を収録。 265Pのボリューム...

『グッド・バイ・プロミネンス』―人の繋がりを優しく紡ぎあげる連作短編集
ひの宙子さんのデビュー単行本「グッド・バイ・プロミネンス」感想。人と人とのつながりが連作形式で紡がれていく、オムニバス漫画短編集。各話の中にある「ハッとする瞬間」が面白い。

「二鳥翠 黒谷知也作品集」―文学小説感覚を持つ短編漫画全11編
「二鳥翠」 「にとりみどり」と読みます。表題作「二鳥翠」の主人公の名前。背が高くボーイッシュな彼女の憧れは、自分と似た雰囲気を持つ喫茶店のお姉さん―。 著者・黒谷知也さんによる、文学的雰囲気を漂わせる短編を取りまとめた、その名も「二鳥翠 黒...

「制服ぬすまれた」―かつてない「衿沢世衣子」が味わえる読み切り漫画集
英題「My uniform was stolen.」がそのまんまの素朴な感じでなんとなくツボにはまる、衿沢世衣子さんの「制服ぬすまれた」。5編を収録したよみきり集です。 衿沢世衣子さんの漫画と言えば、さわやかな風の吹くような、独特の清涼感が...

「ベランダは難攻不落のラ・フランス」―衿沢世衣子ファン必携の漫画短編集
ポップなタッチとゆるふわな世界観で、多くの漫画ファンを虜にしている衿沢世衣子さん。 短編集「ベランダは難攻不落のラ・フランス」では、様々な媒体で発表された魅力的な短編を収録しています。

ホラー短編集『顔ビル/真夜中のバスラーメン』ー妖艶にして美麗なその世界
呪みちるさんのホラー短編集『顔ビル/真夜中のバスラーメン』。美麗なキャラクターと妖艶な筆致、そして巧みなストーリー展開でファンを唸らせるホラー漫画家・呪みちるさんの魅力が詰まった単行本です。 一風変わったタイトルですが、『顔ビル』『真夜中の...

「悪い夢のそのさき…」―読後に想像がモヤモヤ膨らむホラー短編集
かわいい絵柄で恐怖の展開、しかしシュールな笑いで独特の読後感を与えてくれる、「死人の声をきくがよい」でおなじみのうぐいす祥子さん。 その2冊めの短編集となるホラー漫画集「悪い夢のそのさき…」を読みました。 カバーでリコーダーを吹く男の子を怪...

漫画『このかけがえのない地獄』―心にさざ波が立つ短編集
魔法少女になりきって、夜の公園でコスプレをするメガネ女子高生。彼女が起こした奇跡とは…? アッチあいさんの『このかけがえのない地獄』。なんともインパクトのあるタイトルと、カバーのかわいいメガネ女子が印象的な、全5編収録の短編漫画集です。

水上悟志短編集『放浪世界』―SF『虚無をゆく』ほか水上漫画の魅力が詰まった全5編
『惑星のさみだれ』『スピリットサークル』など、魅力的な漫画を輩出し続ける漫画家・水上悟志さん。 2017年末に発表されたSF短編『虚無をゆく』が話題となりましたが、同作を収録した短編集『放浪世界』がリリースされました。 SF作品『虚無をゆく...

「諸星大二郎劇場 第1集 雨の日はお化けがいるから」レビュー
小学館「ビッグコミック増刊号」に連載中の「諸星大二郎劇場」掲載作品を中心に、諸星大二郎先生が2006年から2017年にかけて発表した短編が、一冊の単行本になりました。 「諸星大二郎劇場 第1集 雨の日はお化けがいるから」です。さてその中身は...

ホラー漫画『私のともだち』―「少女向け恐怖マンガ」の世界
ホラー漫画で「ともだち」って、怖いイメージしかないよね(笑)。 楽しみにしていた、那州雪絵さんのホラー短編集「私のともだち」を読みました。 那州雪絵さんはホラー専門の漫画家さんではありませんが、「魔法使いの娘」「魔法使いの娘二非ズ」で、恐ろ...

「うと そうそう」―絵で読む15の詩
その独特な画法から産み出される、得も言われぬ世界。 森泉岳土(もりいずみ・たけひと)さんの漫画「うと そうそう」を読みました。 リアルのようなファンタジーのような、不思議な空間。 柔らかな線が紡ぎ出すショート・ストーリー集です。