近藤和久版・漫画『機動戦士Zガンダム』―メカ描写が魅力のコミカライズ作品

数々のガンダム漫画を描かれてきた近藤和久さんが、TVアニメ『機動戦士Zガンダム』本放送時に連載していたのが、本記事でご紹介する漫画『機動戦士Zガンダム』全3巻。

面白い!というタイプの作品ではないのですが、なかなか味のあるコミカライズ。オリジナルは講談社より刊行、現在はKADOKAWAの復刻版を電子書籍で読むことができます。

漫画『機動戦士Zガンダム』感想・レビュー

漫画『機動戦士Zガンダム』概要

近藤和久氏の漫画『機動戦士Zガンダム』は、TVアニメ『機動戦士Zガンダム』と連動したコミカライズ。

1985年~の本放送と並行して、講談社の児童向け月刊誌「コミックボンボン」(※小学館「コロコロコミック」的な漫画雑誌)に約1年間連載された作品です。

…と書いただけではピンとこないかもしれませんが、「1年間放送のテレビアニメ」のコミカライズを「月刊マンガ雑誌で並行して一年間連載」するという、当時ならではの連載体制で製作された漫画です。

なお現在復刻されているKADOKAWA版には、オリジナルの単行本にはなかったカラーページや宇宙世紀年表などが追加されています。

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ストーリーはクセがある

一年間放送=月4回放送のTVアニメ全50話を、月イチ刊行の漫画雑誌でコミカライズした漫画版『機動戦士Zガンダム』。基本はTVアニメをなぞりながらも、一部展開はダイジェストされたりカットされたり、またはオリジナルとなっています。

そのため漫画単体で読むと、ストーリーはやや難解。おそらくZガンダムを全く知らない人が読むと、訳がわからないのでは(これはしょうがないとは思うのですが…。内容的にも作者の苦労が窺えます)。

逆にTV版のストーリーを知っているファンが読むと、むしろアニメとの違いが面白い(多分)。

キリマンジャロ編がなかったり、ロザミアが出てこなかったり、後半にオリジナル展開があったり(後述)。「古いけど新鮮なZガンダム」を楽しめます

「濃いメカ描写」は一見の価値あり

近藤和久さん、正直に書くとキャラクター描写にはやや難があります(味わい深いものがあるのですが…)。反面、MSをはじめとしたメカ描写が非常に「濃い」

  • ガンダムMk-2、リック・ディアス、百式、ZガンダムなどエゥーゴのMS
  • ハイザック、ガルバルディβ、マラサイ、サイコ・ガンダム・ギャプランほか連邦・ティターンズのMS
  • アーガマ、ドゴス・ギア、グワダンといった戦艦

などTVと同じく多数のメカニックが登場するのですが、これがなかなかの迫力。30年以上前の漫画ですが、非常に力の入ったメカ描写・丁寧な作画には、一見の価値があります。

特に百式やマラサイは思い入れがあるのでしょうか、妙にカッコイイ(笑)。戦闘シーンが多いのも、ガンダム漫画としては嬉しいところ。

オリジナル要素がユニーク

そして近藤和久版『機動戦士Zガンダム』ならではの面白みが、オリジナル要素

リック・ディアスのキャノンタイプやフルアーマータイプのガンダムMk-2といった小ネタレベルから、独自キャラクター・MSまで、ユニークな要素が劇中の随所で登場。

特にネオ・ジオンの量産型MSがガザCでなく、ディジェ風の外見を持つチャイカになっていたり、ハマーン・カーンがキュベレイではなく、近藤和久氏オリジナルのMS「G-3(ゲー・ドライ)」に搭乗したり、といった設定・描写が特徴的。

また3巻後半で登場するティターンズのドルク中尉は、本作ならではの面白いキャラクター。マラサイのマイナーチェンジMS「グリフィン」を駆り、BGMに乗って踊るように戦う彼。出番は数ページながら、一度見ると忘れられないインパクト(笑)。

他にもストーリー圧縮の必要性からか、エマやレコアの撃破状況が変更されていたり、コロニーレーザー内での戦闘シーンが無かったりと、特に終盤でTVアニメと展開が大きく異なる本作。

「正当なコミカライズにして、Zガンダムのアナザー・ストーリー」のような、不思議な漫画です。

『サイド ストーリー オブ ガンダム Z』(未完)

漫画『機動戦士Zガンダム』については以上ですが、関連して近藤和久さんがバンダイの模型情報誌等で連載したガンダム漫画『サイド ストーリー オブ ガンダム Z』をご紹介。

シャア(クワトロ)がバスクの下でジオンの残党狩りをしていたり、カミーユがエゥーゴ(※本作ではジオンの系譜である組織)でアッシマーのパイロットをしていたり、と大胆なアレンジが行われている作品

「サイドストーリー」というよりは「アナザーストーリー」的な物語。残念ながら未完で、中途半端なところで終了しているのですが、大胆なストーリー構成とメカニック描写に見どころがあります

特に百式改ほか、ガンダムMk-3、Zグスタフ、シュツルム・イェーガー(ギャプラン風の変形MS)など、作中登場の個性的なMSは一見の価値あり。余力があればご覧いただきたい一作です。

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まとめ

以上、近藤和久さんの漫画『機動戦士Zガンダム』全3巻の感想・レビューでした。

絵柄的には年代を感じるのですが、今読むとレトロさと同時に、現代の漫画には無い新鮮な感覚のある漫画。30年以上前に描かれていたことを考えると、ある種のクオリティの高さ・凄みも感じます

オススメとは言いにくいのですが、独特な味わいのある作品。最近のガンダム漫画は読み尽くしちゃったな…という方にチェックしていただきたいガンダム漫画です。

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