連作短編集・オムニバス形式の面白い漫画まとめ

連作形式の短編集や、オムニバス形式の漫画単行本の中から、読んで面白かったおすすめ作品のまとめです。

  1. 連作短編集・オムニバス形式の面白い漫画まとめ

なお記事中で紹介している連作短編集・オムニバスについては、

  • 連作短編集…各話が同一世界観上で展開されている、または各話の登場人物に共通性がある。
  • オムニバス…『SF』『ホラー』など、特定のテーマに沿ってまとめられている。

という解釈で取り扱っています。

漫画リスト

グッド・バイ・プロミネンス

ひの宙子さんの『グッド・バイ・プロミネンス』全1巻。少しずつ絡み合った関係性を持つ登場人物たちの、その胸の内が時にシリアスに、時にコミカルに描き出されていく全8編。

少し変わった同級生を優しく見守る委員長 → 同級生の母と叔父の複雑な関係 → 若かりし叔父の友情と愛情 → 委員長の先生が義姉に抱く気持ち → 義姉の職場恋愛事情…といった感じで、各話がゆるやかに繋がる読み応えが素晴らしい!最終話のあと、また頭からページをめくりだしたくなる連作短編集です。

ワンナイト・モーニング

奥山ケニチさんの『ワンナイト・モーニング』。同級生・バイトの同僚・幼馴染・そしてセフレ…。様々なシチュエーションの男女が過ごすワンナイトと、翌朝のモーニングを、時にコミカルに、時にせつなく描くオムニバス。2022年5月現在、6巻まで刊行中。

ちょっとエッチでほっこり加減のワンナイトと、食欲を刺激するモーニングの組み合わせが、ジワジワと染み渡ってとても良い!連作も多く、読めば読むほど登場人物たちのことが愛おしくなってくる感じも好き。心とお腹があったまります。

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外天楼

石黒正数さんの『外天楼』全1巻完結。作中の舞台となる集合住宅「外天楼(げてんろう)」に集う人々の日常、はたまた不可思議な出来事を描くオムニバス。

エロ本ゲットに知恵を凝らす中学生たち。特撮ヒーローもので突如起こった殺人事件の謎。人工生命体「フェアリー」を巡る騒動…などなど、笑いあり、シリアスあり、バラエティ豊かな物語の数々。

しかし一見無関係な各話の繋がりが徐々に明らかになり、終盤ではサスペンス風味の漫画へと変貌していく、トリッキーな構成が面白い!第一話を読んだ時には想像もできないラストの、何とも言えない読後感と言ったら…。

スキエンティア

戸田誠二さんの『スキエンティア』全1巻。超高層タワーの頂きから、科学の女神・スキエンティアの彫像が見守る街。そこに住む人々の人生をほんのりSF風味を絡めて描き出すオムニバスです。

全身マヒの老女に3ヶ月、自分の体をレンタルする女性を描く『ボディレンタル』ほか、人生に悩み、苦しみ、傷つきながらも懸命に生きる人々。その生活にほんの少し、科学の力をプラスしたら…といったライトなSF風味のヒューマン・ドラマ。戸田誠二さんらしい味わいと深みのある短編集です。

珈琲時間

豊田徹也さんの『珈琲時間』。女性チェリストと怪しいイタリア人の愉快な掛け合いを描く連作、コーヒーの焙煎を介した叔母と姪の会話など、全17話の物語全てにコーヒーが小道具として登場するオムニバス。

シリアス風味なドラマ、笑えるコメディ、人生の不思議・悲哀をじわりと感じる話など、作者ならではの美麗でセンスあふれる作画によって紡がれる物語たち。そしてそこにはいつも苦味の効いたコーヒーがある

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メランコリア

道満晴明さんの『メランコリア』。巨大彗星メランコリアがその直上に迫る地球上で展開される、SF・オカルト・不思議系などバラエティ豊かな物語を描くショート・ストーリー上下巻。

道満晴明らしいポップでちょいエロなキャラクターが繰り広げるシュールな笑い。その裏では刻一刻と地球滅亡のカウントダウンが進んでいる、という構図が何とも言えないおかしみと薄ら寒さを演出。単話としても全体としても面白みのある漫画です。

雑草たちよ 大志を抱け

池辺葵さんの『雑草たちよ 大志を抱け』全1巻。地方都市に住むちょっと地味で、でも人を慮る優しさを持つ女子高生たちの、心の交流を描いた連作短編集。

様々な個性を持つ思春期の彼女たちが、ちょっとずつ他の誰かにやさしさを分け与える瞬間を見るたびに、心がホワッと温かくなる。そんな優しい気持ちになれる漫画。エピローグである生徒の母親が彼女たちにかける言葉がとても素敵!

シンプルノットローファー

とある女子高生たちの日常を連作で描く、衿沢世衣子さんの『シンプルノットローファー』全1巻。どこにでもいそうな彼女たち、その何でもない日常にふと起こるささいな出来事が、衿沢世衣子さんのポップでライトな絵柄で紡ぎ出されます。

大きな事件は起こらないけれど、それがいい。日常をナチュラルに楽しむ彼女たちの様子を眺めているうちに、軽く笑って、ふと心が軽くなっていくような。作中で描かれるのは女子校ですが、女子!という感じはあまりなく、男女の別なく楽しめる漫画です。

手紙物語

鳥野しのさんの『手紙物語』全1巻。ファンタジー、ライト・ミステリー、SF、ヒューマンドラマなど、様々なジャンルの5編を収録。それら全てに小道具として「手紙」が登場するオムニバス作品集。

アナログな「手紙」という存在が人の心と心を結びつける役割を果たし、各ドラマの良いアクセントに。美しい作画となめらかなストーリー、そして存在感のあるキャラクターたちも、短編とは思えない読み応えを演出しています。

10年に一度、とある目的を持って宇宙に集まる人々を描くSF『星の林に月の舟』は、特に印象的。広大な宇宙と郷愁を感じさせてくれる一編です。

HUMANITAS ヒューマニタス

時代も舞台も異なれど、胸のうちに熱き闘志を秘めた「戦士」たち。その孤独にして過酷な戦いを迫力の筆致で描き出す、パワーあふれる短編集全1巻。山本亜季さんの『HUMANITAS ヒューマニタス』。

15世紀の中央アメリカで、生き残りを賭けた闘いに臨む双子の戦士。20世紀の米ソ冷戦時代、獄中でチェスの腕に目覚め、やがて国家を背負うチェス勝負に挑む男。極寒の地で生きるために、命がけの捕鯨を行う原住民少女…。

収録の三編はまったく異なる内容ながら、そのどれもからほとばしるパワー、熱い息吹を感じます

アイリウム

1錠で一日分の記憶を「飛ばす」ことのできる薬・アイリウム。その薬を使った人々に起こる悲喜こもごもを描く、小出もと貴さんの『アイリウム』全1巻。

各話「アイリウム」という同じ小道具を使いながらも、ヒューマン・ドラマだったりサスペンスだったり、はたまた感動話だったり後味の悪い話だったり、描かれる内容が全く異なるという点がユニーク

その中でも特にドキドキするのが第5話『ホスト』。サイコなオーナーから逃げ出すために、記憶の飛ぶアイリウムを盛って盛られてのサスペンス。アイリウムの性質を上手く盛り込み、二転三転する展開が読ませます。

にわにはににん

中野シズカさんの『にわにはににん』全1巻。「庭」をテーマに描かれるオムニバス。「スクリーントーンを幾重にもかさねて漫画を紡ぎ出す」という独特な描画方法を用いる作者。その端正な作業から生み出されるファンタジックな世界がとても!ステキ。

不思議で幻想的なストーリーと、繰り返し眺めたくなる美しさを持つコマの数々は、他の漫画では味わえない魅力。漫画好きにぜひ読んで欲しい一作です。

真夏のデルタ

歯並びの悪さを気にする女の子。その歯を触りたい美術系男子。イケメン・スポーツ万能だが内面に鬱屈を抱く女子の彼氏…。そんな高校生男女三人の胸の内を連作で描く、綿貫芳子さんの『真夏のデルタ』全1巻。

 

普通に青春を謳歌しているように見えながらも、成長と共に抱える悩み。それらがやがて劇中でぶつかりあって…。子供と大人の中間にいる彼らの昏さ、そして相反するような瑞々しさが、心に残る連作集です。劇中で描かれる植物や蝶の美しさも必見。

名づけそむ

志村志保子さん『名づけそむ』全1巻。各話、「名前」に絡んだ人間模様が展開。ときにはハッピーエンドじゃないこともあるけれど、世の中にはきっと、こんな人生のワンシーンがあるのだろうな、と感じさせる大人の短編集です。

かつて家族を捨てた女性が偶然に別れた娘と再会し、「結婚式に出て欲しい」思いがけない誘いを受けるが…という第一話が、とても秀逸。物語の中で「名前」にそういう役割を持たせるのか!と素直な驚きが。

はてなデパート

谷和野さんの『はてなデパート』。深夜のデパートに取り残された少女は、鏡を見て自分が大人になっていることに気づく。誰もいない売り場を堪能するが、そこにはもうひとり―?

…という第一話を皮切りに、とあるデパートで起こる不思議な出来事がファンタジックに綴られていく連作短編集。そこに行けば何だってある、夢のような空間・デパート。その場所に込められた「想い」に、思わず涙腺が…。

はなちゃんと、世界のかたち

植田りょうたろうさんの『はなちゃんと、世界のかたち』。元気過ぎる小学生・はなちゃんと友達・うたちゃんが、ちょっと不思議な冒険をする全6編。

漫画なのに、アニメのようでもあり、絵本のようでもあり、はたまた絵画のようでもある、作者の類まれなる表現力が印象的。はなちゃんとネコが嵐のなか学校をめざす第一話『あらしのかたち』は、思わず息を呑む迫力。引き込まれます。

回游の森

自分の性的指向を知る年下の従妹と再会した男。真夜中に一心不乱に穴を掘る女に出会った少年。爬虫類にしか興味を抱けないエリート会社員…。彼・彼女らの心のなかにある昏い「森」が、不思議と読むものの心を捉えて離さない。それは誰しもが持つ「森」と共鳴するが故なのか…。

か、どうかはわからないけれど(笑)、暗めの絵柄と相まって、読み進めるうちにずるずると深い森の奥に引きずり込まれるような、独特の凄みを感じる短編漫画集、灰原薬さんの『回游の森』。この暗さがたまらない。

HER

ヤマシタトモコさんの『HER』。それぞれの日常生活を普通に送る、5人の女性(と1人の男性)。モノローグで語られるその内面と、終盤で噴出する本音。そして最後はちょっと笑えるオチをつけるw、というオムニバス。

人の内面を見ていく、ということに対する怖さ、居心地の悪さ。そしてあまりにも赤裸々にさらけ出されるナイーブさに感じる、不思議な恍惚感。生々しい人間性がビンビン伝わってきます。しかし赤裸々なままで終わると何だか微妙になるところを、笑いでチャンチャン♪と締める形式が好き。

スターダストメモリーズ

星野之宣さんのSF短編集『スターダストメモリーズ』。全6話から成る連作である表題作とその他7編、計13編の短編を収録。宇宙の神秘を感じる短編から、SFの定番とも言える船内パニックものまで、リアルで幅広いジャンルのSF漫画が詰まっています。

とある惑星に不時着した女性調査員。しかしそこは生物時計の進み方が異常に速い星だった。救助が来るまでに老衰で死んでしまう運命を悟った彼女が取った行動とは―?という『セス・アイボリーの21日』は必見の一編

書道教室

筒井秀行さんの『書道教室』全1巻。逆プロポーズで玉砕、いたたまれなくなって会社を辞めた斉藤さん(29)は、祖母から引き継いだ書道教室で先生をすることに。そこに集う個性的な生徒たちとシュールなコメディを展開する、というギャグ漫画。

気の抜けた感じのフニャッとした、それでいてアート感あふれる線が紡ぎ出す、作者独特の世界観がスゴイ。流れるように進む奇抜かつ不思議なストーリーは、唯一無二の漫画体験。作者の筒井秀行さん、サラッと描いていますが相当絵がウマい

これでおわりです。

小坂俊史さんの『これでおわりです。』。離島の小学校の最後の卒業生、特殊な名字で常に名簿の最後にいる男子、実業団駅伝の最後の走者、高校野球の最後の打者など、いろいろなシチュエーションの「おわり」を各話8Pで描くショート・ストーリー集。

人生で迎える様々な「最後」は、時にドラマティック。それを独特の感性でコミカルに包み込む様子に、思わず笑いがこぼれます。中でも最終話『最後の回』は、実に印象的な一編。普通のOLがふとしたきっかけで送る、ドラマのような人生。その結末は?「おわり」だけれど「おわり」を感じさせない、心に残る「おわり」です。

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まとめ

以上、「連作短編集・オムニバス形式の漫画まとめ」でした。また面白い作品を読み次第、随時追記していく予定です。

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