漫画「デビルマン」がスゴイ!永井豪の傑作バイオレンス・アクション

悪魔と合体、「デビルマン」となった少年・不動明は、人類のためにデーモン族との壮絶な戦いに身を投じていく!

永井豪さんの漫画「デビルマン」。1970年代の発表ながら、今なお強烈なインパクトを与えづける漫画。本記事ではその魅力・凄さをご紹介します。

なお本記事の内容は、電子書籍版「デビルマン」全5巻(ebookjapan配信)を元に記載しています。また紹介の都合上、若干のネタバレを含みますのでご了承を。

「デビルマン」感想

あらすじ・概要

「デビルマン」全5巻は、週刊少年マガジン誌にて1972~1973年まで連載された永井豪さんの漫画。テレビアニメ「デビルマン」とのメディアミックス作品ですが、「原作」としての位置づけではなく、全く別個のストーリーとなっています。

親友・飛鳥了(あすかりょう)から、氷河期時代に地球を支配していた悪魔=デーモン族の存在を教えられた主人公・不動明(ふどうあきら)。その復活に備え自身が悪魔と合体、悪魔人間=デビルマンとなり、人類のためにデーモン族と戦っていく…というのがストーリーの骨子。

人間の心を持ちながら、強力な悪魔のパワーを手に入れた明は、居候をする牧村家の娘・美樹ら人間のために血を流していく。が、強大なデーモン族の力はやがて地球全体を覆い…といったハードでバイオレンスな物語が、迫力のアクションを伴って描かれていきます。

「デビルマン誕生」がスゴイ!(1)

さてこの「デビルマン」。色々とスゴイのですが、まずそもそもの「デビルマン誕生」までの過程がスゴイ

デーモン族は、氷河期以前の地球で覇権を握っていた生命体。弱肉強食の世界で彼らが身につけたのは、ほかの生物あるいは無生物を取り込みパワーアップする「合体能力」

そのデーモン族の合体能力を逆に利用し、強力な「悪魔人間=デビルマン」を作る、というのが飛鳥了の作戦。そのために必要なのが、悪魔に取り込まれない「強い意志と善良な心」。しかし失敗すればデーモンとなってしまうため、完全に乗っ取られる前に死を選ばねばならない

成功すれば死ぬまでデーモンと戦い続け、失敗しても死が待つ運命。さて不動明の選択や如何に!…というところまでが、実に「1巻の約3分の2」を使って描かれます。長い!「1話」で物語が盛り上がるところまで持っていかなければならない昨今の漫画に対し、ありえない尺の取り方。

…なのですが、この明と了のやり取りが緊迫感にあふれていて、スゴ面白い!現代の漫画では絶対に味わえない、迫力と緊張感を与えてくれます。この部分を読むだけでも、「デビルマンはスゴイ」ということを感じられるでしょう。

「デビルマン誕生」がスゴイ!(2)

しかし!まだ!デビルマンが誕生したわけではない。それが成されるのは、飛鳥了が用意したサバト(作中では理性を飛ばすための馬鹿騒ぎ)でデーモンたちをおびき寄せてから。

屋敷の地下に集められた多数の男女が、酒・麻薬の力も手伝って踊り狂う。その中の一人に突如斬りつける飛鳥了。血しぶきが飛び散り、暴力の嵐が吹き荒れるなか、その時は突如やってくる!

壁をすり抜けて室内に侵入したデーモンたちは、人々と合体。理性を失った彼・彼女らは異形の魔物へと変貌。だが、理性を捨てきれなかった不動明に、その時は訪れない。デーモンが明を喰らおうとしたその瞬間!

理性が吹き飛んだ明と、デーモン族の勇者・アモンが合体。人間の意識を残したまま強力なデーモンの力を手に入れた明は叫ぶ。

「おれは!おれは!デビルマンだ!」

かくして不動明が悪魔の力を手に入れるまでが、単行本1巻分を使ってこれでもか!というほどじっくり描かれます。この1巻を読んだだけで、ぶっちゃけグッタリするほどの迫力。永井豪さんのスゴさを思い知らされる「デビルマン誕生編」です

「妖鳥シレーヌ」とのバトルがスゴイ!

デビルマン誕生以降、徐々に人間社会へ侵食してくるデーモンたち。その魔の手は不動明の住む牧村家にも。デーモン族の敵となったデビルマン、その命を狙う刺客として送り込まれたのは、妖鳥シレーヌ

女性型のボディ、両手足の鋭い鉤爪、そして頭部の巨大な翼が特徴のシレーヌ。嵐に紛れてニ匹の部下を牧村家の中に潜り込ませ、デビルマンを抹殺せんとするその戦いが2巻をまるまる使って描かれるのですが、これまた圧巻の迫力。

嵐の夜、牧村家の屋根で微動だにしないシレーヌ。その気配を感じ、真っ暗な部屋で敵を待つ不動明。そして牧村家の人々にデーモンの手が迫り、悲鳴が轟く!

鳴った!戦いのゴングだ!
「大魔王ゼノン!たったいまよりこの家を妖鳥シレーヌののろいで地獄の館と化してごらんに入れましょうぞ!」

部下のデーモンを倒した明は、しかし壁を突き破って現れたシレーヌの鉤爪に腹を貫かれ、夜空へと連れ去られる!

ここからデビルマンVSシレーヌの「死闘」が描かれるのですが、バイオレンスにまみれたスピード感あふれるアクションシーンは、漫画史に残る迫力。一度見たら忘れられないインパクトが。この2巻単独でも、漫画「デビルマン」のスゴさをたっぷりと堪能できます。

「デビルマン」は最終回もスゴイ!

さらに3巻以降、苛烈さを極めていくデーモンとの争いは、不動明=デビルマン個人としての戦いの枠を超え、全地球的なものへと発展。悪魔と人間、果たして生き残るのはどちらか?

物語序盤の伏線を回収しながら、壮絶な地獄絵図が展開される終盤。そして最終回では驚愕のラストが…。これがまったく想像のつかない内容でスゴイ。読み終えたあとはポカ~ンとするかもしれませんが、あとからジワジワ来ます。

これは予備知識無しで読んだ方が絶対!面白いので、ぜひ本編でお楽しみを。そして読み終えると「デビルマン」が漫画のみならず、後世のエンタメに大きな影響を及ぼしていることに気づくでしょう。

「悪魔」と「人間」が合体してするというダークなヒーロー像、バイオレンス過ぎる握力のアクション、そして奇想天外なストーリーを持つ「デビルマン」。その読前読後では、世のエンタメ作品に対する見方が確実に変わるはず

ビジュアルや物語の影響を直接または間接的に受けたであろう作品は、「エヴァンゲリオン」「ベルセルク」「寄生獣」など多数存在。ほかにも「あ、これはデビルマンの影響を受けてるっぽいな…」という作品が結構あります。

ちなみに「デビルマン」が凄すぎて、作者の永井豪さん自身も、その後の作品に影響を受けてたりします(笑)。全5巻というコンパクトさながら、一度読むと忘れられないインパクトのある物語。漫画好きならば読んでおいて損のない作品です。

漫画「デビルマン」まとめ

以上、永井豪さんの漫画「デビルマン」感想でした。全5巻一気読み推奨、というか読み始めると止まらない面白さのある名作漫画です。

なお「デビルマン」は電子書籍化されていますが、AmazonのKindleでは配信されていません。主要な電子書籍ストアでは「ebookjapan」「コミックシーモア」での配信となっています。

紙書籍(新品)の場合は「復刻名作漫画シリーズ デビルマン-THE FIRST-」「新装版 デビルマン(講談社漫画文庫)」などが手に入りやすいと思います。

新装版 デビルマン(1) (講談社漫画文庫)
講談社コミッククリエイト
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ですが紙書籍のデビルマンは、ファンの間ではバージョンによって賛否両論あるよう(詳しくはAmazonレビューをご参照ください)。

私は過去に別の文庫版デビルマンを読んでから、ebookjapanの電子書籍版を読みましたが、文庫版には余分な加筆修正があり、オリジナルに近い電子版の方がストーリー的には腑に落ちました。なので未読の方には電子版をオススメしておきます。

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