名作・トラウマものなど、怖いとわかっていてもついつい読んでしまう!恐怖漫画好きにオススメのオカルト・ホラー漫画まとめです。
本記事では長編ストーリー形式のホラー漫画をご紹介しています。

短編ホラー漫画については、上記のまとめ記事よりご覧ください。
長編オカルト・ホラー漫画リスト
百鬼夜行抄
今市子さんの『百鬼夜行抄』。異様に霊感が強い一族が「魔」に関わっていく日常が描かれる、ロングセラーのホラー漫画。
主人公・飯島律を中心に、彼を守る式神・青嵐(あおあらし)、不思議な縁でつながっている美しい従姉妹たちなど、美麗な筆致で描かれるキャラクターが魅力的。
怖さの中にも日常感があって読みやすい作品ですが、油断してるとトラウマ級の怖い話がぶっこまれてくる!ので侮れない。深みのある恐怖が病みつきになるオカルト・ホラーです。
うずまき
伊藤潤二さんの長編ホラー漫画『うずまき』全3巻。とある町で起こった“うずまき”に端を発する異変は、やがて渦を巻くかのごとく町全体を覆いはじめ…、という恐怖物語。
序盤で描かれる恐怖は、ストーリーが進むにつれギャグっぽく(笑)。しかしそれを真面目にやり通すことで、きっちりと「ホラー漫画」に仕立て上げるのが、伊藤潤二さんならでは。
幻想的な雰囲気と不気味さが両立する、唯一無二の世界観に注目。
コワい話は≠くだけで。
原作:梨さん+漫画:景山五月さんの『コワい話は≠くだけで。』(こわいはなしはきくだけで)。2023年7月現在、2巻まで刊行中。
「現代の怪談話」と「そのコミカライズを担当する女性漫画家が出会う恐怖」という、2重構造を持つ新感覚のオカルト・ホラーです。
まず「一般人から募集した怪談話」がシンプルに怖い!作者の洗練された作画とも相まって、独特の恐怖あり。さらに怪談話が「女性漫画家のリアルを侵食」するかのような、ふいに襲ってくる恐怖がまた怖い!
巧みな構成と「仕掛け」で、やがて読者も漫画家の心情にリンク、恐ろしさを共有していく…。そんなヴァーチャル感にゾクッと来ます。
【マンガ多すぎ!コミックシーモア】
おろち
楳図かずおさんの『おろち』全4巻。超常的な力を持つ美少女”おろち”が、時に傍観者として、時に登場人物の一人として物語を牽引していくオムニバス・ホラー。
グロ・スプラッタ表現は控えめで、非常にドラマ性の高い物語が展開されるのが大きな特徴。社会的な問題も含むストーリーや、美麗なビジュアルにも大きな魅力があります。
1969~1970年の作品ながら、今なお色褪せない面白さと恐怖を内包した漫画。楳図かずおさんの凄さを感じることができる名作ホラーです。
裏バイト:逃亡禁止
田口翔太郎さんの『裏バイト:逃亡禁止』。2023年9月現在、10巻まで刊行、以下続刊。
お金が必要な訳あり女性コンビが、異様な高額報酬が約束されている裏バイトにチャレンジ。恐怖の体験をしていく、都市伝説風味のオカルト・ホラー漫画。
人里離れたレストランのウェイトレス、病院の投薬治験、怪しい荷物の運び屋など…。「絶対怖いことが起こると分かっているシチュエーション」で、しかし予想を上回る怖さを与えてくれる物語運びが絶妙。
「バイト」というワードに感じるヴァーチャル感も怖さを増幅、令和イチオシのホラー漫画です。
『裏バイト:逃亡禁止』は、連載している小学館のマンガアプリ「マンガワン」でも無料で読めます。
魔法使いの娘
那州雪絵さんの『魔法使いの娘』。全8巻完結。
「最強の陰陽師」である義父にもつ主人公・初音が、義父の弟子・兵吾と式神・小八汰とともに、怪奇現象に巻き込まれていくホラーストーリー。
えげつない表現に頼らず、物語運びできっちり怖がらせてくるオカルト・ホラー漫画。物語の進行とともに、初音の出生にまつわる秘密が明らかになっていく、というストーリーにも注目。
魔法使いの娘ニ非ズ
上記『魔法使いの娘』の続編『魔法使いの娘ニ非ズ』全7巻。
ゲストキャラクターのオカルト案件に主人公たちが絡んでいく、という形式にシフトした本作。自身が陰陽師となった初音が、パートナーの兵吾とともに、恐怖の出来事に関わっていきます。
「読み切りの恐怖短編」感のある各話は、前作よりホラー度がアップして非常に怖い!と同時に「初音と兵吾の物語」の決着も読み応えあり。ホラー漫画の枠にとどまらない、ストーリー漫画としても面白みのある作品です。
怪異界
宮尾行巳さんの『怪異界』。2023年9月現在、1巻が刊行中。人生に絶望した薄幸のOLが、山で出会った妖怪「ヌエ(鵺)」とともに、「怪異の解決屋」として活動していく物語。
リアルな絵柄が持ち味の作者が描く、民族的怪異現象から近代都市伝説まで幅広く網羅したオカルトネタが、何とも不気味で恐ろしい!
しかしガチガチのホラーかと思いきや、随所に仕込まれた「笑い」も意外な面白さ。恐怖とコメディがいい感じに融合したホラー・ストーリーとなっています。
『人魚の森』シリーズ
『人魚の森』『人魚の傷』『夜叉の瞳』から成る、高橋留美子さんの『人魚の森』シリーズ全3巻。
口にした人間は不老長寿、または異形の怪物となる「人魚の肉」。それを食べて以来、死を求めて500年間さまよう青年と、同じく不老長寿となった少女の旅路を描くホラー漫画。
高橋留美子さんの漫画、と言うと明るいラブコメが思い浮かびますが、これは人魚絡みの怪異、そして人魚の肉を求める人々の狂気が、ひたすら怖い。
が、怖いだけではなく、物悲しさの漂う情緒あふれるストーリーも印象的。残念ながら未完ですが、それが気にならない面白さを持つ名作ホラー漫画です。
死人の声をきくがよい
ひよどり祥子さんのホラー漫画『死人の声をきくがよい』全12巻。
死人が見える岸田くんと、彼のそばを「物言わぬ幽霊」となって漂う早川さんが出会う怪異の数々、を笑いに絡めてくコメディ・ホラー。
都市伝説・宇宙人・謎の生物・伝説のモンスター・妖怪・パラレルワールド・犯罪・病原菌・カルト宗教など、これでもか!とぶっ込まれるオカルト・ホラー系のネタが多彩過ぎ。
そしてそのどれもに背筋が凍えるような恐怖要素と、ホラーらしからぬ笑いが詰まっていて独特の面白さ。作画もレベルが高く、飽きずに楽しめる異色の恐怖漫画です。
魔法のつかいかた
草間さかえさんの『魔法のつかいかた』。
現代に生きる「魔法使い」と、彼の弟子となった小学生男子。二人の交流と仄暗い「魔法使いの世界」を描くオカルト・ホラー漫画。2022年現在、5巻まで刊行中。
全体像が見えにくい作品なのですが、作者の魅力的なキャラクター描写と繊細な構成で、物語にグイグイ引き込まれていくストーリー性が魅力。
そして徐々に顕になっていく「魔法使いの世界」に感じる、世の中の闇を覗いているような「おどろおどろしさ」がゾクッと来る。他のホラー漫画とは一味異なる恐怖があります。
七夕の国
岩明均さんの『七夕の国』全4巻。
物体に小さな穴を開ける、という冴えない超能力を持つ大学生が、自身のルーツが絡んだ事件に巻き込まれていく伝奇SFホラー。
作者の代表作『寄生獣』に負けず劣らずの怖さを持ちながら、物語の根底に宇宙への憧憬を感じるストーリー。超能力を交えたサスペンス要素も見ものです。
「穴を開ける」能力の持つ真の意味を知った時に、きっと読み手は恐怖するだろう。
惑星クローゼット
“つばな”さんの『惑星クローゼット』全4巻。
夢の中の世界で少女・フレアに出会った中学生・あいみ。記憶を失くした彼女を助けようとするが、それは過酷で恐ろしい冒険の始まりだった…!というSFテイストのホラー漫画。
カワイイ女の子に定評のあるつばなさん。そのカワイさはそのままで、しかしホラー表現はきっちり怖い。特に「人体が変形する系」の恐怖表現はトラウマ級。
グロテスクなんだけど、微妙なラインで成り立つ美しさがあります。ストーリーもドキドキ度が高く、全4巻でいい感じにまとまった秀作SFホラーです。
僕が死ぬだけの百物語
非常に不穏なタイトル、的野アンジさんの『僕が死ぬだけの百物語』。2023年8月現在、6巻まで刊行中。
小学生男子が語る百物語という形式で、一話に一つの恐怖が描かれる新感覚のホラー・オムニバス。
オカルト・怪奇話・不条理もの・痛い系の話など、バラエティに富んだ各話。短いページ数の中でスムーズにストーリーが進み、そしてきっちり怖い!
さらにそれを語る少年の生活風景にも、不穏な空気が…。百物語を語り終えた時、果たして少年の身に何が起こるのか?
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報いは報い、罰は罰
森泉岳土さんのゴシック・ホラー『報いは報い、罰は罰』。
風変わりな一族に嫁ぎ行方不明となった妹を探しに、山奥の洋館に足を踏み入れた女性を襲う惨劇を描く上下巻。
水と墨を用いた独特な技法で描かれる、恐怖の夜。グロテスクな描写に頼らず、丹念に積み上げられた空気によって形作られる漆黒が、読み手の心をとらえて離さない。
何度読んでも恐ろしいホラー感と、何度でも読み返したくなる流麗な美しさを持つ、唯一無二のホラー漫画です。
I.C.U.
元科学者・霊の見えない除霊師・霊感の強すぎる少女。三人がチームを組んで除霊稼業を行う様を描いた、タイム涼介さんのホラー漫画『I.C.U.』全3巻。
迫力の心霊描写と、タイム涼介さんの独特な絵柄・軽妙なセリフ回しがクセになる、隠れたオカルト漫画の秀作。異色のチームによるおどろおどろしい除霊シーンが見もの。
まとめ
以上、怖いけど!ページをめくる手がとまらなくなる「おすすめオカルト・ホラー漫画まとめ―がっつり怖い!長編ストーリー」でした。
恐怖系の漫画っておっかなびっくり読みつつも、ついついその面白さにはまってしまいますよね。お部屋の明かりを落としてお楽しみください。
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