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唯一無二の民俗オカルト・ホラー!諸星大二郎『妖怪ハンター』まとめ

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異端の考古学者・稗田礼二郎が、日本各地の民俗的怪奇現象に遭遇する『妖怪ハンター』シリーズ。

諸星大二郎さんの代表作の一つであり、唯一無二の世界観を持つオカルト・ホラー漫画です。

本記事では漫画『妖怪ハンター』シリーズの概要と、現在読める既刊単行本をまとめています。

漫画『妖怪ハンター』あらすじ・概要

漫画『妖怪ハンター』は、1974年に少年ジャンプで初期シリーズを連載。以降、主に集英社系の雑誌に掲載、約50年の歴史を持つ人気オカルト・ホラー漫画

「妖怪ハンター」と揶揄される異端の考古学者・稗田礼二郎が、日本各地で怪異・超常現象に遭遇する様が描かれていきます。

その面白みは「日本古来の神話・伝説や民俗などをベースにした」怪異やクリーチャーの描写

作者・諸星大二郎さんの独特な筆致より生み出されるそれらが、他に類例を見ない不気味さ・ホラー感を与えてくれます。

なお稗田礼二郎は「主人公」ですが、退魔能力などは特に持たない「狂言回し」的ポジションである、というのも『妖怪ハンター』の特徴。

読者が「稗田とともに怪異の推移を見守る」という物語運びが、一般的なホラー漫画とは異なる独特の読後感に繋がっています。

『妖怪ハンター』単行本レビュー

以下、『妖怪ハンター』シリーズの単行本紹介です。

妖怪ハンター  地の巻

初期シリーズ全3巻の初巻『地の巻』。稗田礼二郎が初登場する『黒い探求者』などを収録した短編集です。

  • 九州の小さな村で怪物「ヒルコ」の目撃情報が。その地にある古墳で、異界への扉を開いた稗田が見たものは…?『黒い探求者』
  • 東北の「かくれキリシタン」の里で起こった殺人事件。さらに村の”はなれ”では住人全員が失踪。そこで驚愕の出来事が起こり…『生命の木』
  • 地域振興のために大鳥居を再建した町。しかし鬼門に向けて建立したことから、奇怪な現象が…『闇の客人(まろうど)』
  • 山奥の洞窟内に空いた無数の「穴」。そこへ飛び込んだ者は、運が良ければ成功への道へ。しかし運が悪ければ…?『蟻地獄』

など、『妖怪ハンター』シリーズの醍醐味が詰まったエピソードを収録。短編ホラー漫画集としても読み応えのある一冊です。

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妖怪ハンター  天の巻

『妖怪ハンター』初期としては珍しい、長編形式のシリーズ『天孫降臨』などを収録した『天の巻』。

飛行機事故から奇跡的な生還を遂げた天木薫・美加兄妹。不思議な力を授かった彼らの冒険が、「花咲爺」「瓜子姫」「天邪鬼」など日本古来の伝説・昔話を絡めて描かれます。

なお兄妹はのちに、『妖怪ハンター』シリーズの準レギュラー的な存在に。「狂言回し」である稗田礼二郎に代わり、物語を大きく動かしていきます。

ほか同時収録の『天神さま』が、民俗学ホラーとして珠玉の出来。「通りゃんせ」をモチーフに描かれる、神隠しにあった少女を巡る怪異。人知の及ばぬ「神の世界」、そのほの暗さに思わずゾッとする…。

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妖怪ハンター  水の巻

天木薫・美加兄妹と同じく、「稗田の生徒たち」に位置づけられる中学生カップル・潮と渚が、収録作の多くに登場する『水の巻』。

  • 片方は人間の、もう一方は化け物の漁場といわれる離島「西島」と「東島」。合わせ鏡のようなその島で、二人が出会ったものは…?『鏡島』
  • 霧の日に突如現れる謎の宝船。「七人目」を探して彷徨うその船に、渚の魂がさらわれて…『六福神』

などのホラー短編が描かれます。「水」「海」といったワードは、怪奇話と相性が良いのは言うまでも無し。『地の巻』『天の巻』とは一味異なる恐怖が楽しめます。

オススメは『産女(うぶめ)の来る夜』。雪に囲まれた村に残る奇妙な風習と、それが引き起こす恐怖。これぞ民俗ホラー!と言うべき恐ろしさがあります。

稗田のモノ語り 魔障ヶ岳 妖怪ハンター

初期シリーズより8年のち、講談社メフィスト誌にて連載された『魔障ヶ岳 稗田のモノ語り』。『妖怪ハンター』初の単行本一冊分を使った長編ストーリー形式です。

秘境「魔障ヶ岳」の山奥で、名前のない「モノ」に出会った3人の男女。それぞれが「モノ」に思う名を付け、不思議な力を手に入れるが、思わぬ結末を迎えて…?

『妖怪ハンター』らしい、静かでひんやりした空気の漂う和風ホラー。集英社時代より若干アダルトさを増した感じが新鮮。新キャラクターである新興宗教の教祖・岩田狂天がいい味出してます。

闇の鶯

『妖怪ハンター』シリーズの2編を含む、計5編を収録した短編集『闇の鶯』。

高校生になった潮と渚が主人公の『それは時には少女となりて』。浜辺で見つけた「裸の女の子」を連れて帰った潮。その日から奇妙なことが起こり…?海に引きずり込まれそうな「怪異」が、あいも変わらず不気味。

京極夏彦さんのトリビュート集が初出の『描き損じのある妖怪絵巻』。出自のわからない妖怪絵巻。稗田がそのルーツを探ると、とある旧家に行き着くが…?徐々に浮かび上がってくる真実、そしてラストが怖い!

その他『妖怪ハンター』ではありませんが、森林開発をする人間たちと、彼らを慈しみつつもそれに対抗する山姥(山母)を描く表題作『闇の鶯』が秀逸な一編。日本古来の民俗的要素を散りばめたストーリーに、諸星大二郎らしさが詰まっています。

妖怪ハンター 稗田の生徒たち

妖怪ハンター 稗田の生徒たち』。天木兄妹が主人公の二編と、潮と渚がメインの前後編を収録した作品集です。

※正式タイトルは『妖怪ハンター 稗田の生徒たち 美加と境界の神 / 夢見村にて / 悪魚の海』。2023年現在、紙書籍のみの刊行。

  • 大人形が見下ろす不思議な坂で、天木美加が生死の境を体験する短編『美加と境界の神』。
  • 民俗学のフィールドワークで「見た夢を売買する村」を訪れた天木薫が体験する恐怖『夢見村』。
  • 海女修行から逃げ出してきた同級生をかくまった潮と渚が、人魚にまつわる恐ろしい怪異に巻き込まれていく『悪魚の海』。

「稗田礼二郎の教え子」的な若者たちが活躍する中短編はフレッシュながら、しかし描かれる恐怖は『妖怪ハンター』シリーズならではのもの。読み応えのある恐怖が堪能できます。

なお『妖怪ハンター 稗田の生徒たち』には、先に刊行された『妖怪ハンター 稗田の生徒たち 1 夢見村にて』が存在します。

こちらは電子版も出ていますが、『美加と境界の神』は未収録。2巻も刊行の予定は無いようなのでご注意を。

『妖怪ハンター』まとめ

以上、諸星大二郎さんのオカルト・ホラー漫画『妖怪ハンター』シリーズのご紹介でした。

『妖怪ハンター』はオリジナルの単行本が長らく絶版状態でしたが、『地の巻・天の巻・水の巻』の文庫化・電子書籍化で手軽に読めるようになりました。

その他のホラー漫画とは全く似ていない、諸星大二郎さんならではの恐怖世界をぜひ楽しんでみてください。

『妖怪ハンター 地の巻』収録の『黒い探求者』は、1話分がまるまる試し読みできます!

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