漫画『魔法のつかいかた』―不穏な空気がジワジワと精神を侵食するホラー・ドラマ

「魔法を使うには 二つ約束がある」

草間さかえさんの漫画『魔法のつかいかた』。現代に生きる「魔法使い」の男性と、その「弟子」となるためにさらわれた少年。

二人の交流と怪しげな世界が、ほの暗く描かれていくオカルト・ホラー作品です。

『魔法のつかいかた』は新書館の漫画雑誌『Wings』にて連載中。オリジナルは草間さかえさんが同人で出していた作品で、本作はそれをリメイクしたもの。2022年2月現在、単行本が5巻まで刊行中。

『魔法のつかいかた』感想・レビュー

あらすじ

現代に生きる「魔法使い」塚上泉太郎(つかがみ・せんたろう)は、「魔法」で見つけた「探し物」に会うために、とある公園へ。

そこでブランコから故意に落ちようとする、小学生・春生(はるき)を発見。彼こそが「探し物」であることを理解し、その命を助ける。

実は複雑な家庭環境により虐待を受け、死を望んでいた春生。泉太郎は彼に問う。

「君は僕に誘拐されても構わない?」

一週間後、約束を果たした泉太郎。さらった春生を自らの弟子とし、共に暮らすように。一方の春生はその暮らしの中で、恐ろしくも不思議な「魔法使い」の世界に触れていく―。

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魔法使いと少年の二人暮らし

問題のあった家庭を、望んで離れた少年・春生。彼をさらって弟子とした、魔法使い・泉太郎。

漫画『魔法のつかいかた』ではそんな二人の共同生活を軸に、「魔法使いの世界」が描かれていきます。

なお本作における「魔法使い」とは「とんがり帽子に杖」といったステレオタイプのものではなく、「悪魔と契約、呪術的な能力を使い、社会の暗部で活動する職業」というイメージ。

そして「魔法」には、

  • 一人の魔法使いが使えるのは、「契約した相手(悪魔)が持っている魔法の内の一つ」と「探し物の魔法」の2つだけ
  • どちらの魔法も自分のためには使えない

というルールが存在。泉太郎や同業者の属する「組合」周辺で、時には死にも関わる魔法がひっそりと使われている、という世界観です。

絶妙なキャラクター描写

さて『魔法のつかいかた』。物語の基本は、泉太郎と春生のアットホームな生活。その背景のところどころで、社会の裏側で蠢く「謎多き魔法使いの世界」が描かれていく、という感じ。

世界観・全体像の開示が比較的ゆったりとしたもので、物語構造の把握にちょっと時間がかかるやもしれません。

が、草間さかえさんの独特な絵柄とコマ割り丁寧に描かれる人物描写、そして全てを語らない思わせぶりなストーリー展開が、逆に「気になる」面白さを創造。

また泉太郎と春生はじめ、「同僚」の魔法使い・絹子、その弟子・雅、「組合」所属の事務方・紘嗣など、各キャラクターの人間性や距離感の描き方が絶妙

1巻・2巻…と読み進めていくにつれて、その独特な世界にどっぷりハマらされていく感覚があります。

「不穏」な空気が怖い…

そんな泉太郎・春生らキャラクターの和やかな会話の一方で、徐々に明かされていくのが、「魔法使いの世界」。

泉太郎・絹子以外にも、その他大勢の同業者が存在。それぞれが悪魔と契約し、精神的・物理的な魔法を駆使、「社会の裏側」で活動しているのですが、それに絡んで作中のところどころで描かれる、オカルト・ホラー表現がなかなか怖い…!

グロ描写やページをめくるとビックリ、というタイプのホラーでは無く、物語の流れから雰囲気をじんわりと高めて描かれるそれ。精神的にジワジワ来るタイプのホラー感で、背筋がヒンヤリするような。

そして巻が進むにつれ高まってくる「不穏な空気」。「このまま読んでると何か恐ろしいことが起こるんじゃないか…?」と思わされていく。そんな恐怖がまた大きな魅力となって、読み手を深みに引き込んでいきます。

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まとめ

以上、草間さかえさんの漫画『魔法のつかいかた』の感想・レビューでした。

明快な説明と理屈が示される漫画が好き、という人には向かないタイプの漫画ですが、雰囲気・世界観に浸ることができれば、その不思議な魅力にどこまでもハマれるでしょう。

ホントになかなか説明のしづらい漫画(笑)なのですが、オカルティックなドラマが好きな方に手にとっていただきたい作品です。

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