漫画『樫村一家の夜明け』―沙村広明・岡村星の夫婦合作短編集

長年引きこもりの長男。人生をやり直すべくリビングへ向かうと、そこにはヤクザに囲まれた父親が―?

同名の表題作を含む短編1本+中編2本を収録した『樫村一家の夜明け』。沙村広明さん・岡村星さんによる「夫婦合作」の作品集です。日本文芸社より全1巻が刊行。

『樫村一家の夜明け』感想・レビュー

概要

『樫村一家の夜明け』は、沙村広明さん・岡村星さんの「漫画家夫婦」による作品集。以下3編の短編・中編を収録しています。

  • 樫村一家の夜明け(沙村広明・全1話)
  • アンチ・ドレス(岡村星・全3話)
  • ミッシングコード(岡村星・全4話)

『樫村一家の夜明け』と『ミッシングコード』は作者は異なりますが、登場人物の一部が連動。全体的にも、夫婦相互の意見が取り入れられているようです。

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収録各話の紹介・感想

以下、収録各話の紹介と感想など。

『樫村一家の夜明け』

引きこもりの長男・訳ありな父・母の死に絡んで兄を恨む妹。そんな家族がヤクザの介入をきっかけに変革していく、という沙村広明さんの短編。

シリアスな絵柄とエキセントリックなストーリーは、文句なしの面白さ。沙村広明らしさ満開のハードボイルドな妹がイカす(笑)。

ネタバレしちゃうと面白くないタイプの漫画なので、予備知識無しで読むのがオススメ。

『アンチ・ドレス』

女性向けファッションで成功するも、女性のことがもうひとつ理解できない男性デザイナー。スランプを脱するため、過去に作ったワンピースを探すが…。

岡村星さんによる全3話。「服に(比喩的に)呪いをかけられた人々」が、ワンピース探しを通して気づきを得ていく物語。

ラストがややパンチが弱い気もするが、ひとひねりあるテーマ、絵柄も含めてシリアスな雰囲気は嫌いじゃない。

ちなみに岡村星さんは、『テンタクル』『ラブラブエイリアン』などの著作がある漫画家さん。

『ミッシングコード』

「私 人を殺しました」

性犯罪者を刺殺、出頭した女子高生。そのきっかけは、同級生の失踪事件だった…。

同じく岡村星さんによるサイコ・スリラー全4話。凄惨ながらも単純と思われた事件は、女子高生の証言・謎の暗号から複雑な様相を見せ始め、やがて意外なラストへ。

作者の絵柄と非常にマッチした内容で面白かった。作品のメッセージがストレートに伝わってくるのも○。『樫村一家の夜明け』との連動があるのも、夫婦合作単行本ならではの面白み。

『樫村一家の夜明け』まとめ

以上、沙村広明さん・岡村星さんの漫画『樫村一家の夜明け』の感想・レビューでした。

Amazonのレビューでは、特に沙村広明さんの漫画を期待した人から、ちょっと辛辣な評価もある本作。実際にあとがきで「沙村広明のネームバリューを期待して…」とあるのは、自虐ネタだだとしてもちょっと残念。

ですが個人的にはシリアス系の短編が好きなので、満足。漫画家夫婦の合作単行本というのも面白い試みだと思います。短編漫画好きの方は、ちょっと変わり種の短編集としてチェックしてみては。

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