SF漫画漫画感想・レビュー短編漫画集

平均気温が52℃を超えた夏―漫画『夏を知らない子供たち 山本和音作品集』

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漫画『星明かりグラフィクス』『生き残った6人によると』の著者・山本和音さんの初短編集『夏を知らない子供たち 山本和音作品集』。

表題作『夏を知らない子供たち』ほか、デビュー作含む数ページ~数十ページの短編11編を収録。265Pのボリュームを持つ読み応えバツグンの短編漫画集です。

『夏を知らない子供たち 山本和音作品集』感想・レビュー

SF風味から現代劇・ファンタジーまで。直線と曲線が入り混じった、グラフィックデザイン感あふれる描画に乗って展開される、ポップでライトな物語の数々。

流れるようなストーリーの中に織り込まれた、読み手の心にチクッと爪痕を残していく感覚がとても!良い。

個人的には、太陽で過酷な労働に就く若者の様子を描く『太陽からの手紙』、平均気温が52℃を超えた2150年の夏『夏を知らない子供たち』など、SF作品が好み。ライトなSF感覚が楽しめます

ほか、学業よりも恋愛を重視する世界の異質な恋物語『恋と夜をかけろ』や、デビュー作『100万ドルは安すぎる』も、意外性のある面白さ。

6PのSFショート『銀河鉄道の女』や、ファッショナブルな変身ヒーロー描く『コーディネートレンジャー』は、短いながらも思わずニヤリとしてしまう、印象的な短編。

「初短編集」というとクオリティはそれなり、なんてことも多いものですが、収録の11編どれもに独特の魅力・面白みがあるのは、「読み切り漫画が大好き」という作者ならでは

山本和音さんの長編漫画に興味がある方への、入門書としてもオススメです。

『夏を知らない子供たち 山本和音作品集』まとめ

以上、短編漫画集『夏を知らない子供たち 山本和音作品集』の感想・レビューでした。

初期作から近年の作品まで、作者の作風を存分に楽しめる一冊です。なお巻末には、山本和音さん自らによる「作者解題」を収録。こういうの、製作の背景が感じられていいですよね。

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