「凍牌-裏レート麻雀闘牌録-」―ビックリするほどバイオレンス!な闇社会麻雀漫画

昼は普通の高校生。しかし夜は一転、ヤクザの「代打ち」として非合法な闇麻雀に臨む少年を描く漫画「凍牌(とうはい)-裏レート麻雀闘牌録-」。

作者は志名坂高次さんで、全12巻完結済み(続編あり)。裏社会の片隅で行われるギャンブル…と言うには凄惨過ぎる、バイオレンスな内容が魅力の麻雀漫画です。

「凍牌-裏レート麻雀闘牌録-」感想

あらすじ・概要

「凍牌-裏レート麻雀闘牌録-」の主人公・ケイ。表の顔は高校生だが、夜は「K」として高レートの賭け麻雀に臨む雀士、通称「氷のK」

スリルを求めて麻雀の世界に足を踏み入れたKだが、故あって手元に置くことになった東南アジア系の女の子・アミナのために、危険を犯しながらも稼ぎの良い賭場を渡り歩く。

冷静沈着な思考力を武器に、「氷のK」としてその名を馳せていくK。やがて暴力団・高津組の代打ちとなり、金・女・臓器が絡み魑魅魍魎が暗躍する裏社会で、壮絶な麻雀バトルに身を染めていく…。

…というのが「凍牌(とうはい)-裏レート麻雀闘牌録-」の主なあらすじ。ヤクザの絡む裏社会を舞台とした麻雀漫画で、迫真かつ凄惨な闘いが展開されていきます。

なお「凍牌」は麻雀漫画ですが、連載は麻雀専門誌ではなく秋田書店「ヤングチャンピオン」誌。続編も含めて30冊以上のコミックスが刊行されているという、異色の作品です。

※「凍牌」にはいくつかのスピンオフが存在していますが、それらは竹書房の「近代麻雀コミックス」より刊行されています。

氷のK

主人公・ケイの裏社会での字名は、「氷のK」。その強さの秘密は「超人的な記憶力」と「論理的な思考」

100日間の食事内容や100回分の和了の待ち牌を「そら」で言える記憶力により、相手の仕込んだガン牌や一枚一枚違う竹牌の模様を覚えることが可能。そしてその記憶力を活かし卓の状況を冷静に判断。相手をコントロールしながら、自らの和了を確実なものにしていきます。

雀士として超強力な能力を持つKですが、それが彼の強さの本分にあらず。その本質は、自分に降りかかる危険や相手の生死にもブレない、冷徹な精神。相手の心が折れる時、「震えてますよ?」のセリフとともに浮かべる冷酷な表情。彼が「氷のK」と呼ばれる所以です。

心の奥底で極限のスリルを求め、雀士として冷酷非道な振る舞いをするK。一方、同居する少女アミナや幼馴染・優のためならば、自らが傷つくことも厭わないという面も。不思議な魅力を併せ持つブラックなヒーロー像が魅力の主人公です。

バイオレンスな麻雀バトル

そのKの戦場は、裏社会で行われる非合法な麻雀勝負。当初はブローカー・関のマッチングにより賭け麻雀を行っていたKですが、物語途中より暴力団・高津組の代打ちとして卓につくように

「代打ち」という言葉にピンとこない方もいるかもしれませんが、要は組の看板を背負って麻雀勝負に挑む雀士のこと。組同士の争いを「平和的に」解決するための麻雀勝負や、シマを荒らすギャンブラーとの対決に、Kら腕に覚えのある代打ちが駆り出されます。

しかしこの麻雀勝負がバイオレンスに満ちて…いや、バイオレンス過ぎて実に凄惨!

高額な金、またはそれに類するものが賭けられている真剣勝負。それだけに勝負に破れた代打ちには悲惨な運命が。時には勝負の最中にも己の身体に影響のある出来事、例えば手足の指を切断する、という事象が起こったり。

「凍牌」序盤で起こったショッキングな勝負は、高津組の代打ちとして力を試されることになったKが右足小指を切断され、「1万円を2万円にしてきたら小指を返す」と行きずりの雀荘に放り込まれるもの。

そこには偶然にもライバル的な強敵がいたりして、決して容易ではない闘い。痛みと出血で朦朧とする意識の中で、果してKは小指を取り返せるか?という目を離したいけど離せない、痛々しい麻雀バトルが繰り広げられます

その結末も読者の予想を超えるおもしろさなのですが、この麻雀バトルを皮切りに、その後も「麻雀漫画」の範疇を超えた過激かつ凄惨な闘いが続出(ハ○キリしたりとか)。

が、このバイオレンスが生み出す緊張感が、「凍牌」に引き込まれる大きな要素。息を呑まずにはいられない迫真の麻雀バトルは、一度踏み込んだら引き返せない面白みがあります。

ちなみにビックリするほど登場人物たちが死ぬので気が抜けないのも、「凍牌」の特徴。

強烈な存在感を放つライバルたち

凄惨な闘いが繰り広げられる「凍牌」の世界ですが、それを盛り上げるのは過激さのみにあらず。

Kに破れたために破滅を求めシャ○中となった畠山や、勝った相手の指を切り取る流れの美女雀士・アイなど、個性派というにはアクの強すぎる、強烈なキャラクター性を持つKのライバル雀士たちも、本作の大きな魅力の一つ。

そして、それらライバル雀士たちの中でもとりわけ強烈な存在感を放つのが、一匹狼の裏雀士・堂嶋

一見、金髪のチャラいホスト風な堂嶋ですが、一度決めたことは何があっても曲げない頑固さを持つ男。小狡い「通し」(※イカサマの一つ)をするKをぶっ飛ばしたり、「負けたら自分の両腕を切断してもいい」と宣言したり、その男っぷり、腹の据わり具合が気持ちいいほどカッコいい!

そして緻密で冷静な麻雀を打つKとは対照的に、「波」を重視する雀風。一度ビッグウェーブを掴むと大物手を上がり続け、場を支配する、実に豪快な男。Kと共闘することもありますが、基本的にはライバルである、ある意味『「凍牌」のもうひとりの主人公』とも言える存在です。

その個性の強さ故か、堂嶋を主役としたスピンオフ漫画牌王伝説ライオン」「牌王血戦ライオン」も存在。一度姿を見せるともうその存在から目が離せない、主役を喰っちゃうキャラクター(笑)、それが堂嶋!です。

迫真のラストバトル「竜鳳位戦」

過激な裏麻雀が続く「凍牌」も、しかし終盤戦に入るとバトル系漫画お約束?の麻雀大会に。「表の世界で箔をつけろ」という高津組長からの命により、Kは日本一の雀士を決める「表」の大会「竜鳳位戦」に参加することに。

しかしこの「凍牌」で、ただの麻雀大会が描かれるわけがない!

実は日本を動かす力のある「名簿」が賭けられているその大会。そこに堂嶋ら強力なライバルたちが集い、そして高津組長とも因縁のある「伝説の雀士」が参加。麻雀の猛者が集まる大会で、果してKは優勝できるのか…?という迫真のクライマックスが展開されていきます。

その闘いの中で場を支配していくのが、Kのテクニックを上回り和了を続けていく伝説の雀士。そこには謎があり、Kは勝利のためにその謎を解けるのか、という展開が面白い。

そして気になるKの行く末。「主人公の少年」と言うにはあまりにも悪魔的・冷酷な、「氷のK」であるケイの生き様が、読み手に大きな印象を残します。自身の未来、そして守るべき少女・アミナのために、苦しみながらも戦い抜く彼が、最後に浮かべる表情は…?

まとめ

以上、志名坂高次さんの漫画「凍牌(とうはい)-裏レート麻雀闘牌録-」全12巻の感想でした。

「麻雀漫画」という括りとしては非常にバイオレンス色の強い作品。裏社会の気分が悪くなるほどの凄惨さもあり、なかなか読み手を選びそうな漫画ではあります。

が、作中で描かれる闘牌は実に本格的。またKや堂嶋はじめ、アクの強いキャラクターたちの存在感も大きな魅力。読み始めると彼らの鬼気迫る打牌から、目が離せなくなること請け合いです。

なお本作は12巻完結ですが、物語はKのさらなる闘いを描く全16巻完結凍牌(とうはい)~人柱篇~、そして2020年現在連載中、単行本7巻まで刊行の凍牌~ミナゴロシ篇~と続きます。

こちらも激烈に面白いのですが、まずは「凍牌(とうはい)-裏レート麻雀闘牌録-」より、Kの闘いをご堪能あれ。面白いよ!

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