シベリカ子さんのコミックエッセイ「おいしいロシア」を読みました。
かわいいイラストで描かれた料理が、ところせましと並ぶ表紙です。「日本から一番近い国」と尋ねられると中国や韓国を思い浮かべますが、実はロシアもお隣さん。
中華料理や韓国料理は今や日本の食文化においても一般的になりましたが、「ロシア料理」と聞くと何を思い浮かべますか?まずはボルシチ。それから…あ、ピロシキもありましたね!それから、それから…。
うーん、なかなか思い浮かびませんね(笑)。
でもこの「おいしいロシア」が、そんな近くて遠いロシア料理を、実際にロシアで生活された作者がほのぼのタッチで紹介してくれます。
ロシア生活のきっかけ
シベリカ子さんは日本人女性。サンクトペテルブルク出身のロシア人・P氏と日本で知り合います。
その後親交を深めた二人は「なんやかんやで」結婚。ある日P氏から「いい経験になるから1年間だけロシアで住まない?」と提案が。
ちょっと「おそロシア」なイメージのあったシベリカ子さんですが、「いいところが沢山ある」とP氏の説得に少しほだされ(?)。
P氏の故郷でもあるということで、ロシア語の勉強も兼ねて1年間だけロシア・サンクトペテルブルクに済むことを決意。
そんなシベリカ子さんが、基本、食文化を中心にロシアを楽しく紹介してくれるのがこの「おいしいロシア」です。
感想・レビュー
楽しく読めました!ロシア、というかロシアの食べ物に俄然興味がわきましたね。
まずは日本でも馴染み深い「ボルシチ」から紹介。ベーシックなボルシチの作り方から完成まで。シベリカ子さんのイラスト、決して写実的ではないんですが、シンプルな線と色使いですごくわかりやすい!写真でもないのにヨダレがわきます(笑)。
とそんな中で「夏に食べる冷やしボルシチもある」なんてサラッと紹介。マジですか!
「ロシア=寒い」から温かいボルシチというイメージでしたが、まさかの冷やしバージョン。これはビックリ。
続いてロシア番ロールキャベツ「ガルプツィ」。ロシア版サワークリーム「スメタナ」。ロシア版クレープ「ブリヌイ」。などなど。だんだん耳慣れない料理が増えてきて。シベリカ子さんの体験するロシア生活に交えて、次第に高度な?ロシア料理が紹介されます。
その料理がどれもおいしそうでおいしそうで!レシピもイラスト付きで載っているので、いつか材料を揃えて作ってみたいですね。
まとめ
というわけでシベリカ子さんのコミックエッセイ「おいしいロシア」。脳内でおいしいロシア料理をたっぷり堪能させていただきました。
シベリカ子さんのイラストはホイチョイ・プロダクションズのタッチに近いかな?線がすごくシンプルなんですが、物でも風景でもその特徴をピンポイントでイラストにしている感じで、すごく伝わってきます。
全編フルカラーなのですが、色使いもセンス抜群で楽しく読めます。「おいしいロシア」を読めばロシア料理、そしてロシア文化にじわじわと興味が沸いてくるのではないでしょうか。
ところで本書で紹介された料理の一つに「毛皮を着たニシン」というものがあります。さてこの一風変わった名前の料理は何でしょう?正解はぜひ本書でお確かめください(ググっちゃダメよ)。
コメント