漫画「るなしい」―青春と欲望のオカルト・ビジネス・ストーリー

「これは 神の子として生まれた 郷田るなの伝記である」

意志強ナツ子(いしつよなつこ)さんの漫画「るなしい」。オカルト・ビジネスに関わる女子高生と友人たち、その行き着く先は…?

2021年8月現在、1巻が刊行中。講談社の雑誌「小説現代」連載、という変わり種のコミックです。

「るなしい」感想

あらすじ

「火神(かじん)の子」として、祖母(おばば)とオカルトな鍼灸院を営む高校生・郷田るな

風変りな言動から学校ではいじめのターゲットにされているが、隣の家の幼馴染み・スバルらカースト底辺の生徒たちとは、特技の鍼灸を通してうまく付き合っている。

そんなある日、鍼灸の知識を活かして、カースト上位の男子・ケンショーの悩みを解消したるな。彼と友人関係になり、さらに恋心を抱くように。

一方のケンショーはあまり裕福でない家庭事情からビジネスに興味を持ち、るなとおばばに教えを請うようになるが…?

「神の子」の行き着く先は?

実は漫画「るなしい」の冒頭では、刑務所で差し入れの自伝(?)を受け取る”るな”の姿が

カースト上位の男子との仲をこじらせた彼女が、成功を夢見るケンショーとともに信者ビジネスの道を歩いていくのですが、そこに行き着くまでの物語が展開されていくよう。

「オタサーの姫」だったるながケンショーと親密になり、その内面を徐々に変化。「稼業のノウハウ」を活かして小規模なビジネスに踏み出していくのですが、オカルト鍼灸を営む彼女は、果たして本当に「神の子」なのか?というのが怪しくも不思議なオカルト感を演出。

一方、彼女とおばばに次第に傾倒していくケンショー。貧しい家を助けるために成功したい!という現代社会にありがちなその姿が、るな・おばばらとはまた違った意味で薄ら寒さを感じさせていきます。

意志強ナツ子さんの漫画って、読んでいると「覗いてはいけないものを見ている」ような雰囲気があるのですが、それが故に一度読むとズブズブと沼にハマって抜け出せなくなっていく、何とも言えないイヤげな仄暗さ・背徳感が魅力。

そして既に開示されているるなの未来。そこに至るまでに起こったことに対して、否が応でも想像を掻き立てられるのですが、一度触れてしまうともう後戻りできないかも、と思わせるそのイヤげな感覚が、妙にクセになって怖い…。

まとめ

以上、意志強ナツ子さんの漫画「るなしい」の感想でした。

物語はまだまだ序盤ということで、どのような方向へ転がるのかまだまだ不明なのですが、どちらにしても「ろくでもない未来」が待っているかと思うと、奇妙なワクワク感が止まりません。さらなるブラックな展開が楽しみです。

意志強ナツ子さんの既刊はこちら
Kindle / ブックライブ

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