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漫画『アイアンバディ』感想―二足歩行ロボットに賭ける技術者の情熱!

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リアルに描かれるロボット開発ベンチャーの最前線。

二足歩行ロボット「ロビンソン」は、果たしてエベレストの頂上に立てるのか?

全4巻で完結となった漫画「アイアンバディ」を読みました。

二足歩行ロボットの開発ロボット・ベンチャーの在り方を描いた、リアルなサイエンス・コミック。全4巻というのは微妙な巻数ですが、その結末や如何に?(ネタバレは無いです)

「アイアンバディ」レビュー

あらすじ

二足歩行ロボット「ロビンソン」。その開発を独力で目指す西真工業代表・西村真琴

確かな実力を持つ若きロボット開発者だが、理想を追求するあまり仲間は次々と去り、幼馴染みである宇治の板金工場に間借りをする会社も倒産寸前

かつての仲間・椎野が重要ポストに付く三帝ロボティクスから買収の誘いを受けるも、金額が折り合わずに固辞。

そんな真琴の窮地を救ったのは、投資ファンドの星山。星山は「ロビンソンと共にエベレストの頂上へ」という、真琴の目標を評価する。

営業畑出身のロボット開発者・イクミ、星山の旧知のプログラマー・アリス、おなじくプログラマーで遠隔からサポートする謎の存在・オンザマイクなど、新たな仲間を得た真琴。

資金繰りにも目処が付き、目指すはロビンソンの完成。

その第一歩として「伊賀ニンニンロボティクスチャレンジ」に挑戦するが―?

アイアンバディ(1) (モーニングコミックス)左藤真通:講談社

二足歩行ロボット開発への情熱

…というのが「アイアンバディ」1~2巻の主なあらすじ。

2巻を読んだあとに4巻で完結するということを知り、「ちゃんとまとまるのかな?」と少し心配だったのですが、3・4巻でラストスパート。良いまとまりを見せてくれました

「二足歩行ロボット」と言えばなんと言っても「鉄腕アトム」、現実世界でならばHONDAの「ASIMO」などを想起します。

「アイアンバディ」はそんなアトムのような、ロボットによる完全二足歩行の実現を目指した人々の物語

なお本作に登場するロボットは、基本的に自律して活動するタイプです。

倒れないロボットを目指して

そもそも「ロボットに二足歩行をさせる意味なんかあるの?」と思いますよね。多脚や車輪の方が確実な安定感があります。

しかし人間社会は椅子や階段など、二足歩行である人間にあわせて作られているもの。

そこで活躍するロボットとは、それすなわち二足歩行である。

なんてことが劇中で語られて、実に説得力があります。

またそのためには「倒れない」ことが大事

人間には当たり前の二足歩行もロボットでハードルが高いのですが、真琴が目指すのは「スーパーロボット」。

1巻冒頭で、ロビンソンのデモンストレーションを行う真琴。その足を金属バットで全力で殴るも、横に飛んでバランスを保つロビンソン!

物語に一気に引き込まれる瞬間です。

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ロボット開発ベンチャーのリアルな現実

そんなリアルなロボット開発の世界。当然お金のかかり方もリアル。カネが無ければ夢も追えない。

そこをクリアするのが、ベンチャーであり投資ファンドであり。ロボットに関わる興味深いビジネスの現実も描かれます。

テレビで見るあのロボットたちも、いろいろな紆余曲折を経て世に姿をあらわしているのでしょう。

人間ドラマにも注目

主人公である真琴、イヤなやつではないんですが、理想のためには妥協を許さず、人の気持にも無頓着という一緒に働きたくないタイプ(笑)。

かつての仲間である宇治・椎野が真琴と袂を分かったのも、真琴の無神経とも言える性格にあります。

一度失敗をした彼が、新たな仲間、そしてかつての仲間との関わりを経て、どのように変わっていくのか、も見どころ。

創意工夫・技術発展のおもしろさ

そして楽しいのはやっぱりロボット開発の描かれ方

ロビンソンは目的に合わせて、数々の難題をクリアする必要に迫られます。

それを解決するのは開発陣の創意工夫。

技術力以外にも時間や予算という制約がある中で、失敗を繰り返して新しいものを産み出す。

モノ作りの醍醐味が伝わってきます。

まとめ

科学技術・ビジネス・人間ドラマと三拍子そろった漫画「アイアンバディ」。

欲を言えばもう少し長い巻数でじっくり読みたかったところですが、4巻が良い感じでまとまっていて満足

「アイアンバディ」の「バディ(Buddy)」は仲間・相棒の意

本作ではエベレストを目指す真琴とそのバディとなるロビンソン、という位置づけですが、いずれ二足歩行ロボットが我々のバディとなってくれるであろう。

そんな未来を感じさせてくれる全4巻でした。

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