呪みちるさんの短編漫画集『口裂け女あらわる!~昭和怪奇伝説~』より、短編『スケスケメガネ伝説』の主なあらすじとレビューです。
「『スケスケメガネ』って知ってます?」
特急電車の中、偶然向かい合ったサングラスの人物に、ほろ酔いの男性が子供の頃の思い出話を語りだす。
小学生の頃、原っぱに突如現れた、「スゴイ!本物!何デモ見エル!スケスケメガネ!」と書かれた怪しい立て看板。
そのスケスケメガネに興味を抱いた男性のもとに、「お小遣いを送ればスケスケメガネを送る」と、謎の手紙が届く。
エッチな期待を抱き、小遣いを送る男性。しかし「まだ足りない」と要求は次第にエスカレート。
そうこうしているうちに子供たちの間で、「スケスケメガネをかけ続けると次第に化け物になってしまう」との噂が。
怖くなった男性は送金をやめ、結局スケスケメガネを手に入れ損なう…。
そんなちょっと怖くて不思議な思い出話。しかしそれを聞いたサングラスの人物は、怪しく笑う。
「おしかったですね…あと一歩でスケスケメガネが手に入ったのに…」
そしてその口から語られたのは、「実際にスケスケメガネを手に入れた少年」が見た恐ろしい世界だって…!
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怪奇話・都市伝説などを題材にした、昭和感あふれるホラー短編を収録した『口裂け女あらわる!~昭和怪奇伝説~』。
その中でもタイトルからしてレトロさあふれる『スケスケメガネ伝説』ですが、ちょっとコミカルな「スケスケメガネ」というワードに反して、中身はがっつり不気味なホラーとなっています。
まず前半で語られる、男性の体験がすでに不気味。興味を持っただけで「何故か」自宅に届く手紙。しかも相手は男性の経済状況を「何故か」把握しているようで…?
理屈では説明できない不可思議な現象、呪みちるさんの暗めの描画と相まって、読みながら心の中に恐怖が湧き上がってきます。
が、『スケスケメガネ伝説』が本当に怖いのは後半!サングラスの人物が語る、スケスケメガネを手に入れた少年がたどった顛末。
メガネをかけると、人の服が透けて裸が見える!メガネの力は本当だった!その力にすっかり虜になる少年だったが、やがて「奇妙な物」が見えはじめ…。
果たして彼が見たものは何だったのか?そしてサングラスの人物はなぜその事を知っているのか?
ただ怖いだけでなく、その中に読み手を引き付けるストーリー性を持つホラー短編。ラストの余韻も含め、一度読むと忘れられないインパクトがあります。美麗な作画にも注目。
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