漫画「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」―愛と性欲のクライム・サスペンス

53年間一度も勃起したことの無い男は、「とある薬」に出会ったことからその人生を大きく変えてゆく…。

高橋ツトムさんの漫画「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」。強力なED錠「ジャンボマックス」が巻き起こす騒動描く、濃密なクライム・サスペンス。

アンダーグラウンドな雰囲気のそこかしこに、読者の心のアソコを刺激する劇薬が仕込まれていて、バツグンに面白い!。小学館ビッグコミック誌連載で、2021年11月現在1~4巻が刊行中、以下続刊です。

「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」感想・レビュー

あらすじ

家賃収入と薬局の経営で生計を立てる曽根建男(そねたてお)。高校生の娘を持つバツイチ美人女性・あかねと結婚、53歳にして幸せの絶頂に。さらに3ヶ月後、あかねから妊娠したことを告げられて…。

しかし初夜の時は泥酔で記憶が無く、しかも自身は「53年間一度も勃起したことの無い」身。果たしてお腹にいるのは自分の子供なのか?妻に対してわずかな不審を抱く。

その後、管理物件で店子の女性が失踪、女性の父・須磨岡と共に部屋を整理していると、謎のED錠を発見。妻とその元夫に対する対抗心から、建男は分けてもらった薬を服用。するとこれまでどんな薬を飲んでも反応しなかった下半身に、生まれて初めての感覚が―?

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危険なED錠をつくれ!

ED(勃起不全)を改善させる薬としては「バイアグラ」が有名ですが、主人公・建男が手に入れたのは中国人が精製したと思われる、出所不明の怪しい薬

しかし絶大過ぎるその効果により、「人生初めての勃起」を体験した建男。早速性欲の限りを尽く…さないのが「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」の面白み。薬剤師である彼がまず考えたのは、「これ(謎のED錠)の成分はなんなんだ?

そこから須磨岡、大学の女性研究員・鹿子(かのこ)を巻き込み、ED錠の成分を分析して独自製造~販売をすることに。

もちろん勝手に薬物を作るのは違法。しかし「薬そのもの」に感動した建男は、「一生分を作りたい」と決意。かくして建男・須磨岡・鹿子の、危険な「違法ED錠づくり」がスタートします。

社会を侵食していく「ジャンボマックス」

建男は苦心の末、オリジナルに近いED錠の精製に成功。試作品を須磨岡と鹿子へ渡すのですが、鹿子がそのED錠を彼女に言い寄る大学教授に飲ませたことから、物語がキナ臭い方向へ

すったもんだあって(ネタバレのため割愛)建男は薬の製造中止を訴えるも、既に受注が始まっていたため、仲間はそれを許さず。話し合いの末「600錠を作って打ち止め」とすることに

しかし流通し始めたED錠は、「最強のSEXドラッグ・ジャンボマックス」として徐々に社会に浸透。不審に思った警察も動き出し、さてどうなる建男一味!

この一つの薬がジワジワと人も社会も侵食していくサスペンス感が非常に面白い!最高にゾクゾクします。しかし気の弱い建男は、その状況にプレッシャーを感じて…?

追い詰められた主人公に変化が…?

さらに物語が進めば進むほど、建男の置かれる状況は悪くなる一方。根がマジメ過ぎる彼は、気の毒なほど狼狽・疲弊していく。さて、建男はこのままひたすら追い詰められてジリ貧の道を…

かと思いきや、「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」3巻で事態は大きく動きます

詳しくはネタバレになってしまうので自重しますが、追い詰められ、四面楚歌となった建男に「ある変化」が。文字通り「枯れていく」一方だった男。その心の芯にフッと火が灯る様子に、ページをめくる手に力が入る…!

一方、建男たちの思惑を大きく超えて、独り歩きし始めた「ジャンボマックス」。性欲だけに留まらず、金、そして「愛」をも生み出すその力。強力過ぎるED錠は果たして人々をどこへ連れて行くのか?仄暗く燃え上がる欲望から目が離せません。

まとめ

以上、高橋ツトムさんの漫画「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」感想・レビューでした。ケレン味たっぷりのタイトルと下ネタ系の題材から、もっとそっち方面の話かと思いきや、これが本格的なクライム・サスペンスで、意外な読後感。めちゃくちゃ面白い!

また一癖も二癖もある登場人物たち、それぞれに個性があって魅力的。さて、彼らに待ち受けるのは破滅の道か、それとも?単行本も巻を重ねて、いよいよ盛り上がってまいりました。今が読み頃!の漫画です。

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