「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」―愛と性欲のクライム・サスペンス

53年間、一度も勃起したことの無い男は、「とある薬」に出会ったことからその人生を大きく変えてゆく…。

高橋ツトムさんの漫画「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」。強力なED錠「ジャンボマックス」が巻き起こす騒動描く、濃密なクライム・サスペンスです。小学館ビッグコミック誌連載で、2021年9月現在1~3巻が刊行中、以下続刊です。

「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」感想

あらすじ

賃貸の家賃収入と薬局の経営で生計を立てる曽根建男(そねたてお)は、高校生の娘を持つバツイチ美人女性・あかねと結婚。53歳にして幸せの絶頂に。

さらに3ヶ月後、あかねから妊娠したことを告げられる建男。しかし初夜の時は泥酔で記憶が無く、しかも自身は「53年間一度も勃起したことの無い」身。果たしてお腹にいるのは自分の子供なのか?妻に対してわずかな不審を抱く。

その後、店子である女性が失踪、その部屋を父親・須磨岡と共に整理していると、謎のED錠を発見。妻とその元夫に対する対抗心から、分けてもらった薬を服用する建男。するとこれまでどんな薬を飲んでも反応しなかった下半身に、生まれて初めての感覚が―?

危険なED錠をつくれ!

ED(勃起不全)を改善させる薬としては「バイアグラ」が有名ですが、主人公・建男が手に入れたのは中国人が精製したと思われる怪しい薬。

しかし絶大過ぎるその効果により、「人生初めての勃起」を体験した建男。早速性欲の限りを尽く…さないのが「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」の面白いところ。

薬剤師である建男が謎のED錠を飲んでまず考えたのは、「これの成分はなんなんだ?」そこから須磨岡、そして大学の女性研究員・鹿子(かのこ)を巻き込み、ED錠の成分を分析して独自製造~販売をすることに。

もちろん勝手に薬物を作るのは違法。しかし「薬そのもの」に感動した建男は、「一生分を作りたい」と決意。かくして建男・須磨岡・鹿子の、危険な「違法ED錠づくり」がスタートします。

ちなみにこの「鹿子」(1・2巻のカバー絵にいるメガネの女性)が、とても魅力のある人物。一見地味なメガネ女子、しかしその中身は超絶美人にして、オヤジ二人を軽々手玉に取る大胆・剛毅な性格。物語を大きく動かすキャラクターです。

社会を侵食していく「ジャンボマックス」

そして建男は苦心の末、オリジナルに近いED錠を精製(この過程がまた面白い!)。試作品を須磨岡と鹿子へ渡すのですが、鹿子がそのED錠を彼女に言い寄る大学教授に飲ませたことから、物語がキナ臭い方向へ

薬が効きすぎたのか、なんと教授が(アソコをビンビンにして)死亡!そのことにショックを受けた建男は製造中止を訴えるも、既に受注が始まっていたためにそれを許さない須磨岡と鹿子。話し合いの末「600錠を作って打ち止め」とすることに

しかし流通し始めたED錠は、「最強のSEXドラッグ・ジャンボマックス」として徐々に社会に浸透。また教授の死を不審に思った警察も動き出し、さてどうなる建男一味!

この一つの薬がジワジワと人も社会も侵食していくサスペンス感に、最高にゾクゾクする!特に根がマジメ過ぎる建男、読んでるとついつい感情移入してしまうのですが、そんな彼が狼狽・疲弊していく様が気の毒で…。

追い詰められた主人公に変化が…?

物語が進めば進むほど、建男の置かれる状況は悪くなる一方。さて、建男はこのままひたすら追い詰められてジリ貧の道を…かと思いきや、「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」3巻で事態は大きく動きます

詳しくはネタバレになってしまうので自重しますが、追い詰められ、四面楚歌となった建男に「ある変化」が。文字通り「枯れていく」一方だった男の心の芯に、フッと火が灯る様子に、奇妙なワクワクを感じます。

一方、建男たちの思惑を大きく超えて、独り歩きし始めた「ジャンボマックス」。性欲だけに留まらず、金、そして「愛」をも生み出すその力。強力な、強力過ぎるED錠は果たして人々をどこへ連れて行くのか?仄暗く燃え上がる欲望から目が離せません。

まとめ

以上、高橋ツトムさんの漫画「JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~」感想でした。

ケレン味たっぷりのタイトルと下ネタ系の題材から、もっとそっち方面の話かと思いきや、これが本格的なクライム・サスペンスで、意外な読後感。めちゃくちゃ面白い!

また一癖も二癖もある登場人物たち、それぞれに個性があって魅力的。さて、彼らに待ち受けるのは破滅の道か、それとも?続きが気になりすぎる漫画です。

高橋ツトムさんの既刊はこちら
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